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ディズニーの攻めた価格戦略

ディズニーの世界観を世界上で楽しめる豪華客船があります。
そこで「スター・ウォーズ・ハイパースペース・ラウンジ」という場所が登場しました。

名前からすると、スター・ウォーズの世界に入り込める場所なのだと思いますが、そこで提供される70万円の高級カクテルがあるそうです。

使われているお酒が高級なものかつ、オリジナルグッズや一般にはオープンしていないスカイウォーカーランチへの招待券が手に入るということで、プレミア価格になっています。

「スター・ウォーズ・ハイパースペース・ラウンジ」に同時に入れる人数を50人までに制限していることで、より希少性の高い商品として成立しています。

70万円のカクテルと言うと「誰がそんなの頼むねん」と突っ込みたくなりますが、それなりにいると思います。

ホストやキャバクラで何百万円もするシャンパンタワーを注文する客がいるのと同じで、商品そのものの価値以上の金額を支払ってでも、その商品を買いたい客は存在します。

なぜかというと、人はアイデンティティを体現するために商品を買うからです。

アイデンティティとは、自己の価値観のことです。
「自分とはこういう人間だ」という思い込みのようなものです。

必要で買う商品はもう十分に足りています。
今の時代に人が買っているものは、「自分はこういう人間だ」を体現するものです。

・Apple製品を買い続けるビジネスパーソン
・高級なランチで優雅な時間を過ごす女性
・高級車に乗る経営者
・特売品を求めて遠くのスーパーに行く主婦

どれも「ありたい自分」を体現するための行動として、商品を買っています。
その根底には「そう思われたい」という承認欲求が存在します。

・イケてるビジネスパーソンだと思われたい
・余裕のある大人の女性だと思われたい
・勝ち組の経営者だと思われたい
・節約上手な賢い主婦だと思われたい
など。

この「そう思われたい」「そうありたい」という欲求を満たす価値を提供したり、商品の届け方を提供することで、欲しいと感じる人は生み出せます。

今売っている商品は、顧客のどんなアイデンティティを体現できていますか?

ー マーケティングは一日にして成らず ー