ゴールへの最短距離で考える

  1. コラム

先日のアポへ行く途中の出来事です。秋葉原の駅前の広場で、20代前半と見られる若干肌の荒れたパンツスーツの女性が怯えた表情で右の方から近づいてきました。この時点で(あ、例のやつか。)と察しました。

二人の距離1.5mくらいのところまで来て、

女性「すみません、今新人研修中でして・・・」。

(ほら、きた!わかってたよ、君がそう言うということは!)

平岡「あれでしょ?名刺集めるやつでしょ?」

女性「はい、できるだけたくさんの方と・・・」

平岡「あかんー」

終了。

ビジネス街でよくあるやつです。久しぶりに会いました。

営業力をつけさせるという意図で実施されていることが多いようですが、それであれば名刺の収集じゃなくて飛び込みでもテレアポでもさせる方がよっぽど営業力がつくと思ってしまいます。

どうやら不動産投資会社がアタックリストを集めるために新人研修と称して行われているようです。営業時間にしつこく電話がかかってくるやつですね。

生産性のない盲目的アプローチ

商品がきちんとしたものであるという前提で考えると、この手法はとても理にかなっているなと思います。

丸の内などのビジネス街にいる人はほぼ全員がターゲットユーザーになるので、上質なアタックリストを作れます。また、新人研修という名目で馬車馬のように働かせることで、何もできない新人を即座にリソースとして活用することができています。

また、中年層には自分の子供と重ね合わせてしまう人もいて、応援したくなるようです。そんな彼らは管理職である確率も高く、「新人」「研修」というコンテンツが生きています。

丸の内というメディアに、研修中の新人というコンテンツを投下して営業先を獲得する良いマーケティングアプローチだと思います。

問題なのは、これを真面目に研修と思って取り組んでる子たちです。道端で仕事中の人に突然「個人情報をください」とお願いしていることへの違和感を感じないのか?

なぜ道端で突撃するよりもっと集めやすいやり方を実行しないのかな、といつも不思議に思います。時間があるときは本人にこの話を直接しますが、今回は急いでいたのでさらりとスルーしてしまいました。

通常行われているナンパ方式での目標達成を以下のように想定すると、

名刺獲得率(CVR):1%と仮定

目標獲得数:100枚

必要突撃人数:10,000人

1人あたり所要時間:平均30秒と仮定

目標達成の所要時間:約83時間(1日12時間稼働換算:約7日間)

目についた会社員風の人に手当たり次第声をかけ続けないと突撃人数の達成は不可能です。そんな怪しい行動をしている人間が視界に入れば自ずとその人から距離を置くと思うので、より接触率も獲得率も下がることになると思います。

なぜそんな非現実的なやり方をバカ正直にやってしまっているのか疑問です。

手法の良し悪しは別として、名刺をGETするというゴール立脚で考えたとき、例えば、ビジネス交流会や勉強会をはしごすれば1日で軽く数十枚は集められるはずです。

夜はスタンディングバーなど交流のしやすいお店で、ビジネスマン風の人たちに声をかけていけばここでも10数枚はGETできると思います。

当たって砕けろ戦法で1日中歩き回り、目標達成できずに会社から詰められ、達成するまで帰ってくるなと罵られ、ストレスで肌を荒らしてるくらいなら、キャバクラでバイトをして毎日数十枚の名刺を手に入れながら、そこで対人スキルも向上させていく方が何十倍もマシだと思ってしまいます。

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平岡 大輔

プロモーション領域の端から端までを熟知しているバランス型マーケター。
総合広告会社でTVCM中心にマスメディアのプランニングに従事。
web系ベンチャー企業でクリエイティブ事業部の責任者として多数のwebサイト開発に取り組みながら、EC企業のマーケティングコンサルタントとしても活躍。D2C企業の経営に参画し、年間5億円の広告費を使いながら理論と実践のPDCAを回している。マーケティングのプランニングからディレクションまでを得意領域としており、チームビルディング・チームマネジメントにも精通。

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