webを活用して情報発信をし続けていますが、実践することをいつも大事にしています。
BtoBとBtoCそれぞれの企業の経営をして、マーケティングを実践しています。
どちらの企業でも社内社外のメンバーをマネジメントし、キャンペーンを企画し、ランディングページの構成を作り、広告の運用もやります。
明らかにやりすぎなのですが、自らが現場に身を置いて実践しなければ見えないものがたくさんあります。
もちろん全てがうまくいっているわけではありません。ほとんどがうまくいかないことです。
でもそれが、多くの経営者、マネージャー、メンバーの感じているリアルだと思っています。
そのリアルを体感して、その解決策を模索して、実行して結果を手に入れることができているからこそ、他の人にも価値のある情報として伝えることができています。
目次
BtoBビジネスでやっているマーケティング実験
自社の集客も去年から完全に広告だけに絞りました。ビジネススクールの設立もしたので、オンラインで全てを完結するモデルを構築するためです。
それまではセミナーイベントなどへの参加を中心にしていたのですが、自社で0→1をしていくことが自分自身の身にもなるだろうと思っての方針転換です。
その後、たまたま新型コロナが流行してリアルイベントが活用しづらい状況になったので、運がいいなと感じています(笑)
BtoBのマーケティングプロセスは単純化すると、「リード獲得→リード育成→顧客化」の3ステップです。
このプロセスに集客するために、広告やSEOやSNSなどを活用していきます。
SEOやSNSを頑張るところが立ち上がりの事業の集客のやり方としては王道なのですが、僕は広告集客をメインとしています。
SEOとSNSに共通するデメリットは、成果を出すまでに時間がかかりすぎることです。
さらに、SEOやSNSは同じことをしてもそれぞれの会社の置かれている競合環境によって成果が変わってしまうところが、実績をシェアする点においてデメリットとなります。
できるだけ手早く再現性のある実績を作り、情報発信したいという目的があるので、テマヒマでは広告集客にこだわっています。
もちろんSEOとSNSも活用はしています。でもあくまでそれは「実践する」という目的を果たすためにやっています。
一応狙ったキーワードで1位取れている記事もあります(アピール笑)
テマヒマでも「リード獲得→リード育成→顧客化」の流れを構築すべく、日々実験を繰り返しています。
BtoBマーケティングで重要なもの
集客の手法に注目が集まりがちですが、最も大事なのはコンテンツです。
コンテンツとは役に立つ情報の中身のことで、ダウンロードコンテンツやメールコンテンツ、さらにはその後に控えている商品のことです。
見込み客に自社のリストに加わってもらうためには、メールアドレスを登録しなければ手に入れられない相手の欲しいものを差し出す必要があります。
ダウンロードコンテンツに課題を解決するためのヒントがあると見込み客が感じれば、その情報を手に入れるためにメールアドレスを登録してくれます。
例えそれが知らない相手であっても。多少フォームの操作性が悪くても。
もちろんすでに知っている相手かつフォームの操作性が良ければ、それに越したことはないですが。
BtoBマーケティングで犯す過ち
多くの企業がリードを獲得して、すぐに商品を売ろうとします。
ダウンロードコンテンツを手に入れた段階の顧客は、ただの「様子見」です。
いろんな情報があり、無料で優良なコンテンツを手に入れられる状況において、ちょっと様子見しただけの相手からガツガツと来られては、その後の取引に不安を感じて去っていかれます。
もちろん最後の最後は積極的にアプローチしてクロージングに向かわせることも大事ですが、それは「様子見」ではなく「検討」の相手に対してです。
「様子見」を「検討」へと変えるために、継続的な価値提供が必要になります。
そのために活用するのが見込み客の役に立つダウンロードコンテンツです。
BtoBマーケティングで活用するダウンロードコンテンツ
ダウンロードコンテンツのメインはホワイトペーパーです。
無料のレポートやノウハウ資料と思ってください。
見込み客はホワイトペーパーを手に入れるために、メールアドレスや企業名などを情報の発信者に提供します。
なので、ホワイトペーパーに書かれている内容が魅力的かどうかが鍵となります。
ホワイトペーパーの作り方には、大きく2方向あります。
1つは、見込み客の関心に寄せたもの。もう1つは、見込み客に関心を寄せてほしいもの。
ホワイトペーパーそのものを商品と見立てて考えればわかりやすいのですが、マーケット・インとプロダクト・アウトの考え方と同じです。
