D2Cとは?年商10億円を超えるための3つの戦略

D2Cという言葉も一般的になってきましたね。

この記事では、D2Cビジネスを理解するために知っておいていただきたいことと、D2Cビジネスを成長させるために必要な3つの戦略についてご紹介します!

D2Cビジネスとは

D2Cとは「Direct to Consumer」の略でメーカーが顧客に直接販売するビジネスモデルのことです。

BtoBとかBtoCとかCtoCとは別物なので混同しないようにしてください。

一般的なメーカーは卸業者を通じて小売店へ商品を販売し、その商品を小売店が消費者へ販売します。つまり、メーカーが顧客と直接取引はしないビジネスモデルになります。

ですがD2Cは直接顧客に販売します。メーカーは顧客を直接集客し、顧客はメーカーと直接取引をすることになります。昔からある業態としては、通信販売がそれに当たります。

D2Cビジネスはメーカーが販売も担うことで間接コストを抑えられるので、高い利益を得られるビジネスモデルです。利益を集客コストに充てられるので、より多くの顧客を集められるという好循環を生み出すことができます。

ですが、製品を作るだけではなく、販売や顧客管理なども含めた全ての顧客接点を担わなければならないので、企業にとって事業運営上の負担が大きくなるビジネスモデルだとも言えます。

インターネットの普及によって企業と生活者とが直接繋がれるインフラが誰でも利用できるようになりました。

それによって企業が直接販売する流れは加速し、webを介した集客によって事業拡大をしていこうとする企業が増えてきています。

この記事では物販における領域に特化した内容にしているので、具体的な部分であなたのビジネスとは異なる情報が含まれているかもしれませんが、適宜ご自身のビジネスで読み替えていただければ幸いです。

D2Cのビジネスモデル

D2Cビジネスの特徴

最も大きな特徴は、メーカーが顧客に直接セールスをしたり、情報収集をしたりできるところにあります。

商品を小売店に販売してもらうビジネスモデルでは、誰がいつ買ったのかをメーカーが把握できないので、たまたま買ってもらえたのか、長く買い続けてもらえているのかがわかりません。

ですが、直接販売モデルでは、販売した商品を届けるために顧客の個人情報を入手しているので、直接顧客に商品の案内をすることができます。

顧客の個人情報やIDを把握できているので、DMやメールやLINEなど広告費に比べて安価な集客方法によって、販売機会を作ることができます。コストをかけずに商品を買ってもらえることができるので費用対効果が高まり、利益を得やすいビジネスモデルを作れるのがD2Cビジネスの大きな特徴です。

D2Cビジネスでは通常のビジネスモデルと違って、どんなプロフィールの人がどの商品をいつどれだけ買ってくれたのかを知ることができます。

直接連絡を取ることもできるので、アンケート調査や取材など有益な情報を集めることもできます。それにより、商品や顧客対応の改善のヒントを手に入れることができ、事業をより良い方向へと導いていくことができるのも特徴です。

D2Cビジネスの特徴

D2Cビジネスが注目を集めている理由

間接コストを削減することでの収益性の高さ、直接顧客にアプローチすることができる集客効率の良さに加えて、サブスクリプション型の販売モデルに注目が集まっています。

化粧品や健康食品などは基本的には長く継続利用をしてもらうものです。多くの商品が1ヶ月分の容量で作られるので、毎月購入してもらう機会を作れます。

そのため、1人の顧客が年間でどれくらいの売上をもたらしてくれるのかの予測を立てることができ、積極的な事業投資ができるという点に経営者や投資家が注目しています。

また、商品開発、物流、コールセンター、システム、広告による集客など、D2Cビジネスに必要な機能を全てアウトソーシングできるので、すぐに事業立ち上げをすることができるということもメリットになっています。

D2Cビジネスを支える販売モデル

化粧品や健康食品においては、定期販売モデルが一般化しています。

毎月自動的にお届けされる商品なら通常価格よりも安く買うことができるという売り方です。

最近では減りましたが、元々は複数回の購入を約束する代わりに通常購入よりも安く変えるという売り方でした。

例えば、3回の継続をお約束してもらう変わりに安く買えるようにしている場合、顧客としては3ヶ月分くらいは使うつもりだから1回あたりが安く変えるなら定期購入の方がお得だと考えて、定期販売商品を買います。

