バーや寿司屋の価値は「一人では買えないような商品を、店に集まる人たちでシェアする場」と言える。という記事がありました。
例えば、大間のマグロや英国のコンテストで受賞したウイスキーだとかを、個人が手に入れることは難しいです。でも寿司屋やバーがそれを手に入れて、お客さんとシェアすることで、個人でも大間のマグロを食べる、受賞ウイスキーを飲むという目的を果たすことができます。
しかも個人で手に入れるよりも安価でたやすく。そしてそのシェアするされる関係は身近なところで行われている、という話でした。
この例を持ちだして記事で書かれていたポイントとしては、「自分の稼ぎのうちのいくばくかを各々が異なる領域で商売を営んでいるあまり遠くない関係の人たちとシェアすることで、その関係者全体にお金が回っていく」ということです。
つまり、お金の循環を親しい間柄で回していくことで、関わるみんながハッピーになっていくということです。
その時に重要になるのが「適度なオープン性」だと述べられています。誰でも入れる環境ではあるけど、そこに居る人たちの納得するような人だけが残っていくような形を取ることだそうです。
そうすることで、シェアする側もされる側も気持ちの良い相手とお金の循環をさせていくことができます。
歩くカタログ化した営業
僕の場合は、クライアントの商品を購入することもありますが、商品を知るという目的のためだったりするので、あまりこのシェアし合う関係という構図にはならないと思います。
形としてあるとすれば、仕事を依頼しているパートナー企業さんから、自社のマーケティングについての相談を受けるとかですかね。でもあまりそういう機会はありません。
いろんなツールベンダーさんともお付き合いはありますが、あまりマーケティングの価値シェアを外部に求めていないように感じます。
マーケティング関連のツールに関係なくそうかもしれませんが、プロダクトを提供している企業は、自社の製品が良いものであれば市場から求められると考えがちです。そういう企業では、営業は配置しているものの「歩くカタログ」化しているような営業さんが多いように感じます。
おそらくベンダーさんの場合は代理店販売という形式によって価値シェアをしていることが多いので、自社でマーケティングを強化していく、という考えに至りづらいのだと思います。
今の日本で唯一無二の商品はほぼありません。ポジショニングや機能の違いはあれど、解決できる問題の根本は同じという商品がほとんどです。
そんな環境下で、その違いを顧客が理解し、自社に最適な商品を選択することはムズカシイことだと思います。そのため最終的には価格で選ばれてしまいます。
「これならこの人」という協力者たちが僕にはいます
支援する企業で欠けている役割があれば、その人たちを紹介するようにしています。フィーはもらってませんが、お金ではなく相手の時間をシェアしてもらっているという感覚でいるので個人的にはそれで問題ありません。
基本的には来るもの拒まず、去るもの追わずのスタンスなので、これまでもいろんなパートナー企業の方とお仕事をしてきました。
最近では、信頼のおける方たちが固まってきています。今の状況が「適度なオープン性」というものがもたらした結果かなと感じています。
今は適宜、足りないピースをはめる形でやってますが、そもそもの布陣としてチャレンジしていくのも楽しそうだなと思いました。
プロダクトを市場に提供している企業が競合との価格競争に巻き込まれず、自社のプロダクトの価値をシェアしていくためには、自社でマーケティングを強化するか、マーケティング力をシェアしてもらい、自社のマーケティングチームを作るかが必要だと思います。
参考:http://toyokeizai.net/articles/-/117131?page=2