理想を盛り込み過ぎるとダメな理由

目的をどこに置くべきかというお話

アプリ開発、オムニチャネル導入支援などをされているゆめみの霜竹さんがオフィスに遊びに来てくれました。特に仕事の話とかではなく、お互いの近況報告をしようということで機会をつくりました。販促EXPOを大失敗に終わらせた話や、ゆめみさんの組織体制の話、最近相談を受けている案件の話など。

ほとんどの開発会社さんは依頼を受けたものを開発して納品すればそれでミッション完了となります。導入後の運用は事業主側に委ねられます。何のために作ったのか、誰がどう運用していくのかが明確になっていないことが多いため、お金と時間を掛けて作ったシステムやアプリは活用されること無く、無駄な投資だったと墓場へ持っていかれます。

そういう状況に対して霜竹さんも警鐘を鳴らしていました。そこから企業のマーケティング課題についての議論が白熱。全体の設計ができていないと、どうしても手法に飛びつきやすくなります。

巷で言われていることや、代理店やベンダーの話を鵜呑みにして、あたかもそれをやるだけで自分たちの抱えている大きな課題が解決してしまうような錯覚に陥っています。

企業が新しいシステムを導入したり、新しい取り組みを始めるきっかけの多くは、担当者の変更です。以前の職場ではこれを使っていたという理由や、自分が来たからには何かしら新しいチャレンジをして成果を出したいという個人のエゴによるものが多いと思います。

ソリューションを提供する側もひとつの案件を大きくしたいので、できるだけいろいろなものを盛り込んで予算を膨らませにかかります。

結果、使えないものになり、誰も使わなくなり、墓場行きになります。

あるべきは、それをどう活用してマーケティング課題を解決に導くのか、という明確な計画がある状態です。もっと手前の話から言えば、マーケティング課題を解決するためにやらなければいけないこととして、システム開発やアプリ開発が行われるべきです。

そうできていないから、担当者のやった感で終わってしまい、企業としては無駄な投資をしてしまったという認識を持ち、結果それを作った会社への批判が起こり関係が終わる事態が生まれます。

ゆめみさんは運用して改善していくことが大切だと考えています。せっかく良いものを提供しても、それが活用されていない現状に違和感を感じています。

初期投資は大きくなくていい、小さく始めて、市場の反応を見ながら改善していけば良いという考え方をされています。結果を出すためにはこのやり方が1番です。

最近ではwebサイトのリニューアルも一度に変えるのではなく、部分部分のリペアを繰り返して、あるべき状態へと変化させていく方法が主流になりつつあります。

その方が結果的に無駄がなく、刻々と変わる環境に柔軟に対応していけます。企画・設計に時間を掛けて開発期間も長くなった結果、リリースした時にはユーザーの気持ちが変わっていたり、事業の環境が変わっていたりすることもあります。


できるだけ環境の変化を見ながら、軌道修正をしていけるような取り組み方をするのが効果的であり、効率的だと思います。

焦るな、しっかりと積み上げろ


システムやアプリの開発だけでなく、事業運営も同じことです。最初からはりきってお金をかけず、小さくアクションをとり、リアクションを得ながら求められている状態を作り上げていく姿勢で取り組むのが良いです。

失敗する例で、商品や店舗の作りに理想を詰め込むためにお金と時間をかけすぎた結果、売るための投資に充てるお金が無くなり、売上を立てることができずに潰れていく、というものです。

確かに、自分のこだわりを貫き通し、納得のいくものを世に出したいという気持ちはあります。それが間違っているとは思いません。でも、買い手がいなければ商売は成立しません。道楽ではなく、事業としてやっていくのであれば、売ることを目的にしなければいけません。

買い手を見つけるためには、売らなければいけません。売るためには売りやすい状態を作らなければいけません。それがマーケティングですね。マーケティングにはお金と労力がかかります。集客するための費用、コンテンツを作るための時間、勝ってもらうための売場づくりなど、商品を作ること以外にもいろんなコストがかかります。

それら全てが整わないと、スムーズにお客さんを増やすことはできません。前に進みながら、稼いだものを投資して、より理想の状態に近づけていけばいいんです。もちろん資金に余裕があれば、一気にアクセルを踏む方が良いですが、初動からベタ踏みをしていると、コケた時にはもう立ち上がれない状態になってしまいます。

最初からうまくいくことは無いと思って、コケる前提で事業を前に進めていくことをオススメします。

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