メーカーとしては3ヶ月分の売上が初回注文時に確定するので、集客コストの投資回収を早めることができるメリットがあります。

D2Cビジネスを支える販売モデルの具体例

単価3,000円の商品があり、3回継続を条件で500円offになる定期販売商品があります。

顧客獲得にかけて良い集客コストが1,500円だとします。3回購入のお約束があれば、3回分の集客コストを初回注文時に使うことができ、割引分を差し引いても倍の3,000円の集客コストをかけることができます。

D2C2Cビジネスを支える販売モデル

1ヶ月分の商品を売る場合の2倍の集客コストを使えるため、よりたくさんの集客ができるようになり、顧客基盤を作るための好循環を生み出すことができます。

ただ最近は●回購入というやり方も消費者への負担が大きいことや、悪質なメーカーが購入回数の約束があることを示さずに販売してクレームに繋がっている状況などもあり、売り方としては下火になってきています。この回数縛りのある売り方への規制も厳しくなってきています。

自動的に届くことで長く続けてもらいやすくなるというメリットはあるので、今ではいつでも解約OKという条件で、定期販売をしているメーカーが今では主流となってきています。

D2Cビジネスの構成要素

D2Cビジネスにはこれらの要素が必要です。必要最低限の要素だとお考えください。

D2Cビジネスに必要な機能

まずは商品が無ければ顧客を増やせませんよね。そして商品を売るために広告しなければ集客はできません。

そして、注文を受け付ける申込フォームなど集客のためのシステム。注文を取り込み顧客情報を保存するデータベースとなる基幹システム。商品の保管や梱包、発送作業や在庫管理を担う物流。顧客からの問合せへの対応や継続利用を促すためのアドバイスなどを行うコールセンター。これらが基本的なD2Cビジネスのインフラとなります。

そしてこの中でもD2Cビジネスの成否を分けると言っても過言ではないのが、商品と広告です。

なぜならD2Cビジネスでは、長く買い続けてもらえる効果のある商品が無ければ、顧客の継続利用に繋がらないからです。顧客の満足を得られなければすぐに解約されます。なので、効果実感できたり長く使い続ける理由を提供できる商品でなければいけません。

次に、D2Cビジネスは広告によって集客をします。小売店で販売しているわけではないので、自分たちで広告を利用して集客しなければ顧客を増やせないからです。

もちろん物流やコールセンターが無ければできない業務はたくさんありますが、初期段階では全て自社にて対応できる業務ですし、業務内容自体に大きな差があるわけではないので、ビジネス自体を左右するほど重要かと言われれば優先順位は下がると考えています。(重要ではないと言っているわけではありませんよ!)

D2Cビジネスのビジネスモデル

D2Cビジネスで収益を上げていく時にまず考えなければいけないのがこの「売上構成比」についてです。

D2Cビジネスの売上構成比の考え方

もしこれからD2Cビジネスに参入しようと考えられているなら、売上の構成比についての考え方を抜本的に見直してください。

通常のビジネスでは、売上に対して広告費が占める割合は比較的小さなものになっているはずです。通常のメーカーなら10%以下、5%以下というところが多いのではないでしょうか。

ですが、D2Cビジネスでは売上に対して3割〜5割が広告費となります。

逆にそれくらい広告費を使えるモデルにしていないと、十分な集客ができないということになります。

D2Cの売上構成モデル

これくらいのモデルにできていれば、しっかりと事業成長をさせられます。(もちろん採算を合わせられて顧客獲得できている場合に限ります!)

主な集客コストである広告費にどれだけ配分できるかが、D2Cビジネスを成長させられるかどうかの鍵となります。

そのために商品原価や販管費はできるだけ少なくなるように設計しなければいけません。

D2Cビジネスの投資回収モデル

D2Cビジネスで事業計画を作るときに重要になる数字が「LTV」と「CPO」です。

LTVとは?

