人は、理屈に納得した時ではなく、感情が動いた時に欲しいと感じ、買うことを決めます。
見込み客が顧客になる流れで言えば、認知>興味>理解>検討>購入になるのですが、実はこのプロセスの初期の段階で買うことを決めています。
その商品の具体的な機能やスペックを知らなくても、その商品のことを知った瞬間に「いいかも?」と心を動かされたら、もうあとは買うための行動に移ります。
買うための行動とは、その商品が「如何に自分にとって必要かを納得させる情報」を集めることです。
僕の場合だと、iPhone15proのチタン素材を「かっこいい」と感じ、これを持っていると気分が上がるし、周囲からもイケてると思われるだろうと感じたので、欲しくなっています。
どんな機能があるのか、その機能が今の自分に必要なのかは関係なく、見た目の印象だけで手に入れようと思っています。
とはいえ、20万円近くする買い物です。
今のiPhone13も普通に使えているし、なんならSNSとチャットアプリと検索程度しか使ってないので、そもそもiPhone13である必要もありません。
でも僕の感情は、iPhone15proを買うことを決めています。
なので、僕の理性を納得させるために、買うべき理由を集める行動をとっています。
画質の良い写真が撮れる(大した写真撮ってないけど)…
望遠で撮影できる(遠くの何かを撮ることないけど)…
アプリをサクサク使える(SNSとチャットアプリくらいしか使ってないけど)…
ハイスペックな映像を楽しめる(そんな映像見ないけど)…
動画などの大容量データも高速でPCへ転送できる(何も撮ってないけど)…
撮影後に撮影モードを変えるなど編集の幅が広い(そんなにこだわりないけど)…
などなど。
どれも今使っていない機能です。
でも今後使うかもしれないという存在しない理由を持ってきて、「これは自分にとって必要なアイテムだ」と言い聞かせて、買うことを正当化しています。
人は感情で買うと決めて、理屈で正当化する。
私たちマーケターがまず行うべきは、見込み客の感情に火をつけることです。
そして、見込み客が自分の感情を正当化するための、十分な理由を用意してあげることです。
商品が如何に優れているか、認められているか、どれだけお得かを伝えることは、売るために必要ですが、それだけでは売れないということを覚えておいてください。
感情が動いていなければ、理屈は意味を成しません。
見込み客の感情に訴えるアプローチを取れていますか?
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