クライアントを納得させるのは正論ではない

新しくプロジェクト開始をした金融業界のクライアントとのLPOmtgでこんなやりとりがありました。

平岡「テストLPの方が3倍のCVRとなっているので全てこちらに変更した方が良いですね」

クライアント「この数値はにわかに信じられない。最新のファンド募集の内容が入っている方が反応がいいはずだ」

既存LPとLPO用に用意したLPのパターン違いの計3本を並走させていました。

既存のLPのCVRは1%以下で、LPO用LPのCVRは2%以上の状況で、3倍以上の差をつけていました。

なので、まず全てのLPをLPO用のLPに切り替えるべきだという提言をしたのですが、

LPO用のLPは募集中の最新のファンド情報ではなく、過去のファンド情報を掲載していたので、前述のようなコメントがクライアントから出てきたということです。

これは業界での経験を元にしたクライアントの感覚です。

LPO用のLPはファンドの情報だけでなく、構成や訴求を変えています。なので、ファンド以外の情報で見込み客の理解を得られた可能性はあります。

結果として、LPO用のLPの方が高いレスポンスを出せているのは、データから明らかです。

仮説に対して勘を働かせることは重要ですが、結果に対して勘を働かせてはいけません。

結果はデータが証明しています。

ですが、プロジェクトのスムーズな進行を優先し、クライアントの意向を汲んだ折衷案を提示しました。

既存のLPとLPO用LPとキャンペーンを分けた状態で、それぞれのLPでABテストを行うという内容です。

正直、CVRの悪いLPを残すことは機会損失に繋がるので、プロとしてはおすすめしませんが、クライアントの納得という点を優先してこの方向で進めることにしました。(トラフィックが分散するので、検証までに時間もかかります)

もちろん、LPO用LPに変えて、それを元にファンド情報を最新にしたパターンとテストするのがベストだということは伝え、かつ切り替えないと機会損失があるということも説明した上でです。

それでも責任者が自身の勘を信じるという選択をしたので、あとは改めて結果を見て判断をしてもらえれば、納得してもらえると思っています。

僕はいつも伝えるべきことは伝えつつ、最終の判断は責任を負うクライアントにしてもらうようにしています。

これが、100%の成功があり得ないマーケティングの仕事を、100%ノンクレームで続けられる秘訣です。

ーマーケティングは一日にして成らずー

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