LTVとはLife Time Valueの略で、顧客生涯価値の意味です。顧客がどれくらいの売上をもたらしてくれるかを表した数値です。

事業年度に合わせたり、中期計画の期間に合わせたりしますが、一般的には1年間における1人あたりの総売上で示します。

優れた投資回収モデルでは半年や10ヶ月など1年以内での投資回収ができています。

資本力のある大企業だと投資回収期間を2年以上で置いていたりもします。短期での採算を考えずに事業投資ができるので、初動から大規模なプロモーションができて、大量の顧客を集めることができるのは大手ならではの強みです。

LTVが大きければ大きいほど企業の収益は大きくなります。1人の顧客が使ってくれるお金の額が増えるということだからです。

100人の顧客がいて、1人1万円使ってくれている場合と、1人10万円使ってくれている場合とで比較すれば売上は100万円と1000万円になるので一目瞭然ですよね。

しかも、顧客の獲得にかかった集客コストは初回注文時にしかかかっていないので、2回目以降の注文に関しては集客コストがほぼゼロになります。

なので、LTVが高まれば高まるほど企業の利益が大きくなり、高収益モデルが作れるということです。

LTVを高めるためには何をすればいいのか?

LTVを高めるには、購入単価を上げるか購入頻度を増やす必要があります。

1万円の商品を5回買ってもらっているなら(LTV5万円)、2万円を5回にできないか(LTV10万円)、1万円を10回にできないか(LTV10万円)を考えるということですね。

商品自体の価格を高くすると買うのを止める人が出てくるので、それは愚策です。なので、多くのD2C企業は別の商品を追加販売する「クロスセル」を行います。

すでに買ってもらっている商品と一緒に使うことでより効果的になったり、顧客の抱えている悩みの解決になる別の商品などを売ることで、1回注文あたりの売上を大きくしています。洗顔を買ってくれた人に、スキンケアのための化粧水や美容液を販売するイメージです。

また、継続利用を促すために、長く使ってもらうほどお得になる価格設定にしていたり、定期的にプレゼントを贈るなどして、購入頻度を増やすアプローチをとっています。

LTV説明クロスセル

CPOとは?

CPOとはCost Per Orderの略で、1注文あたりの獲得単価の意味です。1人の顧客を獲得するためにかかった集客コストだと言えます。

例えば、100万円使って100人の顧客を集めることができればCPOは1万円ということになります。

CPOが低くできれば、その分利益が増えることになります。広告費で使う予定のお金が使わずに残った場合、それは純粋な利益として計上されるからです。

CPOと似た用語でCPAというものがあります。CPAはCost Per Acquisitionの略で、これも獲得単価の意味です。CPOと同じ獲得単価を表しているのでよく間違われるのですが、厳密には意味が違います。

CPAは注文以外の獲得も含まれます。例えば、トライアル商品、無料体験、資料請求、問合せなど、実際の商品購入の手前にある購買行動や申し込みなどのアクションの獲得に対しても使われます。

もしトライアル商品などの購入手前の申込商品が無ければ、CPAもCPOも注文になるのでどちらを使っても構いません。

ですが、お試し利用できる商品があり、その後に本当に買ってもらいたい商品が用意されているような売り方の場合は、獲得単価の意味としてCPAとCPOを分けて把握しておく方が、正しく現状把握と課題設定ができるので良いです。

CPAとCPO

D2Cビジネスの投資回収モデル事例

全てのビジネスが投資回収で成り立っていますが、継続課金モデルをベースとしたD2Cビジネスでは、より投資回収を意識した事業計画が必要になります。

簡易的なシミュレーションを見ながらイメージをより具体的にしていただければと思います。

以下のような前提条件がある場合の投資回収モデルの考え方についてお話します。

通常の投資回収モデル

商品価格:5,000円

限界CPO:2,500円(広告費比率50%で計算)

普通に販売するとすると、1つの注文を得るために使えるお金、CPOは2,500円となります。

2,500円でできる集客施策は限られます。自分でチラシを印刷して撒くとかそういうレベルのことしかできません。

なので、広告費を捻出するために、大量の想定販売個数を見越した計画を立てることになります。

1,000個販売する見込みで250万円かけて広告を出すような形です。(1つ売るために使える広告費2,500円×1,000個)

