誰が顧客か?

  1. プランニング

リピート客を如何に作るか?それが重要というお話。

祝日は全員が休みなので家族揃ってお出かけします。昨日は海の日。海好きの僕としては海に行きたかったのですが、あいにく曇り空だったので、息子(3才)が最近はまっているアンパンマンを堪能できる横浜のアンパンマンミュージアムに行くことにしました。

どんなところなのか道中の電車で調査。スマホ対応していない見づらいサイトをざっとチェック。ミュージアムなのでいろんな展示があるっぽいことと、キャラクターを模した食べ物やグッズ売場などがあるということがわかりました。

みなとみらい駅から15分ほど歩き、アンパンマンミュージアムに到着。敷地内に入ると、壁画の前でカメラマンが記念撮影をしている。「法外な値段で売ってくれるやつやな」と思って、スルーして進む。

中に入ると、両脇にショップが立ち並ぶ広場になっていました。敷地内は入場無料で入れる広場とショップゾーン、入場料を払って入るミュージアムゾーンに大きく分かれています。

取り急ぎミュージアムへと向かいました。入場料は大人も子どもも1500円。「大人と子どもの料金同じなんや。なんかケチくさいな。」としょっぱなで印象が悪くなる。

先にお昼ごはんを食べることにしてレストランへ行くと、14時の時点で60分待ちというなんとも信じがたい状況。諦めて、併設されているうどん屋さんにしました。子供用のうどんはキャラクターがプリントされた容器を持ち帰れるという特典つきで好印象。でも陶器製で若干お荷物。。

僕は500円以上するなんのへんてつもないきつねうどんを食べました。家で自分がよく作る5分くらいでできるやつです。がっかりしながらランチを終える。

気を取り直してミュージアムへ。1Fはちょっとした滑り立ちとおみやげ屋。2Fはお店ごっこができるようなスペースと、アンパンマンのおもちゃで遊べるプレイルーム。3Fはキャラクターが勢揃いした展示とちょっとしたジオラマ。全体的にただ置いてあるだけのしょぼい感じでした。

子どもはいろいろ触ったり、走り回ったりと楽しそうでしたが、おとなは一瞬でお腹いっぱいになってしまうよう内容でした。原画がたくさん見れるとか、全キャラクターの紹介があるとか、大人でも楽しめる展示があってもいいのになと感じずにはいられません。

ミュージアムもひと通り周り、息子も満足したようなので、ジャムおじさんのパン工場でキャラクターパン(1個310円!)を買って帰ろうとしていた時に、たまたま友達家族と遭遇。家が近所なのでよく来るらしく、この後広場でショーがあるから、一緒に見ようということになりました。敷物を持ってくる慣れた様子。便乗させてもらい最前列を陣取る。


和太鼓を中心に、円を描くように囲んだ観客。30分ほど待機して、ショーが始まった。最初にばいきんまんとホラーマン登場。ばいきんまんを見て息子ギャン泣き。その場から逃げ出そうとする。なだめながら座らせると、まさかのばいきんまんの定位置が我々の目の前。硬直する息子。危害を加えられないとわかったのか少し落ち着き、ばいきんまんを凝視。

そしてアンパンマン、しょくぱんマン、カレーパンマン、ナガネギマンと踊り子のお姉さん達が登場。キャラクターが円をぐるぐると周り観客を盛り上げる。アンパンマン音頭で踊り回る。距離が近く、踊りもなかなかキレキレで、大人も楽しめました。

終盤、子どもたちが円の中に招き入れられ、キャラクター達と一緒に踊れるという演出が始まると、友達夫婦が「これは珍しいやつだ。今日はついてる!」と少し興奮気味。こういう時にヘタレを発揮しがちな息子も、円の中でぴょんぴょん踊ってたので一安心。ただ、キャラクターには近づきたいけど、近づけないそんな感じでやっぱりちょっとヘタレ気味でした。

最後にキャラクター達が円をぐるぐると回りながら、子どもたちと握手をする演出でフィナーレ。この時にはだいぶ慣れたのか、自分から積極的に手を伸ばして全員と握手をしてもらってました。ビビって逃げ出そうとしたばいきんまんとも触れ合っていたので安心しました。味を締めたのか、その場をなかなか離れず何回も握手をしていました。

誰が客かを見極めてサービスを提供する

アンパンマンミュージアムはショーのお陰で最終的には満足して帰れたのですが、友達家族と遭遇できなければ最後のショーの存在を知らず、そのまま帰っていたと思います。

1番の見せ場を体験することなく、コスパの悪い展示や食事、汚い椅子やなどところどころ目についたお粗末な設備環境などの悪い印象だけを持ち帰り、二度と行かないし、人にも勧めたくない施設になっていたと思います。

経営が厳しいのか、随所に不誠実が見られました。無駄に単価が高い食べ物、その割に抑えられていると見られる原価。敷地の多くの部分がおみやげ(おもちゃやグッズなど)売場だったり。

正直、ショー以外の部分は人にオススメしたくないなという場所です。ちなみに、ショーは無料で入れるエリアです。

ショーをネタに客を呼んで、おもちゃやらグッズやらを買ってもらって収益を上げようとしているのだと思います。でも、近所に住んでいるリピーターほど、それを回避する術を身に着けていると思います。

わざわざ来た客の方が施設内をくまなく見ると思いますし、せっかく来たからとおみやげを買う可能性も高いと思います。

そういう客をリピートさせなければ、客単価を上げられないと思います。できるだけ来場者の不満を無くすために、レストランの席数を増やすとか、レストランに入れなかった客が満足できるフードコートを作るとか。

今も屋台的な感じで食べ物屋はありますが、食べる場所が無いので、座れる場所を探してさまようことになります。

レストランの席数を増やすと稼働していない間は無駄が出てしまいますが、単価を下げて足が遠のいている客を取り込むとか、量を少なくして食事の時間を短くして回転率を上げるとか、人が入りにくい時間帯はキャラクターを登場させて集客するとかの工夫はできると思います。


また、ショーがメインイベントなので、内容や開演時間、楽しみ方を来場者全員に知ってもらう工夫も必要です。例えば入り口でビラを配るとか、館内アナウンスを流すとか。

あと、ミュージアムに来た人への特典をつければ、入館者も増えると思います。例えば、今は先着になっているショーの場所取りも、ミュージアムの半券を持っている人が優先的に前列に陣取れるとか。お金を出している人を優遇することで、お金を出した人の満足感を高められます。

来てくれる人全てに同じサービスを提供する必要はありません。お金をより落としてくれる人が事業にとって大切なお客さんです。同等のサービスを受けたければ、同等の対価を払う必要があります。そうすれば、お金を落としてくれるお客さんが増えていきます。

お金を払ってもらえるだけの価値をきちんと提供して、お金を出してくれている人を大切にする、これができれば商売はうまくいきます。カンタンなことなのに何故できていないのか?疑問で仕方がありません。

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平岡 大輔

プロモーション領域の端から端までを熟知しているバランス型マーケター。
総合広告会社でTVCM中心にマスメディアのプランニングに従事。
web系ベンチャー企業でクリエイティブ事業部の責任者として多数のwebサイト開発に取り組みながら、EC企業のマーケティングコンサルタントとしても活躍。D2C企業の経営に参画し、年間5億円の広告費を使いながら理論と実践のPDCAを回している。マーケティングのプランニングからディレクションまでを得意領域としており、チームビルディング・チームマネジメントにも精通。

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