車乗っていますか?
都心は車の方が不便な環境があります。電車に乗ればどこにでも30分以内でいけるような交通網が敷かれています。なので、僕は乗っていません。
とにかく交通の便を良くしたかったので、オフィスも自宅も駅近にしました。東京に来てから車には一度も乗っていませんし、維持費や駐車場、道も混んでいるなどデメリットが目立つため、これから先も乗りたいと思っていません。(というか完全なペーパードライバーなので運転怖いw)
ですが、働く環境が変わりリモートワークが定着してくると、都心に住む人が減り、車需要が高まるという想定があります。単身赴任を解除するという動きも徐々に見られていますし、僕の知人も何人か地方へ移住したり計画をしたりしています。
高級車無料のサービス
今後の車の需要増を見越して、中古車販売大手「ガリバーグループ」が最長3泊4日まで0円という乗り放題サービスを期間限定で提供しています。高級車などは人気だそうです。
利用者は「無料のレンタカー」という捉え方をしているかもしれませんが、売り手としては「利用期間の長い試乗」です。
車の顧客化プロセスにおける重要なプロセスは「試乗」です。お店に見にくるだけではまだ様子見の状態ですが、気になった車に乗ってしまえば、その瞬間に買い手はその車を自分の物のように感じてしまうからです。
ひと通り試乗したあと、車を降りて歩いて帰る時、少し寂しい気持ちになったりすると思います。まるで自分の所有物を取り上げられてしまったかのように。
3日も乗り回していれば、その気持ちはもっと強くなります。
人は手に入るという未来よりも、取り上げられる未来を避けたいと感じます。
”テストで100点取ったら好きなおもちゃを買ってあげる”よりも、”テストで100点取れなかったらこのおもちゃは没収します”の方が効果的に作用します。
このサービスの利用者は、3日間乗車したことでまるで自分のものの様に感じている車を手放すことが苦痛に感じます。
なので、それを手に入れたいと思い、買うための正当な理由を探し始めます。都心から郊外へ引っ越し、固定費を下げたことで、車を買う自分を正当化する人は多いと思います。
このタイミングでこういうサービスを提供できる企業は強いなと感じます。
人は感情で買うと決めて、理屈でそれを正当化する
体験がマーケティングにおいて重要な役割を担う理由は、実際にそれを使うことによって得られる感情を感じられるからです。
人が商品を買うのは、得たい感情があるからです。その感情を想像で味わうのと、実際に味わうのでは感度が違います。吸引力のある掃除機と言われるよりも、実際にその吸引力を体感する方がリアルな驚きと喜びを感じます。
感情が動けば、手に入れるための理屈を探し出します。今使っている掃除機が壊れているとか、楽に掃除できることで他のことに時間を使えるとか、最近お金を使っていないとか、今月はいつもより頑張ったとか。
客観的に見れば正当性のない理由だったとしても、本人としては買うための理屈を探しているだけなので、理由はなんでも良いのです。
無料体験、無料レッスン、モニター利用など、商品を体験してもらう仕組みを取り入れるようにしてください。
感情が動けば、商品は買われます。