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リサーチの罠

「同じ宣伝文句でも、好きなタレントが語りかけると○%効果UP!?~TVCM接触回数とブランドの関係~」という記事がありました。

ビデオリサーチ社がTV視聴ログ測定パネル「VR CUBIC」を使って調査したデータです。TVCM接触者に対してアンケートで、そのCMの認知や商品への好意度・購入意向などまで把握することが可能なサービスです。

今回の調査は、同じ飲料で違うタレントを起用している3つのCMを比較して、今回の調査対象であるM2層(20-34才男性)に人気の高いタレントを起用しているCMのブランドイメージが最も高く出たというものになっています。

考察として、”そして、男性人気の高い女優Zが出演しているTVCM③は、いずれも女優Zの笑顔がアップになるシーンが多く盛り込まれており、SNSでも「一緒に飲みたい」「かわいい」といった投稿が多数あがっていることから、女優Zが「商品A」のブランドイメージおよび購入意向をより強く促進・醸成させているという見方ができます。”とあります。

手法に陥るな

これってわざわざ調査するまでもなく、そらそうやろ!て話だと思います。好感度の高い相手から受ける印象の方が良いに決まってます。購入意向度のポイント差も再現性があるものではないし、想定できることをわざわざお金と時間をかけて調査したにすぎないと思います。

これに関しては、ビデオリサーチの「VR CUBIC」のPR用のキャッチーな調査ということはわかりますが、実際のマーケティングの現場でも調査に関しては、無駄なことをわざわざしているケースがよくあります。

一般情報として流れていることを調べるためにお金をかけていたり、無駄に細かな情報を取得しようとしてお金をかけていたり、「想定していた通りだったね。」「で、どうする?」という結果をもたらす調査が多いように感じます。

マーケティング活動においてリサーチはとても大切です。でもそれは、アンケートに答えようとしている人から得られる情報のことだけを指すわけではありません(もちろん当て所を探るためにやった方が良い)。顧客へのヒアリング、社内へのヒアリングなど、答えを導くための生きた材料を集めることがより大切です。

参考 http://www.videor.co.jp/digestplus/ad/2018/05/10562.html