マーケット・インとは、市場にある課題を特定して、それを解決するための商品を作る考え方です。
大きな携帯電話じゃ携帯できないという課題に対して、軽量化し掌に収まるサイズの携帯電話を作るなど。
一般的には、見込み客の関心に寄せたマーケット・イン発想の商品を作るのがマーケティングにおいて重要だと思われていますが、プロダクト・アウト発想によって作る商品も、マーケティングにおいて重要な方法です。
プロダクト・アウトとは、自社が良いと思っている商品を作り、それを市場に届けていく考え方です。一般的には、良い商品だからと言って売れるわけではないというネガティブな捉え方をされていますが、生活者の気づけていない課題を特定して、それを解決するための手段となる商品を作る方法でもあります。
スマホなどは、プロダクト・アウト的な商品だと言えます。
情報が多く、選べない時代においては、本当の課題とそれを解決するための手段を提供できる企業が生き残っていくと思っています。
なので、プロダクト・アウト的発想で商品開発をしていくことはより重要になっていきます。
マーケット・インとプロダクト・アウトは、市場の需要にフィットさせるか、市場に需要を生み出すかの違いだと考えられます。
まずは、より成果を出しやすいマーケット・イン発想のアプローチを実践するようにしてください。
多くのホワイトペーパーが見込み客を顧客化へ導けていない理由
まず、多くのホワイトペーパーが見込み客を顧客化へ導けていない理由についてお話します。
多くのホワイトペーパーは見込み客の関心に寄せた内容になっていません。自分たちが発進したい情報をただ押し付けているだけになっています。
そのため、ダウンロードしてくれた見込み客に対して、「無駄な資料をダウンロードしてしまった」と感じさせてしまっています。
もし商品の紹介が全体の1/5を超えるようなら、見込み客の関心に寄せた内容になっていないと思ってください。
見込み客はホワイトペーパーをダウンロードする時点では、まだ「様子見」です。
様子見してくれている相手に、売る気満々の姿勢を見せてはいけません。
課題を解決したいと思っているけど、多くの人が売られたくないと思っているからです。
ホワイトペーパーをダウンロードしてくれたからと言って、自分たちの商品に関心があると思わないようにしてください。
顧客化へ導くホワイトペーパーの作り方
見込み客はメールアドレスという対価を支払って、ホワイトペーパーを手に入れます。
見込み客が欲しいと思っている情報を、そのホワイトペーパーで手に入れられると分かれば、メールアドレスを入力するという対価を支払ってでも、そのホワイトペーパーが欲しいと感じるのは容易に想像できると思います。
インスタグラム運用に課題感を持っている人がいるなら、『インスタグラム運用で抑えておくべき3つのポイント』について書かれているホワイトペーパーがあれば、欲しいと思ってもらえますよね。
見込み客の課題と自分たちの解決策を結ぶ線を担っているのが、ホワイトペーパーです。
もしあなたがインスタグラム運用を支援しているなら、『インスタグラム運用で抑えておくべき3つのポイント』についてのホワイトペーパーを作ることはできると思います。
そのホワイトペーパーを利用すれば、インスタグラム運用で困っている見込み客は興味を示します。
どうやればうまくいくのか?が書かれていれば、見込み客の役に立つコンテンツになり、そのコンテンツを提供してくれたあなたやあなたのビジネスに興味を持つようになります。
相手の役に立つ情報の割合が多ければ多いほど、このコンテンツへの信用が積み上がります。
逆に、商品の紹介などのセールス要素の割合が多ければ多いほど、コンテンツへの信用が失われていきます。
「なんだ、結局このサービスを売りたいだけの営業資料か。」と思われてしまっては、それ以上の情報をもらいたいとは思わないですよね。
つまり最強のホワイトペーパーとは、役に立つ情報のみで作られたGIVEGIVEGIVEな資料だと言えます。
もちろんここは目的に合わせてチューニングしていくところになります。
最強のホワイトペーパーが最強の集客ツールになる理由
「でも、ノウハウを出してしまったら顧客にならないのでは?」という指摘もありますが、これは心配しなくて大丈夫です。
情報だけで同じようにできる人は2割程度だと思います。
ホワイトペーパーに書かれた内容にトライしてみても、うまくいかないことが多いです。
なぜなら、ノウハウとスキルは別物だからです。
解決のヒントを手に入れようとしてホワイトペーパーをGETしてみたけど、実際にやっていないことって多くありませんか?
