上司に提案を通す方法|社内マーケターが知っておくべき「信頼」と「客観性」

はじめに:なぜ社内で提案が通らないのか?

企業で働くマーケターの悩みのひとつに、上司がマーケティングを理解していないという問題があります。
一生懸命学んで分析し、対策を立てても「結局これまで通り」と却下されてしまうケースは少なくありません。

  • 「何か策はないのか?」とプレッシャーはかけてくるのに、必要なリソースは与えられない。

  • マーケティングを魔法の杖のように誤解している。

  • 単なる集客施策としか見ていない。

こうしたギャップに、多くのマーケターは理想と現実の間で葛藤しています。
では、どうすれば上司を説得し、社内で提案を通せるのか?


提案を通すための2つのポイント

① 信頼を築く

上司にとって重要なのは、提案そのものよりも「誰が言っているか」です。
「あなただから任せたい」「あなたなら実行できる」と思ってもらえるかどうかがカギになります。

実際の上司心理はこうです。

  • 表向き:「もっと積極的に提案してほしい」

  • 本音:「自分の考えを実現するための提案をしてほしい」

つまり、上司の考えや期待から外れた提案は受け入れられにくいのです。
マーケティング担当者として正論をぶつけても、相手に響かないのはこのためです。

👉 まずは上司自身をターゲットリサーチすること。

  • 何を求めているのか?

  • どんな価値観を持っているのか?
    を理解し、その期待を上回る成果を出すことで、信頼は積み上がります。
    そうすれば「理解はできないけど、あなたが言うなら任せよう」と提案が通りやすくなります。


② 客観性を示す

もうひとつのポイントは客観性=数字で語ることです。

  • 売上や利益の目標を数値化

  • 施策ごとのKPIを設定

  • 「いつまでに、どれだけやるか」を明示

数字は誰が見ても普遍的です。
「なぜやるのか」だけでなく「どれくらい、いつまでにやるのか」が明確でないと、提案は通りません。

さらに、ただ数字を並べるだけでなく、相手の立場に合わせた客観性も必要です。
上司にとって「正論」でも、自分の価値観と合わなければ「正しくない」と判断されることもあります。
だからこそ、事前に相手の基準を知り、それに沿った形で数字を示すことが重要です。


提案を通す実践ステップ

  1. 上司の価値観をリサーチする

  2. 小さな成果で信頼を積み上げる

  3. 数字でシナリオを描く(売上、KPI、期限を具体的に)

  4. 上司が望む方向性と接点を持たせる

  5. 提案資料はシンプルに、誰でも理解できる形で


まとめ

組織で提案を通すためには「信頼」と「客観性」が欠かせません。
これは上司だけでなく、クライアントや同僚への提案にも当てはまります。

  • 信頼=「あなたなら任せたい」

  • 客観性=「数字で納得できる」

この2つを満たせば、マーケティングの提案はより通りやすくなります。
あなたの次の提案に、この視点を取り入れてみてください。

(付録)提案が通るチェックリスト

次に提案をするとき、このチェックリストを確認してみてください。

上司(相手)の価値観をリサーチしたか?
→ 何を重視しているか、どんな成果を望んでいるかを把握できているか。

小さな成果で信頼を積み上げたか?
→ 事前に「任せられる人」という印象を与えられているか。

数字で裏付けできているか?
→ 売上・利益・KPIなど、誰が見ても明確な数値を提示しているか。

期限と量を明示したか?
→ 「いつまでに、どれくらい」を具体的に示しているか。

相手の立場から見た客観性を考慮したか?
→ 一般論として正しくても、上司にとって納得できる説明になっているか。

提案資料はシンプルか?
→ 複雑な言葉を避け、誰が読んでもわかる形に整理できているか。


📌 このチェックリストを確認すれば、提案が通る確率はグッと高まります。
「信頼」と「客観性」を両輪に、次の提案を仕掛けてみてください。

平岡 大輔

株式会社テマヒマ 代表取締役/マーケティング歴20年/事業成長に悩む企業のweb集客ROI改善を支援/売れるLP改善を得意とし、大手から中小企業まで100本以上のLPを改善/著書『売れるランディングページ改善の法則(技術評論社)』

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