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USPを正しく理解する

USPとはUnique Selling Propositionの略で、簡単に訳すと「独自のウリ」のことです。この独自のウリがあることで、他社と比較されることなく顧客に選んでもらえるようになります。

USPが無ければ競合商品と比較され、何らかの要因で選ばれない状況に陥ります。USPが無いと商品を選ぶ顧客としても明確な違いが分かりづらいため、単純に価格が安いからという理由で選びがちです。多くの場合は、何も選ばないという選択を取ります。

USPの誤り

USPばしばしば優位性として間違った扱い方をされています。他社より最も優れている点、のような捉え方です。でもそれでは、見込み客からは比較対象とされてしまいます。そして多くの場合、その優位性がどれだけ自分にとって価値のあることなのかは、見込み客にとって判断のつかないことだったりします。独自のウリなので、他社が持っていない要素でなければいけません。

USPの真価

USPがその力を発揮するのは、そのUSPによって得られる価値が、顧客の求めるベネフィットと合致している場合です。そして、それは他社が叶えられていない価値である必要があります。

見込み客に今解決できていない課題があり、それがあなたの商品のUSPによって解決できるのなら、見込み客はその商品を買うしかなくなります。なぜなら、独自のウリなので他社にはそれがないからです。

USPを設定できない原因に、独自性のある商品を開発することが難しいということが挙げられます。成熟した市場では、多くの似たような商品が存在します。機能的なベネフィットはすぐに模倣され、より改善されてしまいます。独自のウリだったものが優位性へと変わってしまうと言えます。

では、どうすればいいのか?

何をUSPとするのか

それは商品自体の機能的ベネフィットではなく、そこから得られる感情的なベネフィットや、その商品の購入体験であったり、企業そのものだったりにUSPをもたせることです。

僕が他のスマホではなくiPhoneを持っているのは、Appleがイケてると思っていたからです。元々Macユーザーだったのもありますが、Appleに対して「イケてる」という独自性を感じていたので、「イケていたい」という僕の欲求を満たすためには、iPhone以外の選択肢が無かったといえます。

最新の機種だと10万円以上しますが、別にそれに対してなんの躊躇いも感じていません。なぜなら、僕の「イケていたい」という欲求を満たすためにはそれが必要だからです。つまりはUSPが顧客の最も得たいベネフィットと直結していると、十分な利益を上げることができるということです。

ポイントは人の判断基準はそれぞれだということです。そして、それは一生変わらないものではないということです。

僕の「イケてる」の価値基準が変われば、Apple製品でなくても良くなると思います。なので成熟した市場でマーケターがやることは、見込み客の価値観を変えるための購入体験やコミュニケーションを創ることだと言えます。(もちろん商品が優れていることは大切!)