やってみたもののうまくいかなくて、すぐにやめた経験はありませんか?
できること、うまくできることは違います。
この壁を突破するために、プロの支援が必要になってきます。
これが顧客化へ導くということです。
BtoBマーケティングの集客の要「ランディングページ」
「リード獲得→リード育成→顧客化」の流れのリード獲得の要となるのが、ランディングページです。
どれだけ良いコンテンツもその魅力をきちんと届けられなければ、存在しないのと同じです。
手に入るコンテンツの価値を感じてもらうのが、ランディングページの役割です。
多くのランディングページは、見込み客にとってつまらない物になっています。
商品の情報やありきたりなメッセージがただ並んでいるだけの長いページです。
「良い情報はないかな〜?」とネットサーフィンをしている見込み客の興味の矛先をこちらに向け、相手の課題を浮き彫りにし、「このホワイトペーパーを手に入れることが、今できる最良の行動だ」と感じてもらえた時に、ランディングページは機能したと言えます。
見込み客の顧客化は一貫したプロセスです。
【認知→興味→理解→検討→購入】、言い換えれば、【気づいて→気になって→納得して→検討して→買う】。
この5つのプロセスを構築することで顧客を増やしていきます。
BtoBマーケティングのランディングページで押さえる3つのポイント
「リード獲得→リード育成→顧客化」の出発点となるホワイトペーパーダウンロードを目的としたランディングページの場合は、ホワイトペーパーをダウンロードすることで、課題の解決に近づけるかもしれないという期待感を作ることが重要です。
そのために抑えておくべきなのが、
- 見込み客が抱えている何とかしたい状況の具体的な描写
- その状況が起こっている根本的な原因
- その原因を解決するための方法
の3つです。
何が起こっていて、それが何によって起こっていて、何をすれば解決できるのか。
これを示すことで、「解決したい」という気持ちが高まり、「解決できるかも?」という期待感が生まれます。
その解決策がホワイトペーパーに書かれているとわかれば、手に入れたいと思いますよね。
この感情の変化をランディングページの情報によって起こすことが大切です。
そのために必要な情報を整理し、見込み客が「確かに」と感じるような伝え方ができれば、ホワイトペーパーをダウンロードしてくれます。
ランディングページからあなたの資産となる見込み客リストは作られていきます。
BtoBマーケティングのランディングページの作り方
マーケティングは一貫したプロセスです。なので、ランディングページも一貫したプロセスになっている必要があります。
大枠は、ベネフィット→オファー→コンテンツ(共感/原因/解決策/実績)→オファーという流れです。
ホワイトペーパーを作れているなら簡単です。
ホワイトペーパーで提供している解決策が必要だと感じてもらえる情報を、ランディングページに載せておけば良いだけだからです。
でも、ただ情報を羅列しているだけでは不十分です。
ランディングページを訪れた見込み客を引き込むことを意識した流れを作ってください。
ランディングページは見込み客を顧客化するために活用します。ある意味、マーケティング要素が凝縮された1枚のページだと言えます。
BtoBマーケティングのランディングページ〜出発点〜
まずは冒頭でターゲットの興味関心を引き付けてください。
ランディングページの最初に表示される部分を「ファーストビュー」といいます。
ファーストビューの良し悪しで、そのランディングページが読まれるかどうかが決まります。
ファーストビューで伝えるべきは「ベネフィット」です。
ベネフィットとは顧客が手に入れるプラスの結果のことです。商品を利用することで、どんなメリットが手に入るのかを訴求します。
