感動的なプロモーションがありました。
日清食品さんのオリジナルミュージックビデオ「匂わせたい」です。
レストランでは向かいの席に肩だけが見切れた男性が写っていたり、路地裏を撮影した写真ではフードをかぶった後ろ姿、男性と2人並んでとった足元の写真、手料理を写した写真では鍋に反射して映る男性の顔、テキストの縦読みに「私はかちぐみ」……などなど
思わず「あるある」と思ってしまうような、インスタでの女子の匂わせテクニックを紹介する映像と思いきや、いたるところに「旅するエスニック」という商品名が匂わせられているというネタバラシを次々していくおもしろ展開に。
最後はカメラマンをしていたタイ人が登場して、商品を紹介して締めるという、完成されたプロモーション動画です。
「騙されたw!」と思い、ネタバラシ後も「本当に?」と思って何度も見返したくなる仕掛けが秀逸です。人に教えたくなるコンテンツになっています。
ネットのコメントでも、「敬意を込めて買ってしまいそうww」という書き込みがあったり、無関心層の注意を引き、購買まで引き上げられるコンテンツとなっています。
匂わせテクニックがよくできている理由
時流に合わせた、誰もが共感できそうな内容をCMに利用する手法は一般的ですが、それをコンテンツのネタとして活用できている事例はあまりありません。
人の興味は緊張と緩和で起こります。想像できるものは、そこまで意識が向きません。でも、想像していたことと違うものには意識が向きます。
今回のケースだと、「匂わせ」のテクニックとしていくつか紹介されており、僕なんかは「あるある」と感じるものもあれば、縦読みなど「うわ、そこ気づかんかった!」と思わされるものもあり、それ自体で緊張と緩和が盛り込まれていて、興味を引くコンテンツになっていました。
そこに、更に「旅するエスニック」という商品の匂わせが盛り込まれているという予想だにしない展開に、大きな落差があり、度肝を抜かれた感じです。
世の中の文脈をそのまま利用するのではなく、文脈をネタにコンテンツ化できている事例ですが、これを作り出せるのがプロのクリエイターさんの力なんだなと、改めて尊敬しかありません。
でも、こういうやり方で成果を出せるのは一握りの大企業だけです。そもそもPR動画に何百万もかけられませんし(大手代理店に頼めばもっとかかると思います)、その効果を受け止められるほどの流通量がないからです。
なので、多くの企業はこういう事例を追いかけず、顧客化導線の構築と集客のためのコンテンツ作りに取り組んでください。
参考 https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2004/17/news116.html?fbclid=IwAR23G2c7weXOZdxiyErFbJ09wBLbu1xYM6Ix6dRkLhP19WTo5uOjsssfQgs
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