ベネフィットとは?|顧客が本当に買っているものがわかれば商品は売れる

  1. 知識

ベネフィットという言葉もよくマーケティングの現場では使われます。日本語の意味は「利便性」です。わかりやすい言葉にすると「メリット」ということです。「プラスの結果」のことだと覚えておいていただけるとわかりやすいと思います。

「ドリルを売るな穴を売れ」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、顧客は課題を解決する手段として商品を買います。課題が解決された状態、つまり「プラスの結果」を手に入れるために、商品を買っています。

あなたの商品を使うことで求めているプラスの結果を手に入れることができなければ、あなたの商品を買うことはありません。

つまり、顧客はベネフィットにお金を払っていると言えます。

2つのベネフィット

ベネフィットには2つの種類があります。「機能的ベネフィット」と「感情的ベネフィット」です。どちらも同時にうまれるプラスの結果ですが、それぞれを分けて理解することで、顧客に対してより伝わりやすいコミュニケーションにできます。

機能的ベネフィットとは

商品の仕様や機能などの特徴によって手に入るプラスの結果のことです。電卓であれば簡単に複雑な計算結果が手に入る、目覚まし時計であれば決めた時間に音を鳴らして知らせてくれる、掃除機ならゴミを吸い取ってくれる、ロボット掃除機なら勝手に自動でゴミを吸い取ってくれるなど。

ベネフィットが伝わらなければ、見込み客はあなたの商品を買おうとは思いません。なぜなら顧客は自分の課題を解決するために商品を買うからです。「これがあれば、いいことがある!」と思わなければ、お金を払う対象ではありません。

でも、多くの企業がベネフィットをきちんと伝えられていません。自分たちの商品の特徴ばかりを伝えています。「●種類の効果」「新機能搭載」「こんなに頑丈!」など。それがあるからどんなプラスの結果が手に入るのかを伝えなければ、見込み客は欲しいとは感じません。

伝えられた特徴からどんなベネフィットがあるのかを見込み客は想像しません。直接的に「こうなれる」「こんなに便利」ということを伝えられなければ、それを想像できません。さらには、それを言葉で伝えるだけでは不十分です。頭の中で思い描きやすい像として表現することで、より伝わりやすいコミュニケーションにできます。

感情的ベネフィットとは

機能的ベネフィットによってプラスの結果を手に入れた時に感じる「ポジティブな感情」のことです。人は未解決の問題や未達成の目標をなんとかしたいと感じます。そのための方法として、今の自分には足りていないプラスの結果を求めます。そして、何故それらの課題を解決したいと思うかというと、課題が解決された時に満たされる感情があるからです。

電卓を利用するのは、暗算したり紙に書いたりして計算する時に感じる面倒な気分から逃れたいからです。時間を短縮できることで、他のことができる喜びかもしれません。

目覚まし時計を利用するのは、決めた時間に起きてやりたいことややるべきことに予定通り取り組める喜びを感じたいからです。予定通りできなかった時の残念な気持ちを感じたくないからです。もしかしたら寝坊することで誰かに迷惑をかけることになり、相手からの信用を失うことになるかもしれません。その時の申し訳ない気持ちになりたくない、怒られたりしたくないという感情から逃れたいと思っているかもしれません。

人は感情をきっかけに行動をとります。なので、なんらかの行動を取る時、逃れたい感情や満たしたい感情が必ずあります。つまり、感情的ベネフィットを手に入れるために機能的ベネフィットを手に入れていると言えます。

なので、見込み客の感情的ベネフィットがなんなのかを明らかにすることで、見込み客の興味を引き、関心を寄せ、理解を促し、購入へと導くことができます。

良い商品なのに売れない理由

見込み客はベネフィットを手に入れるために商品を買います。そのベネフィットに価値を感じるから、今すぐにお金を出してでも手に入れるべき商品だと思います。

なので、提供できるベネフィットに対して、他の商品より高い価値を感じてもらうことができれば、選んでもらえる商品になります。でも、良い商品なのに売れない商品ってたくさんありますよね?

