こんな広告を見つけました。
AIが商品画像やレイアウトを自動表示してくれるサービスのようです。ABテストよりも効果的な方法だと広告されています。
テクノロジーの進化でどんどんと便利な世の中になっていっています。人間が処理できないレベルで作業をしてくれるシステムがどんどんと登場しています。
でも、気になる点があります。
広告の見出しテキストのレイアウトが崩れてます。
普通の広告であれば入稿した人間がミスったんだろうなと思うだけですが、AIが自動レイアウトするサービスでレイアウト崩れがあるのは、サービス自体への不信に繋がります。ちゃんと自動で効果的なレイアウトを作れるの?て思っちゃいますよねw
マーケティングの一貫性
マーケティングには一貫性が必要です。なぜなら顧客は複数の地点で商品や企業の情報に触れて、購入までたどり着くからです。
イケてる商品がダサい広告を出していたら「あれ、イケてる商品と思ってたけど違うんだ。」という印象を与えてしまいます。顧客第一主義を掲げていてもサポートが整ってないとか、対応がよくないとかもよくありません。
言っていることとやっていること、表現していることと実態が合っていないと違和感を与えます。なので、初期接点となる広告表現から商品の購入体験、購入後の関係づくりまでを一連の流れと捉えて設計することが大事だと考えられています。
ですが、落とし穴もあります。顧客は企業が思い描いた通りに用意した道を通ってくれるわけではないからです。求めていることと反応してしまうことが違うことがあるからです。
最初はあまりいい印象を持っていなかった相手が、ふとした瞬間にすごくいい奴に思えることってありますよね?相手のタイミングや状態で、物事の見方や捉え方は変わります。なので、意図しないところから顧客になってくれることもあります。
一貫性のない成功事例
ユニクロのように広告クリエイティブと販促クリエイティブとを分けてうまくいっているケースもあります。TVCMなどは高級品のイメージで、チラシはスーパーのチラシのように。安いけどいいものという刷り込みを相対する表現で行っています。
誰もが安いものがいいと思っていますが、誰もが安物が欲しいと思っているわけではないという矛盾への対応策になっています。
男性用スキンケアブランドとして台頭しているバルクオムなども、木村拓哉を起用してキレイなwebサイトを運用している一方、広告ではエロ漫画動画をバンバン流してたりします。人が反応するものと、人が印象を受けるものを切り分けて運用しています。
人の求めていることと反応してしまうことは違う
通販広告では通常、人が反応するものを中心に表現します。なぜなら通販における広告が売る目的で行われることだからです。イメージを与えても売れません。広告で直接買ってもらうのが通販事業の核となる部分です。なので、イメージや認知してもらうための広告では不十分です。
でもより大きな事業にしていくためには、買い手の納得感をいろんな接点で作っていかなければいけません。人が商品を買うのは、それによって自分を定義するためです。良い商品を使っている自分、スキンケアで自分磨きをしている自分、周りへ好印象を与えられる自分など。
もちろん、反応を取るためのプロモーションがあり、それによって十分に顧客を増やせる基盤がありきの話なので、最初からいろんな接点での買い手の納得感を作りにいってはいけません。
新しく立ち上げる事業やまだまだ収益基盤が盤石ではない事業で、有名タレントの起用やキレイなwebサイトなど表面的なところだけを切り取っても、うまくはいきません。
まずは売ること、見込み客の反応を得ることに集中してください。
p.s.
一貫性を考えるとこれはどうなんだろうと思いますが、たぶん僕のような一般人の思考を超越した商品なのだと思います。