価値観を体現できる繋がりが熱狂する信者をつくる

招待状が届いた。「4TH ANNIVERSARY NIGHT OUT」。モデルの梨花さんがプロデュースするセレクトショップ「MASION DE REEFUR]からです。

もちろん僕ではなく、梨花信者の奥様に。

1ミリくらいの厚みのあるしっかりした紙に、文字は印刷ではなく箔押し、裏面にはプリントされたお花の写真が貼り付けられた手の込んだつくり。会員向けに送付されているものなので、そんなに大量に作ってはいないと思いますが、この1枚に相当な費用がかかっていると思われます。

奥様はこの案内を見るなり、上機嫌、妙なテンションに包まれている。「ついに私も選ばれるほどになったか。」そうです。彼女は毎月お店に通い、着実にロイヤルカスタマーへの道を歩んでいたのです。

僕はオシャレに興味がないのでまったくわかりませんが、オシャレ好きの女性たちにはたまらない何かがあるお店のようです。奥様はたぶん1日に1回はこのお店のwebサイトをチェックしています。新商品の情報をGETしたら、休日にお店に行き、目をつけていた商品を物色します。webでショールーミングをしています。


買うを判断するためには、実際に手に取ってから買いたいという意向があるようですが、なにより、このお店で買うということが目的化しているように感じます。

ただその商品が手に入ればいい、ということではなく、お店に行く口実として商品を見つけている感覚です。お店に行き、作りこまれた空間を楽しむ、その場所で買うという行為そのものに喜びを感じているようです。

世界観を体感させることが顧客との関係を強固にする


今の日本にはモノが溢れています。機能だけを選べばより安く手に入れることはいくらでも可能です。100均なんてその最たるものですよね。

では、中小規模の事業主が如何に自社の商品を売るかを考えた時に、商品だけではない、それに関わる全てを顧客の買う動機にしていかなければなりません。

店舗の場合であれば、そこへ行くということ自体に楽しみや、優越性のようなものを感じさせるとかです。REEFURの場合は、梨花さんという絶対的な神がいて、その感覚に触れていたい信者がいます。そしてよくあるタレントプロデュースのお店との違いは、その共感度が強いということもありますが、信者を集め惹きつけ続けるための身近な神的存在として、店舗スタッフの方たちが機能しているというところだと思います。

絶対的な神である梨花さんは、メディアやSNSで価値観を世の中へ発信し、それを体現する身近な存在として店舗スタッフの方たちがいます。そしてそれを体感できる場所として聖地「MAISON DE REEFUR」があります。


多くの組織が鍋蓋の形をしています。大きな組織にしていくためには、ピラミッド形にしていくことが大切です。その時、トップの意思を下層へと浸透させるための中間層の存在が必須となります。

MAISON DE REEFURも梨花さんだけが価値観の発信者・体現者だと、信者の裾野は広げられません。神の存在を身近に感じられなければ、いずれ別の神を探して離れていってしまうからです。

多くのタレントプロデュース店舗がうまくいかないのは、その存在をそこに感じられないつくりになってしまっているからです。本業がある中で、毎日お店に出るわけにはいきませんよね。もし毎日店頭に立てたとしたら、それって神じゃなくなりますよね。

そうならないために、絶対的な存在価値を持つトップの梨花さんは雲の上から価値観を地上の民へと注ぎ、その意思を受け継ぎ身近に存在する神的な存在としての店舗スタッフの方たちがいます。

そして信者たちにその世界観を提供していくことで、よりこの集団の強さを生み出し、裾野を広げられている要因だと思います。案内状にここまでこだわるのも、その世界観を体現するひとつのパーツである、という意識があるからです。

そしてたまに神が地上(店舗)に降りてきた日には、とてつもない影響を信者たちに与え、その場は熱狂し、もう離れられなくなる、そういう構図です。

p.s.
「梨花様が来るかも?」とテンションMAXになっている奥様を横目に、「ただのクローズドのセールイベントちゃうの。」と冷めた目で見ている僕がいます。

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