それがなければ見込み客はランディングページを読みたいとは思ってくれません。なぜなら、商品の情報が欲しいのではなく、解決策を探しているからです。
ベネフィットが伝わったとしても、すぐに欲しいと思うわけではありません。「なぜそうなるのか?」がまだわかっていないからです。
なので、そこからは役に立つ情報によって、見込み客の納得を引き出していきます。
相手の納得を手に入れるためには、信用してもらうことが大切です。
信用を得るためには、次に紹介する4つの情報を届ける必要があります。
BtoBマーケティングのランディングページ〜中間点〜
人は納得すれば買おうとします。
納得を引き出すためには、信用を積み上げる必要があります。
見込み客は、今抱えている課題を解決したいと思っています。
どんな商品や相手なら自分の課題を解決してくれるのかと考えています。
ファーストビューでベネフィットを訴求して、「これなら自分の課題を解決してくれそうだ」と感じたとしても、買うに値する商品や相手かを見定めようとします。
見込み客の疑いをなくし、信用を積み上げるためには、
- 共感
- 原因
- 解決策
- 実績
の4つを示す必要があります。
ランディングページで表現する共感コンテンツとは
人は自分のことを理解してくれている相手の話は聞こうとします。
なので、見込み客の悩みや課題に対して理解があるということを示さなければいけません。
よく見るのが「こんなお悩みありませんか?」から始まるコンテンツです。
これはこれで効果的ですが、ありきたりになりすぎている感もあるので、「またこれか」的な印象を与えてしまいます。
なので、見せ方は工夫してください。
見込み客の信用を得るためには、相手をよく理解していること、見込み客の状況をよく理解していることが必要になります。
ターゲットは事業がうまくいっていない人です。
「より良くしたい」よりも、「今の悪い状況から脱したい」という欲求の方が強いからです。
見込み客の頭の中に常にあり、夢に見るほど思い悩んでいることは何か?
それを考えて描写してください。
その描写に共感してもらえたら、ランディングページを前のめりで読んでもらえるようになります。
ありきたりな表現や一般論では相手の興味関心を引きつけることはできません。
より具体的な描写をするようにしてください。
ランディングページで表現する原因コンテンツとは
相手の状況を理解していることを訴求した次は、何故その状況になっているのかの原因の特定をします。
原因はいろいろありますが、どこに焦点を当てるのかが大事になります。
ありきたりな原因を並べても、「そんなのはわかってる」「でも無理なんだ」という反応になってしまいます。
なので、相手の知らない原因を示す必要があります。
情報というのは、相手がそれを知らない時に価値を発揮します。
なぜなら、人は自分の知らないことや気づけていないことに、現状を改善する術があると思っているからです。
「平岡さん、あなたは朝起きてから動画を撮影しましたね。」と言われても、「そうですが、何か?」という反応にしかなりません。
「平岡さん、動画は夜撮影する方が滑舌良く話せるんですよ。」と言われると、「え?!なんで?理由を教えて!」という反応になり、相手の話に耳を傾けようとします。
なので、相手の悩みの原因を示す時も、「この問題の原因は●●だと思われていますが、根本的な原因はこれなんです!」という情報の出し方をしてください。
すると、相手は前のめりになり、その次のコンテンツへと画面を進めてくれます。
ランディングページで表現する解決策コンテンツとは
見込み客が知らされた「知らない事実」「根本的な原因」についての解決策を示します。
原因がわかったら、どう解決すれば良いのか知りたくなりますよね?
