期待を超えてくるエキナカカレー

10時の新幹線に乗り帰省しました。

朝6時に朝ごはんを食べたので、新幹線が発車した後、徐々にお腹が空き始めた。ワゴン販売で何か買おうかと思ったけど、なかなか来ない。席は1番お尻の16号車。

「お盆やから混んでて来られへんのかな」と思いながら、じっとワゴンを押すお姉さんを待つ。

本を呼んだり、ポッドキャストを聞いたり、仮眠したり、できるだけお腹が空いていることを考えないようにやり過ごす。

そこへやっとこさワゴンを押すお姉さん登場。「これでやっと何か食べれる」と思ったけど、もうすぐ京都に付くとのアナウンスが。「あと30分なら待って、新大阪で何か食べた方がおいしいもんにありつけそう」と思ったので、我慢することにしました。

少しして新大阪に到着。いつもはJRに乗り換えてそのまま実家に変えるのですが、この日は奥様の実家へそのまま行く予定だったので、地下鉄に乗り換えるために一度改札を出ました。

駅構内をうろうろ、飲食店街を発見したので、外のショーケースを物色。なんともおいしそうなカツカレーのディスプレイを発見し、入店しました。

店長おすすめのほうれんそうカツカレーをチョイス。ほうれんそうはちょっとした罪悪感をなくすためのエッセンスでした。

感じの良いおじさんに注文すると「5分ほど揚げる時間がかかりますがよろしいですか?」との確認。「はい大丈夫です。(注文されてからカツ揚げるんや。これは期待できる!)」「あ、ごはんは少なくしてください」

たくさん食べられないので、満腹にならないようにいつもごはんは少なくしてもらっています。でも、だいたい普通の量が出てくるので、「少なめ」ではなく「少なく」と言うようにしています。
それでも、普通盛りってどれだけ盛ってるんやって思うくらい、普通に出てくることがしばしばあります。

しばらくして、感じの良いおじさんがお皿にご飯をもって見せてくれました「これくらいでいいですか?」「なんて親切!」ちょうど良い感じの量だったので、OKサインを出して応える。ほどなくカツカレー登場。ルーはサラッとしたレストランカレー風。

広いお皿に薄く盛られたご飯、その上には肉厚のカツが茹でたほうれんそうの上に乗っていました。
スプーンで切れるくらいの柔らかいお肉。衣はサクサク。「めちゃおいしいやん。」

その瞬間に、新大阪きたらここやな、とリピートのスイッチが入りました。

顧客の期待値を知る

エキナカのお店といえば、足早に食事を済ますためのお店なので、そこまで手が混んでいない印象があります。このカレー屋さんの話は、その前提を覆すことで顧客に好印象を与えることができている良い事例です。

カツを揚げるという一手間が、料理のおいしさを数倍にします。きちんとしたお店なんだという印象も与えます。これが町のレストランだったら普通のことだと思います。同じことをしても顧客の期待値を上回ることができません。出店する場所を変えることで、当たり前のことに価値が生まれています。

顧客の想定している価値を上回ることで、顧客は満足し、十分な対価を支払ってくれます。僕が食べたほうれんそうカツカレーは980円のでしたが、1500円くらいでもおかしくないくらいの商品でした。

期待を超える満足を提供するために、最初の期待値を下げるのもひとつのテクニックです。でも、このカレー屋さんはそんなテクニックを使っているのではなく、場所がどこであれお客さんにおいしいものを食べて欲しいという企業の姿勢が表れているのだとは思います。

顧客からの期待を十分に理解できてますか?

p.s.
12時半に新大阪に着くことは奥様に伝えていたので、少し向こうの実家への到着が遅くなると思って、ランチしてることをメッセージしました。

すると、即着信が。「あ、ちょっと待たすから怒られるんかなー。でも腹ペコやからしゃあないでなー。」と思いながら電話に出ると、

「なんでカレー食べてんの?みんなでご飯食べるのに!」と若干怒りモード。「え、知らんし。みんなでご飯とか聞いてへんし。」としどろもどろ。

普段の生活のことに関する記憶力が弱いのでちょっと自信なさ気に応える。でも、ランチすること知ってたらいくらお腹すいてるからといってカレー屋には入らないと思って反論。


大事にならずに済みましたが、予定はきっちり確認しておくべきですね。

 

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