宇宙関連のベンチャー企業が集まるピッチイベントで離された話です。
確かにそうだなと思います。
ベンチャー企業は新しい事業に取り組む企業なので、今目の前にない新しい市場を創ることを目指している集団だからです。
でも多くの企業は、新しい市場の創造よりは既存市場のシェア獲得を目指しています。なぜなら、多くの企業が今日、今月、今年の収益を求めているからです。
収益を上げて社員に給料を払うために、今目の前に実体化しているビジネスチャンスに対して、リソースを投じていると言えます。
市場調査が必要な理由
そういった企業に関しては、市場調査はとても重要になります。なぜなら、既にある市場には顕在化した需要があるからです。
「こういうものが欲しい」「こういうことがしたい」と思っている人に対して、それを提供してあげれば商品を買ってもらえます。
出された設問への解答を用意すればいいので、どんな問題がそこにあるのかを知ることが第一歩になります。テストの設問を読むのと同じことです。
マーケティングの型「誰に・何を・どのように」はご存知だと思います。
これは「何を・誰に・どのように」でも「誰に・どのように・何を」でもなく、「誰に・何を・どのように」です。順番も重要で、まず「誰に」から始まります。
なぜなら、誰に対して買ってもらいたいのかを決められていなければ、どんな価値をどのように提供すればいいのかを決められないからです。
この「誰に」があいまいな状態だと、その後の「何を」「どのように」もあいまいなものになります。
あいまいなアプローチに対して自分ごと化される人はいません。その結果、マーケティングがうまくいかないという状況が生まれています。
市場調査を必要としない企業
イーロン・マスクなどは、解答するテストの設問自体を作り上げている状態です。なので、設問を誰かに聴きにいくようなことはしない、するな、と宇宙開発に取り組む起業家たちにメッセージしているのだと思います。
スペースXやアップルのような世界を変える事業を成し得たいと考えている企業にとっては、自分たちの見えている世界を実現するために、自分たちの言葉だけを信じて突き進むのが最良の道だと言えます。
でも100億、1000億の売上規模の企業を作りたい起業家に対しては、「市場を知れ!価値を高めろ!」というアドバイスをするんじゃないかなと、勝手に想像しています。