「平岡さん、あなたの滑舌が悪いのは、口の開き方に問題があったんです。」と言われれば、「え!そうなの?!どんな開き方をしたらいいの?教えて!」という反応になります。
人は原因を知ると対策を知りたくなります。それが自分の知らない事実だったとしたら、「今までの悩みがこれで解消される!」と感じて、あなたの話を前のめりに聞くようになります。
そしてここで示す解決策が、あなたの提供している商品のベネフィットになっていることで、見込み客はあなたの商品が欲しいと感じるようになります。
ベネフィットとは、顧客が手に入れるプラスの結果のことです。
つまり、課題の解決を意味します。
なので、見込み客の悩みの根本的な原因を示して、その解決策を示し、その解決策となる商品を示すという流れで、見込み客はあなたの商品を手に入れたい気持ちになります。
ここであなたの商品では解決できない原因を示したり、見当違いな解決策を示したりすれば、流れを無視した売り込みになってしまい、見込み客は離れていきます。
マーケティングは一貫したプロセスです。なので、ランディングページも一貫したプロセスになっている必要があります。
ランディングページで表現する実績コンテンツとは
見込み客は、あなたの商品が自分の抱える課題を解決できるとわかっても、すぐには買いません。
その商品やそれを売るあなたが、自分の課題解決をする相手として相応しいのかどうかを見定めようとします。
つまり、「本当にあなたそんなことできんの?」という疑いです。
マーケティングをしていく場合、多くの見込み客にとってあなたの商品は知らない商品です。
それを売るあなた自身も知らない売り手です。
その時、「なぜそれを買うべきなのか」「なぜあなたから買うべきなのか」という疑いが見込み客には生まれます。
なので、それを払拭してあげる必要があります。
そのために利用できるのが「実績」です。
なぜなら実績とは実際の結果のことなので、ただ適当に言っているだけではなく、実在する証明として使えるからです。
実績には、販売数や売上、第三者からの評価、メディア掲載、経歴などがあります。
見込み客が納得する「客観的な事実」がそこにあれば、納得して次のステップ「購入」へと進んでくれます。
販売実績もない、第三者からの評価もない、メディア掲載もない商品を、これまでビジネスをしたこともない人が売っていても、欲しいとは誰も思わないですよね(笑)
なので、大企業がいつでも有利にビジネスを進められるのです。
ですが、新しいビジネスやこれから成長させようとするビジネスの場合は、実績がありません。
「じゃぁ、見込み客の納得を引き出せないじゃないか!」と思わないでください。
無いなら作ればいいだけです。
トライアルで導入してもらうとか、知り合いにモニターしてもらって感想をもらうなど、利用実績を作ることはできるはずです。
プレスリリースを出せばネットメディアには掲載ができます。それをメディア掲載実績として活用することもできます。
セミナーイベントを主宰すれば、その分野で知見のある企業や人として認知してもらうこともできます。
すでに実績のある商品や企業と組むことで、自分自身の実績の上乗せをすることもできます。
あるものだけで勝負しない、これはとても重要な考え方です。
BtoBマーケティングのランディングページ〜終着点〜
見込み客が手に入れたい結果が手に入ることを示し、その証拠をコンテンツで示すことができれば、見込み客は「欲しい」「買いたい」と感じます。
そこであなたがやるべきは、購入への手引きです。
ここから「いくらで買えるのか」「どんな内容で買えるのか」など取引の条件を示す段階になります。
多くの商品が売れないのは、見込み客の期待と納得を作り出せていない段階で、売り込んでしまっているからです。
まずは相手の欲しいものを見せて、それが提供できる理由を示して、理解と納得を得られた段階で売り込まなければ、商品や売り手に興味を持つ前に離れていってしまいます。
買い手が商品を手に入れたいと思った段階で、商品の買い方について紹介するようにすれば、一般的に嫌われる商品の情報自体も、相手が求める情報へと変わります。
そして、クロージングできるかどうかを決定づける最大の要素が「オファー」です。
購入の後押しをするオファーとは
オファーとは取引の条件のことで、「割引」「特典」「保証」の3つの提案を使って、顧客の購入の後押しをします。
割引とは、通常価格からの値引です。お試し利用ということで初回価格を下げたり、長期契約や大量発注を理由に取引価格を下げたりすることでです。
