webの業界には有象無象がいます。クライアント企業側も全てを把握しきれないため、彼らの営業を受け入れやすいです。
先日、支援先に営業に来た会社があり、見極めのために同席をしてきました。支援先の企業は金融系の商品を販売している会社です。今回営業を受けようと思ったきっかけは、その会社が金融系メディアを運営しているので、協業できる余地があるかもしれない、ということでした。
定刻になり会議室に入ると、既にその業者の方が席に座っていました。打ち合わせの場では、どんなメディアを持っているのか、今どんな企業が広告しているのか、その成果はどうなのか?などを説明してもらいました。
紹介されたメディアは、株のおすすめ銘柄ランキング的なもの。サイトはギラギラ系のなんとも怪しげな見栄え。いかにも騙し系のサイト風でした。今はあまり稼働させてないという話で、クライアントもほぼついていない状況とのこと。
「それでよく提案しにきたな」と内心は思いながら、クライアントも興味を持って話を聞いているので、「月間の訪問数はどれくらいあるんですか?広告のクリック率はどれくらいなんですか?」と、出稿を検討するための材料を集める質問してみる。
すると、「わからないです。そういうの調べたことがないので。」と返答。「え、なんでそれで媒体のセールスやってんの?」と内心で驚きを隠せないまま、「そうですか、わかりました。」と返答し、とっととこの場を終わらせようとしました。
しゃべりも拙い感じで、話している内容も信用ならなかったので、どんな人なんだろう?と名前を検索。すると、「詐欺 ●●●●(名前)」というサイトがトップに表示されました。
「おやおや、やっぱりそういう人?」と興味津々でクリック。どうやら元は馬券の情報商材を販売していた業者のようです。嘘の情報で顧客を集め、商品を販売していたことを詐欺で訴えられていました。
「記録が残るからこの時代では悪いことはできへんでなー」と自分の勘を自画自賛。横で紹介されているおすすめ銘柄ランキングサイトも「どうせ適当な情報を載せてるんやろう」と疑心を持ちました。
「以前は大量のリストを集めて、そこに対してメルマガで情報商材を販売していた」という話題が出ていたので、「おやおや、それも詐欺まがいの商材じゃないの?」と心の中でツッコミを入れる。
打ち合わせが終わり、クライアントからは構築中の自社メディアに対してアドバイスをもらったりできそう、と前向きな感想をもらいましたが、「怪しい人物(もちろん同姓同名の可能性も示唆)だし、言っていることもあいまいな内容がおおかったので、付き合わない方がいい」とアドバイスをしました。本当にセカンドオピニオンは大事だなと思います。
詐欺師のマーケティング
個人情報を集めてリスト化し情報を売る、という行為に対してネガティブな印象を持たれがちです。その理由は、その行為で売られている商品に詐欺商材が多いからです。
情報の販売は仕入れコストがかからないため作りやすく、結果はその情報の活用の仕方によって変わるため、成果を問われないことが多いです。そのため、如何に信じさせて買うを決断させるかが重要になります。
何故価値の無い商品を勝ってしまう人が多いのか?それは、「そんなことがあるわけない。」と思っている人を、「もしかしたら本当なのかもしれない?」と思わせてしまう、マーケティングの力によるものです。
マーケティングは商品にレバレッジを利かせる活動ともいえます。必要としている人に、商品の良さを的確に伝えて、買う行為をスムーズにさせるための環境を整える活動です。
でも、商品自体が顧客の望む結果をもたらせないものだとすると、ターゲットは「自分には関係のないものだ、もっといいものがあるはずだ」とお思い、その商品を選びません。つまり勝ってもらえません。
詐欺は、その商品があたかも価値あるものだと見せて、それを信じさせる行為です。約束された結果はもちろん得られません。だから誰もリピートはしません。でも業者としては、また次の商品をつくり、同じように楽に結果を得ようとしている人たちに対して、信じこませて売ればいいだけなので、焼き畑的アプローチで構いません。
評価してはいけませんが、価値のないものを価値のあるものだと思わせてしまうマーケティング力は凄いなと思います。価値のある商品がマーケティングの力によって売れないわけがないですよね?
売上が上がらないのは、マーケティングができていないか、もしくは商品に価値がないかです。
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