ただ、250万円で5,000円の商品が1,000個売れる広告はそうそうありません。

もし、250万円かけて売れたのが100個だった場合、売上は50万円となり200万円の大赤字となります。

通常の販売モデル

そうなると、広告費に予算を避けず、自分でできるお金のかからない集客方法としてSNSの活用をしたりしなければいけなくなります。無名の商品を有名にするだけのSNS運用にかかる労力と時間を考えれば

労力だけかかって実りの少ない状況に陥ってしまいます。

最も大事な事業の成長スピードが遅くなり、個人経営のスモールビジネスを脱することはできなくなります。

D2Cビジネスの投資回収モデル

D2Cビジネスの場合は考え方が変わります。先ほど紹介した通常の販売モデルの場合は、1注文ごとに広告費がかかる考え方でした。

ですが、D2Cビジネスの販売モデルの場合は、CPOを1つの注文ではなく、1人の個客の獲得にかかる広告費として考えます。

商品価格:5,000円

限界CPO:2,500円(広告費比率50%で計算)

平均購入回数:6回

この時、2回目以降の購入に対して広告をする必要はありません。継続的に購入をしてくれるモデルがあるからです。

平均的に6回購入してくれるのであれば、2回目〜6回目の5回分には広告費がかからない状態です。

なので、2回目〜6回目で見込んでいた広告費を初回購入時の広告費として使うことができます。

商品価格:5,000円

限界CPO:15,000円(1個販売する時の限界CPO×6個分)

平均購入回数:6回

1獲得あたり2,500円しかかけられなかった時と、15,000円かけられる時ではできることに大きな差が生まれます。

1,000個の販売を見込んでプロモーションをするとき、平均6回購入してくれる商品なので、新規で集めなければいけない顧客は167人でよくなります。(1,000個÷6回)

この時かかるコストは通常の販売モデルで計算した250万円とほぼ同額です。

つま利、同じ集客コストでも集客可能性が高まり、集客する数が少なくても事業を成長させられます。

これがD2Cビジネスの投資回収モデルの優れた点です。

D2Cの販売モデル

D2Cビジネスで成功するために必要な3つの戦略

D2Cビジネスを成功させる上で大きく3つの重要な戦略があります。

それが「商品戦略」と「集客戦略」と「組織戦略」です。

これを間違えると、何をやっても利益が生みにくいモデルの事業になってしまいます。

集客がうまくできていなければ、どれだけ良い商品も届けられません。

集客がうまくいっても、商品が悪ければ継続してくれません。

良い商品をたくさんの顧客に届けるための集客を実現するチームがいなければ、全て絵に描いた餅になってしまいます。

D2Cビジネスを成長させる商品戦略

D2Cビジネスで商品開発をする時に意識しないといけないのは、効果はもちろんのこと「原価率」と「売りとなる特徴」です。

D2Cの商品戦略

原価率を意識しなければいけない理由は、前述したD2Cビジネスにおける売上構成比の重要性があるからです。

売りとなる特徴を意識しなければいけない理由は、広告で集客する際に他との違いを訴求できなければ、顧客に買ってもらうことが難しいからです。

特にオンラインで販売する場合、あなたの商品はすぐに比較対象となります。特徴のない商品は安くなければ買ってもらえません。

安い商品で収益をあげるのは資本力のある大企業にしかできない売り方なので、これからD2Cビジネスを始める企業やこれから成長していきたいと思っているD2C企業がやってはいけない売り方です。

原価率を意識した商品開発の考え方

D2Cビジネスを始めた企業がやってしまう失敗は、作りたいものを作ろうとしてあれもこれも追加して原価が高くなってしまうことです。

自分がイチから作る商品なので、成分にこだわり、容器にこだわり、パッケージにこだわりたい気持ちもわかります。

でも原価が高くなると、原価率15%以下に抑えるために売値を高くしなければいけなくなったり、広告費にお金を回せなくなったりしてしまいます。そうなると誰も買えない自分のためだけの商品が出来上がります。これでは悲惨です。。