特典とは、別の商品をセットで提供することです。価格は同じでも、得られる価値の総量が増えるのでコスパが良くなります。オプションで提供しているサービスを無料でつけたりすることです。
保証とは、価値を得られるようにサポートすることや、価値が得られなかった時に取引を解消できることです。無料のアフターフォローや返金保証などがあたります。
オファーを利用することで、見込み客の購入を後押しできます。見込み客は、良いなと思ってもすぐに買いません。買って失敗したらどうしよう…と迷うからです。
購入を失敗したと感じるのはこんな時です。
- 期待していた結果が手に入らなかった
- 得られる効果よりも費用の方が大きかった
なので、見込み客が感じている「期待価値」よりも、商品を手に入れるための「コスト」を小さくすることで、買いやすくしてあげる必要があります。
見込み客が買う理由、買わない理由
『期待価値>支払うコスト』
この関係が成り立った時に、買うことを決断してくれます。
人は損失のリスクを嫌います。
今の状況よりもプラスになることよりも、今の状況よりマイナスになることを避けたいと感じます。
手に入れるためのコストが大きいと、損失のリスクが大きくなるので買うことをためらいます。
なのでオファーを提案することで、見込み客が感じる損失のリスクを軽減してあげることが大事になります。
通常価格よりも安ければ、損失のリスクは小さくなります。
特典がつくことで全体の購入単価が下がれば、損失のリスクは小さくなります。
保証がつくことで失敗しない状況を作れれば、損失のリスクはほぼ無くなります。(ただし、費やした時間や労力は取り戻せません)
商品原価のかからない商品であれば、無料で提供しても後から十分元が取れます。動画配信サービスが入会後3ヶ月無料とかのキャンペーンをやっているのはその理由からです。
すでに作られたシステムなども、新たに提供コストがかかるものではないので、初月無料などのオファーを出すことができます。
まず体験してもらう、それによって商品の価値を実体験してもらい、実際の購入へと進んでもらうことができます。
効果的なオファーの出し方
- 競合商品よりもお得にする
- 返金保証を用意する
これができていれば、選ばれる商品になります。
これができないということは、何らか他の商品よりも欠陥を抱えているということになるので、改良の余地があると言えます。
商品自体なのか、それを提供するための組織なのか。
オファーは最も購入にインパクトを与える要素です。
是非、他社よりも強いオファーを提供できる商品設計、組織づくりを目指してください。
BtoBマーケティングの集客を最大化するメールアプローチ
リードとして「様子見」の見込み客を集めたら、次は「検討」状態へと変化させていかなければいけません。
ホワイトペーパーによって、あなたのノウハウやあなた自信に対して信用してくれていれば、あなたの話に耳を向けてくれる準備ができたと言えます。
そこから活用するのがメールです。
働く人たちは、メールをチェックするという行動が日常化しています。
チャットコミュニケーションが主流になりつつありますが、メールに届く情報を無視するというところまでには至っていない人がほとんどです。
とは言え、不要なメールの割合も増えていますよね。
一度提案を受けただけの相手や、どこかのイベントで名刺交換した相手、ホワイトペーパーをダウンロードするためにメールアドレスを提供した相手から届く、相手都合の内容のメールをたくさん受け取っていると思います。
多くの人が、受信箱を開いてからメールの仕分けをします。
今読む、あとで読む、捨てる。
なので、私たちが送るメールは「今読むメール」に選ばれなければいけません。
そのための第一関門が役に立つホワイトペーパーです。
ホワイトペーパーで有益な情報を提供することによって、引き続きこの相手からの情報を受け取っていれば、役に立つ情報があるかもしれないと感じてもらうことができ、受信箱で「今読むメール」に選抜してもらえます。
信用している相手、自分にとって有益な相手からのメールは、開いて中身を見る価値のあるメールです。
見込み客の受信箱の中でそのポジションを取れなければ、マーケティングはそこで終了となってしまいます。
そして、ホワイトペーパーを届けたあとのメールアプローチのやり方がその後の成否を分けるのです。
BtoBマーケティングで活用するメールコンテンツ
