容疑者の心を動かし、数多くの自白を導いた元刑事が教える”「部下のウソ」を見抜く法”、という記事を読みました。
嘘を見抜くポイントの紹介と、その心理術を応用して部下の嘘を見ぬくためにやること、部下が上司を説得するためにやること、などが書かれています。
<嘘を見抜くポイント>
・人は嘘をつくという前提に立つ
・向き合った最初の様子に違和感を探す
・普段の相手を観察する
嘘をつくという前提に立ってなければ、そもそも見抜くということはできません。赤ちゃんは母親にかまってほしいために、生まれ落ちて間もなく嘘泣きを覚えます。自分の欲求を満たすために嘘をつくということが、理性も知識も無い状態から自然に行われています。
嘘をつく時、普段と違う行動のため、身体の随所に緊張が起こります。視線、皮膚の感じ、目の動きなど。唇が乾く、唇をなめる、顔が青白く耳はピンクになる。話す時も、両手で顔を覆う、机を指で叩く、手で顎や頬を触る。大事でない箇所でオーバーに手を動かしたりもします。普段と違ってぎこちないと感じる時はウソをついている可能性が高いそうです。
最初に話しかけた時の視線の向けられ方で、相手の心理状態を読み取ります。目をそらす、目がうつろ、血色が悪いのに眼の力が強いなど。
これらの違和感を感じるためには、普段の状態を知らないといけません。そのために必要とされるのが観察力です。長年培われた経験がものを言う力ではありますが、相手の生い立ちを知ることで、それは鮮明になるそうです。
たとえば、過保護に育てられた人は幼稚で孤独。厳しくしつけられた人は従属的になりがち。放任されて育つと警戒心が強く、劣等感をいだきやすい。確かにそんな感じがしますよね。
容疑者に対しては身辺調査などで生い立ちを知ることはできますが、自分の周りの人間に対しても、普段の会話の中で出身を聞いたり、幼少期の話を聞き出すのは容易いことです。
これはまさにマーケティングにおけるリサーチ活動
嘘という普段とは違う状況を見抜くためには、普段の状態を知ることが必要です。商品を売る時も、その人がどういう背景を持った人なのかを知ることが、メッセージを伝えるための有用な情報となります。
何故欲しいと感じているのか、今はその欲求を何で満たしているのか、今まではどうだったのか、その手の商品についてどういうことを信じているのか。
例えばダイエット商材を探している人は、それまでダイエットに取り組んでうまくいってないから、別の手段を探しているという人が大半です。
過去に試したことのあるものについては、「あれはあまり効果がなかった」と思っています。エステに通って、思い通りに痩せられなかった人は、「エステでは痩せられない」と思っています。たとえそのやり方が悪かっただけであっても。
そのため、他の方法としてダイエット食品やダイエットサプリなどに興味をもっている状態になります。なので、その人に向けて行うべき訴求をエステでダメだったという文脈を持って行うことで、より具体的に、より自分事として伝えることができます。結果、「私のための商品だ」と感じさせられる効果的なメッセージとなります。
自分にとっての最適解がこの商品だ、とターゲットに思ってもらうためには、その人のそこに至った経緯や、その人自身の趣向を知り、その人の文脈で会話をしていく必要があります。