ガリガリ君で有名な赤城乳業さんから、犬用のアイス「ワンワン君」が発売中です。
EC限定で1個528円とハーゲンダッツを超える高級アイスになっています。
僕は数年前まで男性用の育毛剤メーカーの経営をしていました。
年間5億くらいは広告費に使っているそこそこの規模のD2C企業だったのですが、その頃は化粧品や健康食品のD2Cに参入する企業がたくさんいました。
当時はD2Cという言葉が流行り出し、瞬間風速的な売上を叩き出す企業がゴロゴロと出てきているような状況でした。
投資家も次の金脈を見つけるために積極的に投資をしていた印象です。
ですが、今では化粧品や健康食品で調子が良い新興企業はほぼ聞かなくなりました。
その理由は、競合商品が増えたこともありますが、同じような商品をすぐに作れる状況があったり、プロモーションが以前と比べてやりづらくなっていることが挙げられます。
最も大きな理由は、強硬派のアフィリエイターがいなくなっていることです。
グレーゾーンを攻めるアフィリエイターの力で、多くの企業が売上を伸ばしていました。
今、D2C界隈で名の知れている企業のほとんどが、そういうやり方で売上の土台を築いていました。
ですが、以前と比べて関係省庁の目が厳しくなっていることもあり、昔ほどグレーゾーンを攻める企業は減っています。
そのため、新規獲得ができず、大きく売上を伸ばせていない状況があります。
よっぽど商品に特徴があれば、売れる可能性はありますが、多くの商品はどこでも作れるような商品になりがちです。
なぜなら、多くの企業がOEMで製造しているからです。
OEM企業もすごく増えた印象があります。
彼らも自分たちで営業し、積極的に取引先メーカーを増やしています。
そのため、似たような商品がゴロゴロと生まれています。
売り方も成功モデルが擦られすぎて、見込み客に届きづらくなっています。
例えば、インフルエンサーを起用した口コミや、アンケートリサーチによる評価コンテンツ、ランキングサイトへの掲載など。
みんな似たような商品を似たような売り方で売っているので、何で差がつくかというと広告の投下量になります。
年に数億以上の広告費を投資できる企業でなければ、普通に戦えません。
数年赤字でも運営し続けられる体力がなければ、勝ち目がない状況です。
そうなると、莫大な資本を持った大手企業しか戦えません。
なので、多くの中小D2C企業は地味な経営状況に陥ってしまっています。
そんな中、好調な商材があります。
それが食品とペット向け商品です。
中でも、ペット向け商品は単価の高いものが売れてます。
サプリも増えてます。
犬がサプリを飲んでどう変わったかなんてわかるのか?と思うかもしれませんが、家族に対してできることをしてあげたいと思う、飼い主の気持ちを考えれば理解できます。
ニッチな商品は、大量に売る必要はありません。
特定の市場に対してそこそこ売れ続ける商品であればOKです。
なので、単価が高くても販売ができ、採算を合わせやすくなります。
お金を持っている人ほど、自分より誰かに使うことで満足感を得られます。
高齢者が増え、ペット需要も高まっていく中、ペット向け商品の市場は今後も大きくなっていくと思います。
528円の贅沢アイスを食べられるワンちゃんは幸せ者ですね。
ちなみに、僕の好きなアイスは森永乳業さんの「MOW」です。
ーマーケティングは一日にして成らずー
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