なので、相場に合わせた想定の売値から逆算した原価で、作れる商品を作ることが大切です。(以下モデル例※再掲)

D2Cの売上構成モデル

商品は、中身とパッケージから成り立っています。化粧品の場合だと中身と容器と外箱ですし、サプリメントの場合だと中身と袋のような感じです。

化粧品などの場合は中身をどうするかと同じくらい、容器をどうするかが重要になります。

なぜなら化粧品の容器選びを間違えると原価が上がってしまったり、安定供給できる容器を選んでいないと生産が追いつかず販売機会を逃すなどのデメリットがあるからです。

製品へのこだわりが強くオリジナルの容器やパッケージを作ろうとしてしまうと、費用や時間がかかりすぎてしまい、事業運営上のデメリットが大きくなります。なので、最初は基本的にはありものの容器やパッケージを使用するのがおすすめです。

また、大きさと重さも重要です。なぜなら配送コストが変わってくるからです。配送コストはサイズや重量によって決まります。商品を売る度にかかるコストで、運賃の値上げなども度々あり、利益を圧迫する要因になるからです。

例えば、50円違うだけで10万個売った場合、500万円の差になります。これが丸々利益になると考えたら大きな話ですよね。

なので必要最低限の形状、極力安い配送費になる大きさを意識して、容器やパッケージを検討する必要があります。

商品で大事なのはその中身です。効果があることが大前提なので、想定の原価の範囲内で使える最大限の良い中身を作るようにしてください。

コスメD2C原価構成

売りとなる特徴を意識した商品開発の考え方

直接顧客に売るとき広告を活用します。広告の扱い方の良し悪しで売れるかどうかが決まります。

そのため、広告の訴求に使える「売りとなる特徴」が必要になります。「売りとなる特徴」が無ければ、誰の注目も関心も集められず、買ってもらうことはできないからです。

「売りとなる特徴」とはこういうものです。

  • 独自の効果
  • 独自の機能
  • 独自の成分
  • 独自の製法
  • 独自の証拠
  • 独自の評価

他の似たような商品との違いが無ければ、顧客はより安い似たような商品を買います。

なので、他の類似商品とは違う商品である必要があります。「独自の売り」が顧客が商品を選ぶ上で大事なポイントになっていれば、類似商品よりも高くても買ってもらえます。

これからD2Cビジネスを始める、これから成長させるという段階の企業においては、類似商品よりも価格が高くても買ってもらえる「独自の売り」を作れていなければ、その時点で事業は失敗していると言えます。

D2Cビジネスを成長させる集客戦略

D2Cビジネスを成長させるためには、「集客の3STEP」「見込み客を顧客化する3つの要素」「適切なKPI」が必須となります。

集客の3STEP

D2Cビジネスは直接顧客に販売します。そのため、集客も直接行うことになります。

商品を作って卸せばあとは小売店が売ってくれる通常のビジネスモデルとは異なります。

BtoBのビジネスをしている場合、営業担当が顧客へ商品を売りますが、オンライン主体で展開するD2Cビジネスにおいては、集客の3STEPがその営業担当の役割を担います。

D2Cビジネスの集客は「広告」「ランディングページ」「フォーム」の3つで構成されます。

このどれか1つが欠けても成立しません。それぞれが重要な役割を担います。

広告は、見込み客の興味を引きつけ、売り場となるランディングページへと誘導する役割を担います。

ランディングページは、見込み客の買いたい気持ちを作り、購入のための行動をとってもらう役割を担います。

フォームは、買おうと思った見込み客をスムーズに購入完了へと導き、注文情報を取得する役割を担います。

この3つがバランスよく機能しているときに、商品は売れていきます。

集客の3STEP

見込み客を顧客化する3つのトリガー

見込み客は、売られている商品に納得し、支払うコストより得られる価値が高いと感じれば購入します。

先ほどの集客3つのSTEPは、見込み客が顧客化するためにたどる接点を表したものです。

購入までの道があったとしても、その道を進むかどうかは顧客次第です。

なのでD2Cビジネスに取り組む私たちは、その道を進んでもらうように働きかける必要があります。

 

