作業服の業界で40年間トップを走る「ワークマン」。名前を知っている人も多いのではないかと思います。
業績の成長を支えているデータ経営について記事がありました。
データ経営と聞くと、流行りのAIやBIの活用を想像するかもしれませんが、ワークマンさんのデータ経営は、全社員がエクセルを使いこなすことで成立しています。
現場の人たちがエクセルを用いたデータを元に、業績評価をして判断するという働き方が浸透しているので、よくある「なんとなく」「個人の主観」「偉い人の声」で決まるようなことがありません。
それによって、コミュニケーションは下手だけど実績を出せる社員が出てきたり、人付き合いのスキルだけで要職についていたような役に立たない社員を外したりという、組織の健全化が図れたそうです。
それがトップシェアを維持して、業績を拡大し続けられているワークマンさんの強みの基盤にあります。
幹部だけがデータを見て判断し号令をかけるのではなく、現場の社員がデータを作り判断することがデータを活用して事業を運営するということだと体現しています。
データを活用して経営するとはどういうことなのか、その本質がそこにあります。
魔法の杖は存在しない
新しい考え方が登場すると、それを実現するためのツールが登場します。
マーケティングもいろんなツールがあります。流行りのマーケティングオートメーションなどはまさにそれです。
「これさえ入れればマーケティングできる」という見当違いな期待を元に導入する企業がたくさんいました。
特に、マーケティングを理解できていない、マーケティングをしていない企業ほど、そういう判断をしていると感じます。最近では減ったと思いますが。
マーケティングオートメーションツールは、人間の手が届かない部分をシステムが担ってくれる道具です。道具を使う人間がその道具の使い方を知らなければ、道具は機能しません。
具体的には、売る相手が正しくなければ売れませんし、求められるものを売らなければ買いませんし、伝え方がよろしくなければ伝わりません。
マーケティングオートメーションツールは、運用を自動化するための道具です。どう運用するのかが正しく設定されていなければ、期待通りの成果は得られません。
重要なのは、シナリオとコンテンツです。そこは自動化してくれません。設計通りにシステムは動くので、その設計が重要になります。
誰にでも魔法が使える魔法の杖は存在しませんが、魔法使いは存在します。
それが、魔法のような結果を出すための設計ができるマーケターです。
p.s.
マーケティングオートメーションを導入しているのに、メール配信ツールでもできるような使い方しかできていない企業は多いと思います。10分の1以下の費用でできることにしか道具を使ってないのって、すごくお金の無駄ですよね。
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