リストにいるのはダウンロードコンテンツが必要だった見込み客です。
つまり、その見込み客の課題のありかはすでにわかっているはずです。
なので、見込み客の抱える課題を解決へと導くコンテンツをメールで届ければ良いだけです。
よくある間違いが、自分たちの届けたい情報をメールに載せて届けてしまうことです。
受け取った相手に「知らんがな」と思われてしまえば、もうメールは見てもらえなくなります。
ターゲットを絞れていないと、そういうメールを送ってしまいます。
マーケティングは一貫したプロセスでできています。
ダウンロードコンテンツを作る時点で、ターゲットは具体的になっているはずです。(そうでなければいけません)
メールの反応が悪いと感じたら、どういう動機付けでリストに加わってもらえたのかを改めて考えてください。
答えはそこにあります。
BtoBマーケティングでメールを活用するとはどういうことか
リストに入ってくれたからと言って、セールスして良いということではありません。
あなたからもらえる情報を手に入れるためにメールを送る許可はしたけど、営業をかけて良い許可はしていないという状態です。
その相手に売り込みをしてしまっている企業はとても多いです。
もちろんいきなり電話をかけてきて営業する輩よりは、断然マシです。いきなり電話で営業をかけるよりも、資料をダウンロードした相手に売り込む方が反応が高いのも事実です。
なので、「資料ダウンロードしたらすぐに電話をかけろ」のようなアプローチをBtoBマーケティングの世界では推奨されています。
ですが、これは命中確率が高くなっているだけの話で、どちらかというとマーケティングというよりは効果的なセールスという感じです。
完成されたマーケティングは、セールスを不要にします。
見込み客の方からアクションをとってきてくれる状況を作れて完成だと言えます。
なので、マーケターであるあなたはセールスリードを営業へ橋渡しするだけではなく、マーケティングにより顧客が増える状況を作らなければいけません。
そのために活用できるのが、コンテンツです。ツールとしては、ホワイトペーパーとメールを活用します。
ホワイトペーパーだけで「買いたい」と思ってもらえることはほぼないので、ホワイトペーパーの対価として手に入れたメールアドレスに対して、継続的な価値提供をしていくことでマーケティングを成功へと導いていきます。
なので、メールに載せるべき情報は、相手の役に立つ情報でなければいけません。
商品の情報を送った瞬間に、相手の興味は失われていくからです。
では、どういうメールを届ければ良いのかをお話します。
BtoBマーケティングで送るべきメール
読者が求めている情報を届ける、これが鉄則です。
読者が求めている情報とは、課題の解決に繋がる情報です。
間違ってはいけないのが、課題の解決になる商品の情報を届けてはダメだということです。
「え?じゃぁ、売れないよね?」と思うかもしれませんが、まずは売らないでください。
ホワイトペーパーを見て、「よし!申し込もう!」と思わなかった人たちに、商品の情報を届けても気持ちが変化するわけはありません。
もし商品の詳しい情報を知りたいと思えば、問い合わせなど次のアクションに繋がっているはずだからです。
メールを送る相手がどういう状態の人なのかをまず理解する必要があります。
受注に繋がるメールアプローチ
ホワイトペーパーの時点で申し込んでもらえていないということは、情報が不足していたからです。
- 自分の課題と合っていないと思った
- 課題の解決にはならないと思った
- ベストな解決策ではないと思った
- 信用のできる相手かどうかわからないと思った
- 費用が高いと感じた
など、行動を起こさなかった理由がいろいろあります。
この不十分な状況を変えていくために、メールで届けるコンテンツを利用します。
つまり、メールで届ける内容は以下のようなものになります。
- うまくいっていない状況の原因とその理由
- 今すぐやるべき解決方法
- いろんな解決方法の比較
- モデルケース
- 顧客の声
- 費用対効果を測るシミュレーション
何が理由で一歩踏み出してくれなかったのかは様々です。
ですが、商品の機能や仕様やキャンペーンの情報が不足していたから、アクションを取らなかった人というのはほぼいません。
「自分にとって必要な解決策だ、でももっと詳しく知る必要があるな。」と思えば、資料請求なり問い合わせなり次のアクションに繋がります。
