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ナンパ師に見るセールスとマーケティングの違い

結局はマーケティングなんだ、というお話。

月曜日に知人から紹介してもらった開発会社の人と会いました。お互い日中の調整ができなかったので、夜軽く飲みに行くことに。

相手の職場が上野近辺ということだったので、上野に集合して大衆居酒屋が軒を連ねるエリアへふらっと向かう。週の頭にも関わらず、そのエリアは金曜日のような装いで活気づいていた。上野もなかなかの盛況エリアです。

路上にせり出した喫茶店にあるような50cm角のテーブル席へ着席し、お互いの自己紹介をはじめました。

その方は、元々アプリなどを開発しており、今は開発者ではなくディレクション業務をメインにしていました。

開発案件は依頼主のリテラシーがないことが多いので、開発者への橋渡し役がプロジェクトの成否を分けると言っても過言ではありません。

適切な開発者を選ぶことも重要ですが、ふわっとした依頼をきちんと要件定義して、適切にクライアントとも共有するディレクターの役割はとても大きいです。

僕も昔いくつかシステム開発案件に携わりました。お恥ずかしながら自分自身の未熟さもあり、ハンドリングできずに火の粉を撒き散らしながらなんとか納品するという苦い思い出もあります。

今は開発案件を依頼される時は、ディレクションのできる人間を立ててやるか、完全に紹介してしまい自分は関わらないようにしています。餅は餅屋です。

なぜ交流会で著名な人に積極的に近づいてはだめなのか

彼はパートナーやクライアントを見つけるために、交流会などに積極的に参加をしていました。しかも、交流会に参加している著名な方と如何にお近づきになれるか?を目標にして活動しているとのこと。

典型的な間違った人脈づくりの仕方だなと思ったので、持論をいくつかシェアしました。大前提、フラットな出会いのタイミングで利害関係を持ち込むと良い関係には発展しづらいと思っています。

最初の時点で相手に台座が置かれてしまいます。以降そこの目線を合わせることは難しくなり、最初に接触した距離以上には詰めにくいと思っています。

実際に、彼も交流会以降で発展した出会いはないと言ってました。


セールスが得意な人は相手の気持ちは特に気にせず、どんどんと出会いたい相手に攻め込んでいくと思います。

セールスが得意ではない人は、セールスをしやすくするためにマーケティングをしなければいけません。相手の求めている状態になることで、自分を売り込む機会をスムーズに作ることが必要になります。それがマーケティングです。

自分のことを魅力的に伝えられ、会話の中で相手も気持ちよくさせて、自分の魅力に引き込むことができるのであれば、どんどんと接触していけばいいと思います。

そういったコミュニケーションに長けていないのであれば、共通の知り合いを作りに行くとか、相手の興味のある話を事前に仕入れておくとか、売り込みをしやすくするための準備が何かしら必要です。

営業のスタイルとナンパのスタイル

セールスとマーケティングは違います。セールスは商品がありきで売り込むこと。マーケティングは相手ありきで商品をつくるところから始めて、セールスし易い状態を作ることです。

ドブ板営業と言われるテレアポや飛び込み系の営業スタイルは、道端でガンガン声をかけるナンパ師と同じです。

展示会での出展でリード獲得をする営業スタイルは、クラブや出会い系イベントで声をかけるナンパ師と同じです。

人脈を築いて紹介を増やしていくスタイルの営業スタイルは、合コンを数珠つなぎのように開催するナンパ師と同じです

最強だと思っているのは、パーティを主催して「主催者」という特権を手に入れて好き放題するナンパ師です。

マーケターとしてはこの域を目指していきたいところです。

ただ、この最強の状況を手に入れるためには、手間も暇もお金もかかります。短期的に見ると、道端でガンガン声をかけるナンパ師が成果としては上げられます。

そういう意味でセールス力のある人が最強ですし、立ち上げ間もない会社は何が何でも営業をしなければいけないと言われているのは、短期的に収益を上げていかないといけないという事情があるからです。

人的・金銭的資産に余裕が出て初めて、手間も暇もお金もかかるマーケティングに取り掛かれるのだと思います。

ただ、営業をしやすくするためにはマーケティングが必要なので、結局はマーケティングをしなければならないということです。

とにかく、マーケティングなんです。