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珍しいスタバの広告

スタバの広告って見たこと有りますか?

良い商品に加えて、提供する居心地の良い空間が利用者にとっての付加価値となっている誰もが知ってる人気のカフェです。

お店自体が最も信頼できるメディアであり、利用者の口コミが広告として大きな役割を担っています。そのためメディアに出稿しての広告活動は活発ではありません。ほぼ見たことがありません。

昨日クライアント先へ訪問するために初台駅へ行きました。改札を出ると、オペラシティ方面へ向かう長めの通路があります。

その両脇にはポスターボードが並んでいます。だいたいは、イベント告知など地味な広告ばかりなので、特に目を留めることはないのですが、この日は思わず視界にとびこんできたポスターがありました。

「おや、なんか雰囲気の違うポスターがある」「あ、スタバやん。珍しいなー、オープン告知やからか。そういう時は必要最小限で広告出すんやなー。駅広告はうってつけではあるしな。」といつのも癖で考察。

いかにもカフェっぽい、落ち着いたデザイン。スタバぽさも感じ取れます。周囲に似つかわしくないトンマナなので、意識を持っていかれました。

枠ばかり気にしてませんか?


広告は「媒体」の文脈で扱われることが多いです。それは広告代理店も媒体社も「媒体という枠」を売りたいからです。「この媒体に出せばこういう人たちにリーチできます」「今までにない見せ方のできる新しい媒体ができました。」

でも、広告は「どこで」と「何を」の掛けあわせです。「どこで」ばかりに注目されて、「何を」が置き去りにされています。

適切なタイミングで適切な相手に広告できる機会を媒体で得たとしても、そこで伝えられている内容に刺さらなければ見向きもされません。見向きされたとしてもスルーされます。この2つの要素がマッチしていないため、広告が効果を発揮しないのです。

広告主側もしばしば誤った判断をします。「あの媒体はダメだった、もっといい媒体はないのか?」。広告代理店はだいたい誤った提案をします。「あの媒体は他のクライアントで実施したけど効果的でなかった。」。

これらは全て「何を」の重要性をわかっていないからです。ターゲットになりそうな人たちが集まるセグメントに対してリーチ、つまり届けるために媒体は利用します。その人たちを振り向き、覗きこませ、一歩前に出させるためにはクリエイティブの力が不可欠です。


それを理解できていない広告主、広告代理店が多いと感じます。(クリエイティブとは広告表現という意味合いだけでなく、その広告との接触の仕方、接触時の体験、接触後の行動喚起など含めたものと考えています)

広告による認知獲得はその露出量が大切なのは間違いありません。接触機会を多く持てば、接触できる可能性が高くなるからです。

スタバの広告はポスター1枚です。露出量で認知を得たのではなく、そのクリエイティブによって最小の費用で最大の効果を得られています。

周りと明らかに違う広告表現によって、その空間内で目立つ存在となることで、たった1回の接触機会にも関わらず、僕の目をとめさせるという認知獲得という結果を得ました。

必要な情報を適切な場所で適切な相手に。