そのために、見込み客を顧客化する3つのトリガーを用意します。

トリガーとは物事を起こすきっかけのことです。見込み客が反応し、集客の3STEPを進むきっかけを表します。

見込み客は「クリエイティブ」「コンテンツ」「オファー」の3つのトリガーによって顧客化されます。

クリエイティブとは、広告表現を表します。見込み客の注意を引くためのメッセージやイメージです。

コンテンツとは、興味づけされた見込み客に商品を買う理由を納得してもらうための情報です。

オファーとは、商品の価値を理解した見込み客が買うかどうかを決める取引の条件です。

広告クリエイティブで興味をひき、ランディングページのコンテンツで納得を引き出し、オファーによって購入を決断してもらう。

この3つのトリガーによって、広告→ランディングページ→フォームの集客の3STEPを進んでもらい、見込み客を顧客化していきます。

集客の3つのトリガー

安定的に成長させるための適切なKPI

KPIとは目標を達成するために満たさなければいけない鍵となる数字のことです。

収益を最大化するためには、顧客の最大化が必要です。

顧客の最大化のためには、広告の拡大が必要です。

広告の拡大のためには、CPOの最大化が必要です。

CPOの最大化のためには、LTVの最大化が必要です。

LTVの最大化のためには、購入単価の最大化&継続回数の最大化が必要です。

これらがD2Cビジネスの事業モデルを構成する要素です。

そしてこの中で最も意識すべきポイントは、「CPOの最大化」です。

D2Cビジネスの事業モデル

顧客獲得にかけて良い費用が多いということは、それだけ多くの広告を出せるということであり、多くの見込み客へアプローチできるということです。

もし集客コストが少なく出せる広告も少なければ、顧客は集められず事業は大きくなりません。

なので、どれだけCPOを高く設定できるかが、D2Cビジネスにおいて重要になります。

そして、そのCPOの上限値のことを「限界CPO」といいます。

限界CPOとは、これ以上獲得コストが高くなると利益を圧迫してしまうという獲得単価の水準のことです。

なので、この限界CPOに合わせるためのプロモーションを設計し、運用していくのが実行段階でやるべき重要なアクションとなります。

限界CPOよりも低い水準で獲得できている場合は、安く顧客獲得できているので一見良さそうですがそうではありません。

実際にはもっと集客コストをかければより多くの顧客を増やせていたということなので、集客機会を逃しているという捉え方ができます。

利益が残せていればいいんじゃないの?と感じるかもしれませんが、事業を大きくするためには顧客が必要です。なので、事業採算が合う水準を維持しながら顧客の最大化を図れていることが大切になります。

限界CPOの計算式

限界CPO=(目標売上ー固定費ー広告費以外の変動費×想定販売個数)÷目標の新規顧客数

※考え方をお伝えしやすくするために、扱う項目はシンプルなものにしています

 

D2Cビジネスを成長させる組織戦略

私自身、年商10億規模のD2Cビジネスを運営していますが、メインで携わっているのは5人です。

正直1人で運営することも可能ですが、それではスピードが遅くなります。

30年後ではなく数年の内に、10億円以上の規模の企業へと成長させていこうとしているあなたにとって重要なのはスピードです。

そのために必要になるのが、「高速PDCAを回すミニマムチーム編成」「D2Cインフラのアウトソーシング活用」「リピート通販特化型カートシステム導入」です。

D2Cビジネスで高速PDCAを回すミニマムチーム編成

D2Cビジネスを成長させるために必要なミニマムチームは、「ディレクター」「広告運用者」「デザイナー」の3役で構成されます。

ディレクターの役割は、計画の立案と実行の指揮です。目標達成のために何をすべきで何をしないべきかを判断していくことが役割です。

広告運用者の役割は、ランディングページへと興味づけされた見込み客を連れてくることです。広告の運用または広告運用パートナーのディレクションを行い、目標達成のために広告運用として何をすべきで何をしないべきかを判断して実行していくことが役割です。

デザイナーの役割は、広告クリエイティブで見込み客の興味づけを行い、興味づけされた見込み客の納得をランディングページで引き出し、購入へと進めることです。より多くの反応を得るための表現を開発し、実験を繰り返して磨き上げていくことが役割です。

