昨日、自粛生活を始めてから初めて外でmtgしました。制作物の最終見本を受け取る必要があったため、自宅近くまでパートナーに来てもらいました。(その会社さんがたまたまうちから徒歩で行けるくらいの場所だったので!)
ちょっと説明させてほしいということで、オープンテラスのカフェへ。30度近い気温だったのでコーラを飲みながら青空mtgしました。若干の修正箇所があったので指示出しをしつつ、外の世界の動きを聞いたりして時間を過ごしました。(テラス席で日射しを浴びながらのコーラは最高ですね!)
社長という神への忖度
その会社さんは昔ながらの広告代理店さんで、スーツをビシッと着込み、上司と部下の2人で来られていました。
「普段通りの働き方なんですか?」と質問したところ、男性社員は基本出社しているとのこと。社長さんが毎日出社されて、働く人間は会社にいるのが当たり前な感覚を持たれているので、社員もその意向に忖度して従っているような状況の様子でした。女性メンバーは在宅ワークしてるという謎の住み分けがされている話とか、これはもう宗教の違いなんだろうなと感じてしまいます。
常々感じていることですが、仕事の進め方も社長を神としたビジネス宗教が大きく影響しています。
僕も過去体験してきましたが、協力会社を下請け業者として扱うクライアント企業がいます。昔ながらの代理店さんだと、そういう環境で揉まれていることも多く、業者扱いしてくるクライアント企業への対応に慣れていたりします。
その代理店さんも大口のクライアントがいてかなり揉まれてきているので、低価格で対応が丁寧かつスピードが早い、クライアントから気に入られてナンボの働き方をされています。なので、とても重宝させていただいているのですが、今の自分には同じようにできないなと思っています。
返報性の原理の押し付け
僕は外部の協力会社さんをパートナーだと思って仕事をしています。自分が支援者側として業者扱いされたくないから相手にもしたくないという思いもありますが、なによりも自分にできないことをやってもらっているからです。すでに成果物として価値を受け取っていると思っているので、丁寧すぎる対応などの付加価値をもらうと逆に恐縮してしまい、返さないといけないなという感覚があります。
返報性の原理というやつで、借りたら返したくなる心理ですね。下請け業者として協力会社を扱う企業では、返報性の原理を押し付けているような状況があります。「やってあげてるんだから返してよ」という感じです。
仕事を与えてあげているという感覚があるので、常に相手に対して貸しているという認識なのだと思います。なので、もっと返してほしい、もっとよくしてほしいという思いが生まれていて、対価以上の要求を協力会社へしてしまっているのだと思います。
それに呼応する形で対応してしまう支援企業が多いので、業者扱いクライアント企業を助長させてしまってきているのだと思います。
押し付けが発生しやすい業界
特にどこから仕入れてもさほど変わらないような商品を取り扱っている場合は、こういう状況が生まれがちです。オフラインの広告媒体なんてまさにそれです。媒体の成果が代理店の力によって左右されるわけではないので、どこから買っても同じです。なので、値引き勝負みたいなことがまかり通ってます。
小売業なども業者扱いがデフォルトになっている業界だと思います。似たような商材であればどこから仕入れても同じだからです。値引きが当たり前、要求に答えられないなら他に変えればいいという感覚があると思います。
メーカー側も変えられたくない、なんとか選んでほしいと思うために、必要以上にへりくだってしまいます。なので、「ぜひ売らせてほしい!」と言われるような商品を作る必要があります。Appleのように。
パフォーマンスの高い結果のために
マーケティングの仕事は基本役務です。チラシ1枚作るにも、媒体1つ運用するにも、関わる人のさじ加減でクオリティが変わります。同じ媒体でも運用する企業によってパフォーマンスが変わります。結果は運用者のスキルに依存するからです。
企業間のパフォーマンスの違いだけでなく、同じ企業内でも担当者によって出せる結果が変わります。そして、同じ担当者でも力の入れ具合によって結果が変わります。それは予算の大小でほぼ決まります。つまり、安かろう悪かろうが起こりやすい環境です。
パートナーが適正価格として提案してきたものを受け入れ、その対価以上のパフォーマンスを発揮してもらうようにディレクションしていくのが、発注側の仕事だと僕は思っています。
p.s.
仕事への向き合い方は、それまでのビジネス環境によって大きく変わるものだなと感じます。いい悪いではなく、何を信じて、何を経験しているかの違いによって、それぞれの正義が存在します。まさにどんな宗教を是としているかの違いですね。