差別化を追い求めることの罠

  1. コラム

息子(3才)とあらかわ遊園のプールへ行きました。水深が30〜50cmくらいなので、小さな子どもを連れた家族連れの多い施設です。

最寄りの駅で降りた時、ホームに設置された掲示板にふと目をやりました。プラレールの写真が目に入り、そのビラに注目。それは店内にプラレール展示をしているカフェの案内でした。駅のすぐ傍だったので、プールの後に行くことに。

店内に入るとまず目の前に何台ものプラレールが走る3m×1m程の展示台がドーンとありました。店員さんに展示台脇のテーブル席へと誘導される。息子は展示にかぶりつき、我関せずという様子。

カフェラテ(600円)、チョコケーキ(550円)、キッズドリンク(300円)を注文。「場所のわりにそこそこええ値段取るんやな。手作りをうたってるから自信があるんやろな。」と期待をこめて注文。

程なくしてケーキとドリンクが到着。息子は依然展示台にかぶりつき。プラレールを操作できるコントローラーが2台あるものの、先約が離れず遊べないので、なにやら車窓さんと技術職員の人形を集めて、駅のホームに並べだす。

とりあえずケーキとジュースに興味を持つまで放っておこうと思い、ケーキをぱくり。「たいしたことない、という表現がこれ以上当てはまるものはあるのか?」と思えるほどにたいしたことのない味。

素人が初めて作ったかのような味。コンビニのケーキの方が余裕で3倍は美味しい。「まぁ、展示を見れることが付加価値やから仕方がないか」と自分に言い聞かせる。

他にもいろいろ料理があり、手作りをしている風だったけど、たぶん他の料理もイマイチな味なんやろうなと、一瞬でそのお店の評価をする。

ホームの掲示板でビラを見た時は、「プールの後はプラレールというお決まりのルートにしようか」と思っていたけど、その雲行きが一瞬で怪しくなりました。

中小規模の企業は高単価・高品質を継続させる


中小規模の企業は高単価の商品を売るべきです。なぜなら、低単価の商品は規模の経済性が働くからです。つまり、大量生産することでコストを抑えられる大企業に価格と質で負けてしまうからです。

そのため、高品質・高単価の商品を誰でも彼でもではなく、それを必要とする特定の層に対して売っていくことで、収益を確保することが望ましいビジネスのやり方と言えます。

ここで重要なのが、高品質ということです。付加価値が高いもの、と考えてください。

プラレールカフェの例では、「プラレール展示」という付加価値を提供しています。飲み物・食べ物だけでなく、展示を見れる・プラレールで遊べる、という体験も含めて商品と捉えられます。

そのため、料理に対してコスパを感じられなくても、1.5時間も子どもが楽しめる空間だったことを考えると、とてもコスパの良い商品だと言えます。実際そう捉えて納得させました。

ただ、気をつけなければいけないのは、顧客が商品のどこに、より価値を求めているかです。プラレールカフェは、プラレール展示が見れるカフェです。ただし、僕にとってはあくまでカフェがメインです。

なので、残念なケーキに550円の値付けがされていることで、かなりがっかりしてしまいました。買ったことを正当化するために、「展示料込みと思えば安いもんだ」と自分を納得させたに過ぎません。

客を引き寄せるために他との差別化を図ります。それは顧客にとって付加価値となるものでなければいけません。しかし忘れてはいけないのが、自社のビジネスの核となる価値が何なのかということです

他社との差別化を追い求めるあまり、商品に求める本質的な価値を疎かにしてはいけません。そこで最大の価値を顧客に提供できなければ、食いつきは良くても結果として、付加価値は形骸化してしまいます。

そして、中小規模の企業が目指すべき、継続的な顧客の獲得はできません。

 

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平岡 大輔

プロモーション領域の端から端までを熟知しているバランス型マーケター。
総合広告会社でTVCM中心にマスメディアのプランニングに従事。
web系ベンチャー企業でクリエイティブ事業部の責任者として多数のwebサイト開発に取り組みながら、EC企業のマーケティングコンサルタントとしても活躍。D2C企業の経営に参画し、年間5億円の広告費を使いながら理論と実践のPDCAを回している。マーケティングのプランニングからディレクションまでを得意領域としており、チームビルディング・チームマネジメントにも精通。

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