D2Cミニマムチーム

D2Cビジネスは商品ができてしまえば、あとはどれだけ集客力を高めていけるかになります。

そのため、集客の要となる広告運用と制作を担うメンバーは固定化させる必要があります。

立ち上げ直後は1人だったとしても、規模を拡大させていく段階で「広告運用者」「デザイナー」はチームに招き入れるようにしてください。

D2Cインフラのアウトソーシング活用

D2Cビジネスを運営する上で必要になる「物流」や「コールセンター」や「システム」などは、全てアウトソーシングします。

D2C2Cインフラのアウトソーシング活用

個人ビジネスとして立ち上げて、全て自分で対応している人もいますが、商品ができたあと重要なのは集客です。

集客以外の業務に時間を割いていると、いつまで経っても事業が伸ばせず、やってもやっても儲からないビジネスになってしまいます。

なので、早い段階でこれらの役割は全てアウトソーシングします。

立ち上げや成長段階では、これらの業務は外注した方がコストパフォーマンスが高くなります。

D2Cビジネスの支援に慣れたパートナー企業も増えているので、実績のあるパートナー企業へ外注することによって、彼らの知見を借りることができ、早い段階でレベルの高い業務進行ができるようになるメリットがあります。

リピート通販特化型カートシステムの導入

ECを始める時、必ず必要になるのがカートシステムです。カートシステムとは商品をweb上で購入できるようにするためのシステムです。

基本的にはECで必要な機能が実装されているので、導入すればすぐにD2Cビジネスを始めることができます。

具体的な機能としては、フォーム入力による受注・決済などの注文機能、顧客データ・商品データ・受注データなどの管理機能、売上・顧客などの分析機能、顧客へのメール送信などのプロモーション機能などがあります。

注意点としては、リピート通販に特化したカートシステムを選ぶということです。

リピート通販特化型カートシステム

よくあるカートシステムでは、継続課金をする仕組みがなかったり、顧客データを注文単位で管理していたりするため、D2Cビジネスにおいて不利な状況になるためです。

必ずリピート通販に特化したカートシステムを導入するようにしてください。

リピート通販に特化したカートシステムを導入するメリットとしては、継続課金の仕組みがあったり、購入回数に応じて単価を変更できたり、LTVの集計ができたり、広告を管理する機能があったり、ランディングページにフォームを設置する機能や確認画面・購入完了画面での追加販売機能があったりします。

これらの機能が充実していることで、重要なデータを楽に把握できたり、より集客力を高めることができます。

 

D2Cビジネスで年商10億円を超えるための3つの戦略まとめ

D2Cビジネスの成長の鍵を握るのは「商品戦略」「集客戦略」「組織戦略」の3つです。

継続利用を前提に事業計画を作るので、継続してくれる商品であることが大前提です。

そして、先払いの購入体験であることと、すぐに他の商品と比較される市場環境があるということから、購入前に期待値を高められる独自の売りを持った商品であることも重要です。

自分たちで商品を販売しなければいけないので、そのために集客のモデル作りも必要になります。

3つのSTEPと3つのトリガーを用意して見込み客を顧客化し、適切なKPIを設定することで集客の好循環を作ることができれば、顧客を雪だるま式に増やしていくことができます。

そしてそれを実現するためのミニマムチームを作ることで、スピード感を持って目標達成に向けて事業を成長させていくことができます。

D2Cビジネスは顧客に直接販売して、直接フィードバックを得られることが特徴です。

顧客がなぜ買ったのか、なぜ買わなくなったのか、それらの情報を元に製品やプロモーションなどを改善し続けられるのが、他のビジネスモデルとの違いです。

この特徴を生かした事業運営をしていくことで、D2Cビジネスで10億円を超えていくことができます。

いきなり全てうまくいくわけではありません。失敗するのが当たり前だと思って、どんどんチャレンジしていってください!

動画でも解説していますので是非こちらもご参考ください⬇︎

 

より深く学びたい方は【コスメD2Cビジネス構築講座】へご参加ください➡︎

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