マーケターは料理人

  1. コラム

マーケティングアジェンダ(マーケティングに携わる人達のサミット)の楽屋話が記事化されていました。大企業でマーケティングに携わってきている方たちがディスカッションしている内容です。

共感を覚えた話が2つありました。1つ目は、競合ではなく市場を見るべしということ。もう1つは、デジタルツールは包丁でマーケターは料理人であるということ。

競合の出現で縮小した消臭市場

お部屋の消臭として市場を作り出していたファブリーズが、競合商品リセッシュの除菌アプローチに対抗して「W除菌」を打ち出して市場が縮小したそうです。

これまでは、「いろんな場所に使う」という用途訴求(機械拡大)にプロモーションコストをかけていたのが、「より除菌力がある」という機能訴求に転換したことで、除菌効果を求める層だけに届く訴求になり、その結果、その層を競合と奪い合うだけになってしまったということです。

つまりは、マーケティングではなくセールスに近いアプローチに転換したことで、顕著に市場が縮小したという例です。需要を掘り起こすというマーケティングの力を改めて感じさせられました。

ツールベンダーは包丁屋

吉野家の戦略担当顧問の伊藤さんがデジタルで何ができるようになったのかというと「いろんな包丁が売っているようになった」と発言されています。これ、すごく的を射ているなと感じました。ツールベンダーは自分たちが提供している道具でおいしい料理が作れると売り込みをします。

そして、「料理人のやることはいろんな包丁を使うことではなく、おいしい料理を作ることだ。」とも表現されていて、まさにその通りだと思いました。

包丁一本しかなくても、腕が良ければおいしい料理は作れます。良い道具があれば、さらにおいしい料理を効果的に効率的に作ることができるようになります。良い道具が良い料理を作るわけではないということを、改めてマーケティング担当者に啓蒙しているお話だと感じました。

まずはマインドとスキル

僕も普段セミナーで、アマチュアゴルファーを例に出してこの話をしています。多くの人が良いクラブを欲しがります。でもその道具の性能を発揮させるためには、正しいスイングができなければいけません。正しいスイングをするためには、正しい体の動かし方と正しく動かせる体が必要です。

なので、マインドセット>スキルセットを手に入れてから、ツールを手に入れることをおすすめしています。

MAツールを筆頭にありとあらゆるデジタルツールがマーケティング担当者にセールスされています。それらを効果的に活用するためにも、正しい知識とそれを実行するためのスキルを磨く重要性が高まっていると考えています。

MAツールを正しく使いこなすためのコンテンツを作ったら需要あるかもしれないなと思いました。

p.s.

こういう業界の不健全な状況についての話こそ、こういった方たちが公の場で話すべきだと思うのですが、参加者に忖度して楽屋話で出しているところは残念に感じます。

 

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平岡 大輔

プロモーション領域の端から端までを熟知しているバランス型マーケター。
総合広告会社でTVCM中心にマスメディアのプランニングに従事。
web系ベンチャー企業でクリエイティブ事業部の責任者として多数のwebサイト開発に取り組みながら、EC企業のマーケティングコンサルタントとしても活躍。D2C企業の経営に参画し、年間5億円の広告費を使いながら理論と実践のPDCAを回している。マーケティングのプランニングからディレクションまでを得意領域としており、チームビルディング・チームマネジメントにも精通。

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