それは、その商品を手に入れるためのコストが、見込み客の期待する価値よりも大きい状況だからです。(期待値<コスト)

選ばれる商品にするためには、顧客が感じる価値よりも顧客が感じるコストを小さくする必要があります。まず、顧客が感じる価値(顧客価値)と顧客が感じるコスト(顧客コスト)についてお話します。

顧客価値について

顧客は商品の価値を、製品の品質(特徴)・サービス・価格などで判断しています。人によってはデザインや誰が使っているかなども価値の判断基準になったりしますが、それらも製品の特徴として捉えてもらえればと思います。

製品が持っている特徴が自分の課題を解決してくれるのに十分かどうか、提供されているサービスによって課題がより効果的・効率的に解決できるのかどうか、それが手頃な価格で提供されているのかどうか、見た目が自分の好みかなどの要素を元に、商品自体の価値を判断しています。

これらの価値の合計が、見込み客が商品に感じる「期待した顧客価値(期待値)」と言えます。

顧客コストについて

顧客が商品を手に入れる時、いろんなコストが発生しています。商品を購入する代金。買うためにかかる時間や手間。買うことへの不安を感じる心理的なコストなど。商品に期待する価値より、それを手に入れるためにかかるコストが多くなると感じれば、買わないことを選びます。なので、できるだけ顧客コストを小さくすることが、商品が売れる状態を作るためには必要になります。

良い商品でも価格が高すぎれば、買いづらい商品になります。良い商品でも山奥でしか売っていない商品だと、買いづらい商品になります。良い商品だと思っても知らない企業が販売していると、買うのが不安になり買いづらい商品になります。

これらのコストの合計が、その商品を買うハードルの高さになります。

顧客の感じる価値を高める方法

顧客は期待する価値から購入のハードルを差し引いた分を、商品の価値だと考えます。(顧客価値ー顧客コスト=商品の価値)

なので、選ばれる商品にするためには、「顧客価値>顧客コスト」にする必要があります。つまり、顧客価値を高めるのか、顧客コストを下げるのかのどちらかです。

顧客価値を高める方法は、商品の品質を高める、サービスを手厚くするなどの機能的ベネフィットを高めたり、増やしたりする方法があります。つまり、顧客が求めているプラスの変化の量を増やしてあげられる対策をとるということです。

顧客コストを下げる方法は、価格を下げる、買い求めやすくする、認知度や信用度を高めるという方法があります。つまり、顧客の不安や面倒を無くしてあげられる対策をとるということです。

価格を下げるのは愚策

ただ、価格を下げることはおすすめできません。こちらが下げれば他社も下げます。価格競争へ突入して、最終的には生産力・販売力・資本力のある大企業以外は稼げなくなってしまうからです。

顧客の数が多いということは、それだけ顧客対応のためのリソースが必要になるということです。顧客対応の体制が不十分だと、満足度を下げることに繋がります。なので、多くの企業が目指すのは、ある程度の顧客数でも十分な高い収益性を保てるビジネスです。

品質の高い製品や、顧客の時間や手間をなくせるサービスの拡充に取り組むことで、高い価格でも買ってもらえる商品にできます。そして、十分な顧客対応によってより満足度が高まり、リピートに繋がったり、顧客の紹介をしてくれたりと、良いことが次々に起こります。

価格以外の顧客コストを取り除く

顧客価値を高める買い求めやすくするためには、ネットで買えるようにしたり、いちいち個人情報や決済情報を入力しなくてもよいAmazonPayのような決済機能を利用したり、情報を見つけやすくするためのサイト設計にしたり、LINEで問い合わせできるなど連絡しやすくしたりすることで実現できます。検索した時にアクセスしやすくするためのSEO対策なども大切ですね。

認知度や信用度を高めるためには、TVなどメディアで取材をしてもらったり、第三者機関からのお墨付きをもらったり、有名人も使っているという話題を作ったり、露出を増やしてよく目にする状況を作ったり、SNSで人気のインフルエンサーが紹介するなども、かなり重要な施策になっています。

これらによって、顧客が感じる商品のコストを下げることで、顧客が感じる価値を高めて、買うべき商品だと感じてもらうことが大切です。

 

マーケティング道場ONLINE

詳しく見る
平岡 大輔

プロモーション領域の端から端までを熟知しているバランス型マーケター。
総合広告会社でTVCM中心にマスメディアのプランニングに従事。
web系ベンチャー企業でクリエイティブ事業部の責任者として多数のwebサイト開発に取り組みながら、EC企業のマーケティングコンサルタントとしても活躍。D2C企業の経営に参画し、年間5億円の広告費を使いながら理論と実践のPDCAを回している。マーケティングのプランニングからディレクションまでを得意領域としており、チームビルディング・チームマネジメントにも精通。

記事一覧

関連記事