「フォールス・コンセンサス効果」というものがあります。他人の価値観は自分と同じようなものだと思い込みやすい、というものです。
シカゴ大学 ジョージ・ウーの実験
これを実証するためのこんな実験がありました。
学生たちに2つの質問をしました。
A:あなたは携帯電話を持っていますか?
B:クラスの何%が携帯電話を持っていると思いますか?
携帯電話を持っていると答えた学生は、平均してクラスの65%が持っていると予想しました。
携帯電話を持っていないと答えた学生は、平均してクラスの40%が持っていると予想しました。
実際には、携帯電話の所有率はクラスの50%でした。
この実験は、「自分が持っていないものは、他の人も持っていないだろう」と思う傾向があるということを示しています。
特に世の中の人たちが使っていない商品を市場に浸透させる場合、この心理を打破する必要があります。どれだけ問題を喚起して、解決策を提示して、そのための最適な商品がコレ!ということを伝えても、いま自分が使っていないものへの関心を寄せることは難しいです。
「どうせ、他の人も使っていないだろう。自分にも必要ない。」と思うからです。なのでマーケティングにおいては、”売れている感””流行ってる感””周りも使ってるから自分にも必要感”を作り出すことが大事になります。
「必要としている人に売る」、これはマーケティングの一つの側面でしかありません。需要を掘り起こして、価値提供機会を最大化することがマーケティングの本来の目的で、醍醐味です。
是非、自社の商品を買わない人たちがそれを買わない理由を考えてみてください。欲しくない人の欲しくない理由を払拭することができれば、商品は自ずと買われます。
そうできたら、めちゃめちゃ楽しいですよね。僕はいつもそういうことを考えています。