自分自身の日々の行動に照らし合わせていただければ、その理由がよくわかると思います。
見込み客がなぜホワイトペーパーをダウンロードしただけで終わってしまったのかを考えて、そのための対処となる情報をメールで届けていくのが秘訣です。
セールスに繋げるメールアプローチ
メールアプローチをする目的は、セールスへと繋げるためです。
売り込みではなく、見込み客の方からアクションをとってくれる状況を作るのがメールマーケティングです。
世の中の多くのメールは、売り込みすぎです。
売り込みと言っても「買ってください!」と直接的に伝えているものだけを指していません。
商品の紹介、自分たちの活動の紹介なども受け手にとっては、セールスプロセスの一貫のように感じます。
なので、メールを受け取る見込み客が求めている情報中心にコンテンツを作りメールで届ける必要があります。
ですが、背中を押してあげなければいけない見込み客がいるのも確かです。
手を引いてあげる存在が必要な場合もあります。
それがセールスメールの役割です。
基本的には役に立つ情報によって見込み客の関心と信用を獲得し、自ら申し込みや問い合わせへと進んでもらう状況を作るのが、BtoBマーケティングにおけるメールアプローチです。
そして関心と信用を得られている見込み客に対して、セールスメールによる大きな手助けとなる商品の紹介をすることで、見込み客が顧客になるためのきっかけを作ります。
この割合は8:2です。コンテンツが8、セールスが2です。9:1でもいいくらいです。
TV番組を想像してください。コンテンツの間にCMが挟まれていますよね。
あの割合が逆転していたらどうですか?20分のCMを見てやっと3分の番組が見られるとしたら、誰も見ませんよね。
メールアプローチも同じです。相手の求めているものが8割で、求めていないものを2割以下に抑えることで、邪魔な存在とは思われなくなります。
多くのメールアプローチが、この逆をしています。
そのため邪魔なものとして判断されてしまって、受信解除や読まないフォルダに自動仕分けされてしまっています。
そんな状態でセールスをしても、商品が売れるわけないですよね。
売るのではなく、相手の役に立つことを念頭においてアクションするようにしてみてください。
日本一の保険の営業の方が、自分から保険を売らないのと同じです。
BtoBマーケティングのお手本まとめ
長文にお付き合いいただきありがとうございます。
今回は導線設計とコンテンツ作りを中心にお伝えしました。
次は、広告によるリード獲得に取り組む段階なのですが、リードが顧客化する仕組みを作れていなければ、広告費を無駄に垂れ流してしまうだけになってしまうので、まずは仕組み作りに取り組んでみてください。
リード獲得の方法をお伝えするとそちらに気を取られてしまい、最も重要なコンテンツ作りが疎かになりがちなので、集客についてはまた次の機会でまとめたいと思います。
BtoBマーケティングのお手本のポイント
- 見込み客が求めているのは課題の解決
- 商品の情報を求めてはいない
- ランディングページは、共感・原因・解決策・実績で構成する
- ホワイトペーパーは、見込み客の課題解決に繋がる情報で作る
- ホワイトペーパーを、商品紹介資料にしてはいけない
- メールアドレスを差し出した見込み客の多くは、様子見の段階
- 様子見顧客の興味関心を高めるのが、ホワイトペーパーの役割
- 様子見顧客を顧客へと導いていくのが、メールの役割
- リードのリストに対してメールを送るところからが、BtoBマーケティングの本番
- 売り込みのメールは送らない
- 相手のアクションを引き出すのが、マーケティング施策
- 見込み客の課題解決に繋がる情報を提供し続ける
- セールスは2割以下、1割以下が理想
細かなことはたくさんありますが、まずは要点を押さえられているかをチェックしてみてください。
導線とコンテンツをテコ入れできれば、それだけで成果は変わります。
集客方法を見直すのはその後です。
ここまでお伝えしてきた話は、BtoBに限った内容ではありません。
BtoCでもやることは同じです。
ご自身のビジネスに合わせて読み替えながら、自社ならどうできるか?という見方をしてみていただければと思います。
知ることがまず大切ですが、前に進まなければゴールへはたどり着けません。
是非、やりやすいところから始めてください。
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