高級バッグのサブスクリプションサービスを展開する企業の記事を読んだのですが、シェアエコノミーというものを再認識できました。
サービスの内容は月額6,800円で好きなブランドバッグをレンタルできるというものです。ただの定額借り放題サービスと違っている特徴として、GPSでユーザーの行動データを取得しているところが記事のネタとして取り上げられていました。
シャネルの店舗へ行ったらシャネルのバッグがアプリ上でレコメンドされるなど、データ活用をしてユーザーの利用促進をしています。自社以外へのデータ活用はまだそこまで進んでいないようですが、ブランドバッグを持ちたいという欲求を持っている人たちを特定でき、その人たちの生活導線を把握することができるのはおもしろいなと思います。
レンタルサービスの枠組みを超えたサービス
僕が賢いなと思ったのは、事業社が全ての商品を手配しているのではなく、ブランドバッグをクローゼットで眠らせている人たちを仕入れ業者として巻き込んでいるところです。世の中には使われていないバッグがたくさんあります。捨てるのは勿体無いし、中古買取りに出しても二束三文にしかなりません。
そこで自分のバッグを貸し出し、借り手がいれば報酬を得られるという仕組みを取り入れています。最大で月2,000円程度の収入を得られるようなのでタンスの肥やしにしているよりは明らかに良いということになります。10万円で5個のバッグを買った人が8ヶ月で6万円稼いだという話もあります。
高級品を買う人は、買う行為に欲求を満たすスイッチがあります。欲求が消えることはないので買い続けます。たまに金持ちのお宅訪問的な番組の企画で、買ったけど一度も使ってないというブランド品が紹介されてたりしますが、まさにあの状態です。
それを流通させることで、眠っている資産を需要と結びつけて価値を生み出させています。この時、メインのプレイヤーは貸し手と借り手です。モノを利益を生む資産として変換するために、それらを取りまとめるプラットフォーマーとしての事業社が居る形です。
レンタルサービスだと思って捉えていましたが、目指しているのはシェアサービス企業なんだなと感じました。眠らせているモノ・コト・情報を資産化するという視点でビジネスを捉えると、新しいサービスを考えるのに役立ちそうです。
参考