スピード成長する企業の正体

  1. コラム

これは!と思う商品がありました。

ツナマヨ風トーストをすぐに作れる朝食に便利な「のせるマヨシート」(ブルボン)です。

ひと手間も惜しみたい朝の時間を過ごしている多くの人にとって、少しの贅沢を簡単に味わえる良い商品だと思いました。ツナとマヨを別々に買って、混ぜ合わせてパンに塗れば、この商品を買うよりもおそらく安くすみます。

でも、作る手間を惜しみたい、でもちょっと贅沢なトーストにしたいと思っている人にとっては、これ以上無い課題解決です。

お金を払う人は時間を買っている

時間が最も大事だとわかっている人は、自分の時間を少なくすることにお金を使います。お金で命を買っているような感覚です。

USJのエクスプレス・パスはまさにそれです。お金を払えば待ち時間を短縮できるという超合理的な施策です。

世の中の多くの商品が、自分ではできないことを価値に感じてもらうことで、対価を得ています。

例えば、野菜を育てて収穫する時間を農家が肩代わりしてくれています。野菜を買い付ける時間を卸や小売店が肩代わりしてくれています。そのお陰で、我々は近くのスーパーで野菜を手に入れることができています。

さらには、野菜を加工してすぐ食べられる形に加工する時間を飲食店が肩代わりしてくれています。最近では、飲食店に行く時間をUberEatsが肩代わりしてくれています。

それぞれの価値提供プロセスを経て、最終的に支払う対価が決まっています。料金が高いということは、それだけそこに価値の上乗せ、つまり誰かの時間が上乗せされているということになります。

自分がすべてやろうとすると、カレーを作るのに何年もかかり、結果的に失敗するコストも含めると余計にお金もかかってしまいます。なので、普通の人はレトルトカレーを買ったり、カレー屋さんに足を運びます。

高級料理店と定食屋の価格の意味

高級料理店と町の定食屋は同じ飲食店です。ではなぜ、高級料理店は100倍も違う金額で商売できているのか?

それは、高級料理店の方が定食屋よりも商品を提供するために「時間」がかかっているからです。

良い食材にはそれを育てるための時間が普通の食材よりもかかっています。そしてそれを仕入れられる農家や業者を探すためにも時間がかかっています。良し悪しを判断するための目と舌を鍛えるための経験を積む時間がかかっています。

こだわりの内装を手がけられる人が費やした時間も含まれています。行き届いたサービスを提供するためにスタッフ研修などの時間も含まれています。良い場所を借りるための信用を作るための時間もかかっています。そういうお店で雇ってもらえる人になるために、その人がそれまでの人生でかけた時間もあります。

それらがすべて料金に上乗せされていくので、お店で食事をするという行為に対して100倍の値段の差がついています。そして、その対価に見合う満足を得られるので、その店には顧客がいます。

時間を買う企業が成長する

つまり、安さだけを基準に選んでいると、求めているような価値は得にくく、結果的にお金よりも大切な時間を失うことに繋がります。

「時間がかかっても自分ですべてやるんだ!」という意思決定をしているなら、それでも構わないと思います。でも、カレーを食べるのに野菜を育てるところからやるようなのは馬鹿げてますよね。

それは極端な例だとしても、野菜と香辛料を仕入れて自分好みのカレーを作ることが好きな人もいます。でも、空腹で今すぐお腹を満たしたい時に、時間をかけてカレーを作りますか?同じ使えるお金があるなら迷わずにカレー屋にいきますよね。僕ならそうします。

でも、ビジネスにおいては最も重要な時間をないがしろにして、自分好みのカレーを作ろうとしたり、お金を使わずに野菜から育てるような選択をしていたりします。

時間を買う選択をできている企業になることが、スピード感を持って事業を成長させられる企業になるための必要条件です。専門のアウトソーシング先はいくらでもあります。時間を買える環境は整っています。

ただ、その目利きと活用ができるかどうかはまた別の話になりますので、その点においては、またその専門家に相談するのが良いと思います。

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平岡 大輔

プロモーション領域の端から端までを熟知しているバランス型マーケター。
総合広告会社でTVCM中心にマスメディアのプランニングに従事。
web系ベンチャー企業でクリエイティブ事業部の責任者として多数のwebサイト開発に取り組みながら、EC企業のマーケティングコンサルタントとしても活躍。D2C企業の経営に参画し、年間5億円の広告費を使いながら理論と実践のPDCAを回している。マーケティングのプランニングからディレクションまでを得意領域としており、チームビルディング・チームマネジメントにも精通。

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