伝わる商品

とんかつチェーンの「かつや」をご存じでしょうか?
駅前などで見かける揚げ物の飲食店です。
そのかつやがイケてるコンセプトの商品を開発しました。
それが『大人様ランチ』です。
「大人のためのお子様ランチ」として提供されています。
内容は、エビフライ・チキンカツ・ウインナー・オムカレー・キャベツの千切り・大量のタルタルソースです。

魅力的な内容ではありますが、「大人のためのお子様ランチ」というコンセプトが素敵です。

私たちはその昔、お子様ランチにワクワクしていました。
好きなおかずだけが寄せ集められ、デザートやおもちゃもついていることが大きな理由ですが、子供しか注文のできない特別感や、お子様ランチでしか体験できない非日常な旗の存在も大きかったと思います。
そのお子様ランチが大人のためのお子様ランチとして提供されていれば、興味を持たないはずはありません。
おそらくターゲットとしてる中高年男性の多くは、お子様ランチにワクワクしていた人たちだと思います。
もしこの『大人様ランチ』が『スペシャルランチ』というネーミングで、「ボリューム満点のランチ』というコンセプトであれば、そこまで興味を引くことはありません。とても一般的だからです。
商品のことをわかりやすく伝えるという点においては、悪くないコンセプトですが、人に伝えやすい、伝わるという点においては不十分です。
「大人のためのお子様ランチ」というコンセプトを作り、『大人様ランチ』というネーミングにしたことで、ボリューム満点スペシャルランチがより人に伝わるコンセプトの商品になりました。
商品名を変えることができなくても、その商品が「要はなんなのか?」を後付けすることはできます。
人に伝えやすく、伝わるコンセプトを考えてみてください。
ー マーケティングは一日にして成らず ー

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