仕事で原宿に月に1,2度行きます。原宿駅の広告は10代向けの商品で溢れています。先日、思わず目に止まった広告がありました。
秋元康プロデュースのガールズバンドオーディションの告知広告です。今もあるのか知りませんが、スタジオやライブハウスに貼ってあるメンバー募集のビラのデザインになっています。募集しているメンバーの要件を書いて、連絡先の書いてあるチケットを下の方にビラビラさせているやつです。
面白い演出だなと思いましたが、同時に今もこんな昔ながらの方法でバンドメンバー募集の告知をしているのだろうか?という疑問が頭に浮かびました。SNS全盛の時代に、壁に手書きの紙を貼って連絡先を書いた切れ端をちぎっていってもらうようなことをしているんでしょうか。
壁に手書きビラを貼っていたとしても、LINEのIDやTwitterアカウントなどが書いてあって、その場でスマホからメンバーへDMできるようにしているのではないか?と想像してます。
もしそうなら、この募集ビラ風ポスターは完全にリアルな10代バンドガール達には「?」な代物になります。現場を見ていないクリエイター達が室内で盛り上がって創作した絵遊びに過ぎません。
広告クリエイティブの役割を明確にできているか
まぁ、秋元康陣営でそんな下手は打たないと思うので、実際にアナログにメンバー募集がされているんだろうとは思いますが、現場を理解していないクリエイティブは世の中にゴロゴロしてます。
「そんなちっちゃい文字誰が読めんねん!」「で?何なの??」「誰に向けたもの?」と感じることがよくあります。
ターゲットの文脈に沿ったメッセージやイメージを作れているのか、それが伝わった時にターゲットの中で意識の変化が起こるのか、その後期待通りの行動へと動かすことができるのか、その観点が抜け落ちている広告表現が多いなと思います。
かと言って、それを実現するためのクリエイティブを作るのは簡単ではありません。ただ、少なくともターゲットの気持ちやシチュエーションを深く理解せずに作られたクリエイティブよりは、これらの観点を元に作られたものの方が良いものが出来上がると思います。
p.s.
経済と同じでアーティストの世界にも大きな波があります。ソロに注目が集まる時代、ユニットに注目が集まる時代、バンドに注目が集まる時代、それを10数年周期で巡っているというような話を聞いたことがあります。AKBに見切りをつけ、次のブームに仕掛けに出てるんだなと感心しました。
まさに破壊と創造。既存ビジネスに対して大企業が業界構造を変えに行く時、それが最強であり最良であると思っています。