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選ばれ続ける企業になるために

まぐろの解体ショーを見てきました。

先日、知人と居酒屋へ行きました。ビールを頼み、食事メニューに目をやると、「マグロの解体やってます」と書いてありました。なにやら人がわらわらとお店のカウンター席付近に集まってるなと思ったら。そういうことか。


まぐろの解体ショーは人生二度目です。初解体ショーは広告代理店時代にテレビ局さんの主催するイベントで見たすしざんまいの社長によるものでした。1mを超える大きさのマグロの脳天をスプーンですくって食べたのが印象的です。


その日のマグロは40数kgのもので、板前さん二人がかりで持ち上げられるような大きさでした。解体を始める前に板前さんからマグロうんちくがいくつか話されました。

マグロは泳ぎ続けないと死にます。その理由は、エラを自ら動かすことができないからです。泳いで口から海水を流し込み、エラに通すことで酸素を吸収しているので、泳ぎ続けないと酸欠になってしまうようです。


過去に水揚げされた最大のマグロは400kg以上で体長は3mもあったそうです。毎年テレビで話題になる初セリで取引されるマグロが200kg台ということなので、どれだけ大きいかわかります。

毎日同じことをやっているだけあって、話し方や客のひきつけ方、客の飽きてくるポイントなどを理解して板前さんのトークは進みます。さばきながら各部位の説明をしてくれたので、飽きることなく最後まで楽しんで見られました。

知人がおすすめしていた中落ちは残念ながら既に完売。情報の大切さをしみじみと感じさせられました。

希少部位3点、まぐろが山盛りの桶づくりをとりあえず注文。よくよく考えるとマグロばかりで結構な量を頼んでしまいました。目の前で見て、テンションが上がったのか、オーダーが進む。まさに解体ショーマジック。


運ばれてきたまぐろの刺身は1人あたり3人前はあろうかという量。普段マグロをあまり食べないので、その日で1年分くらい食したと思います。

 

顧客と何で繋がっていますか?


人は慣れます。慣れていることに対する安心感があります。でも、時には新しいもの、より良いかもしれない未知のものへ触れたいという欲求も持っています。


今の日本では、おいしくて、安いものは当たり前になっています。では、どうすれば人を引きつけられるのか?やはりそこには食事以外の体験が必要だと思います。


接客かもしれません、空間かもしれません、演出かもしれません。当たり前のハードルが上がっている中で、+αの付加価値を提供できなければ、選ばれて選ばれ続ける商売にはできません。


昨今、CRMの重要性が取り上げられていますが、商売の基本は顧客との関係性です。今に始まったことではありません。

新規を取ることだけに没頭してればある程度回っていた時代もあったと思います。でも今ではものが溢れ争いが熾烈化したことで、新規獲得が思ったようにいかなくなり、改めて既存顧客への注目が集まりだしているように感じます。

顧客との付き合い方がうまい企業では、口コミの誘発や、商品へのフィードバックなどポジティブなサイクルがうまれることで、事業が安定していると思います。


そういう企業は多くの場合、商品以外の繋がりを顧客と持っています。商品だけで繋がっている企業は、商品の機能を買われているにすぎないので、もっと優れた商品や、同等のもので安いものがでれば、そちらへ何の躊躇もなく鞍替えられます。

買い続けてもらうためには、既存顧客の期待値を越えていき、満足度を高めることを考えていかなければなりません。顧客とどういう付き合い方をしていくのかを考えるのも、マーケティング担当者の仕事と言えます。