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コンテンツの生かし方

日曜日は子守Dayです。奥様はハウスメーカー勤務なので休日が火水です。そのため、保育園に預けられない日曜日は、僕は1人で息子(3才)の面倒を見ています。

昨日も、1日息子と過ごしました。金曜に発熱していたので、昨日は大事を取って家で過ごすことにしました。

日曜の朝には戦隊モノと仮面ライダーを放送しています。息子は朝起きてないので、毎回録画しています。昨日はその録画した最新回をひたすらリピートするという、一緒に居る身としてはなんとも苦行のような時間を過ごしていました。

この手の番組を見るのは自分も子どもの頃以来なので、20年以上ぶりになります。戦隊モノの方は、悪者が人間に悪さをしにくる、それを5人組のヒーローが退治する、悪者が復活して巨大化、ヒーローはロボットで戦う、という昔から変わらない展開です。この流れは水戸黄門的な安心感があります。

仮面ライダーの方は、登場人物の葛藤や苦悩などストーリーもしっかりとあり、大人が楽しめる内容になっています。むしろ子どもはきちんと理解できていないのではないかと思うような内容です。
一緒に見ている親の方がはまってしまうのもわかります。ここ最近、奥様の休みの日には何かしら関連グッズが増えています。

コンテンツとCMの同化

子ども向けの番組は玩具などの関連商品とセットで売上をつくるモデルになっています。おもちゃ、文具、お菓子、ゲーム、カード、DVDなど。至るところに散りばめられていて、そのやり方に感心が止まりません。


CM枠には絶対に変身ベルトや武器、ロボットなどのおもちゃのCMが入ります。番組中で新しい武器が登場したら、その直後のCMでその武器のおもちゃの新CMが挿入されていることがありました。これには思わず「うまいな〜」と思ってしまいました。

また、同じアイテムでもmini版、デラックス版など複数パターンがあり、mini版を手に入れるとデラックス版を欲しくなるのは人の心情です。これまた「うまいな〜」と思いました。


完全に番組と連動してCMが存在するので、CMもコンテンツの一部になっています。広告は求められず、嫌われていることもある存在です。TVCMは特にトイレ時間や,他の番組のザッピング時間だったり、最近ではスマホ閲覧時間だったりします。録画しているものは容易にスキップされてしまっています。


でも、これら子ども向けの番組では、それ自体もコンテンツ化しているので流れで視聴します。しかも、子どもの欲求を掻き立て、すぐ側にはそれをぶつける相手である親が居ます。

毎週欠かさず見る番組、毎週必ず見るおもちゃのCM、刷り込み効果も半端ないです。TVCMでこれだけ商品を手に入れたいと思わせられているものは他には無いと思います。

おねだりに負け、買ったと思ってもしばらくすると、進化した武器やらロボやらが中盤以降で登場します。そして、また子ども欲しいを引き出します。その頃には、一緒に見ている親の方にもそれを欲しいと思わせています。

ターゲットの文脈に合わせる

TVCMに限らず、広告を出す場所と同じように大切なのが「そこで何を言うか」です。場所に集まっている人が求めているものに合致した言い方をしなければ、反応はしてくれません。

その場所に集まっている人たちのことをとことん理解すれば、どういう言い方をすれば良いかがわかります。

それは広告表現ということにとどまらず、商品自体を変えるという選択も含まれます。たとえば、お菓子メーカーはコンテンツとタイアップした商品を出します。ヒーローのシールが入っているようなやつです。


もちろん普通にお菓子を売るよりも、ノベルティ費用やタイアップ費用がかかるので、製造原価は高くなります。でも、そうすることで売れ行きが大きく変わります。

よく広告の現場で行われていることは、「子どもはお菓子が好きだから、子ども番組にCMを長そう」という単純なことです。これでは何を言うかが弱く、そこに居るターゲットたちを振り向かせるにはインパクトに欠けます。

もちろん子どもたちが喜ぶような広告表現をつくることで訴求できるようにはできますが、商品自体もターゲットの文脈に合わせている商品のインパクトには敵いません。

マーケティングはプロモーションの域だけの話ではありません。どうしても広告として捉えられがちですが、「商品をターゲットの文脈に応じて変える」こともマーケティング担当者の仕事だと言えます。