退職代行サービスに学ぶ!秀逸な2STEPマーケティング事例

はじめに

ビジネスは「モデル設計」で成否が大きく分かれます。
どれだけ努力しても、モデルが悪ければ忙しいだけで利益は出ません。逆に、仕組みが秀逸であれば、自然に収益が積み上がっていきます。

今回は、私が見つけた退職代行サービスの優れたビジネスモデルを、マーケティング視点で分解してご紹介します。
2STEPマーケティングの活用事例としても、とても参考になります。


退職代行サービス×転職支援の組み合わせ

最近話題の退職代行サービス。
この業界の一部企業は、退職代行と同時に転職支援サービスも提供しています。

仕組みはこうです。

  1. 利用者は退職代行サービスに約3万円を支払う

  2. その後、同じ企業から転職先の紹介を受ける

  3. 転職が決まると、人材紹介会社から事業者に報酬が支払われる

中には「転職お祝い金5万円」を支給しているケースもあります。
利用者は実質的に退職代行費用が相殺され、むしろプラスになる可能性すらあるため、自然に転職支援まで利用しやすくなるのです。


ビジネスを拡大させる2STEPマーケティング

このモデルは、マーケティングでいう2STEPマーケティングの好例です。

フロントエンド商品

集客のための低価格商品・サービス。
ここでは退職代行サービス(約3万円)が該当します。

バックエンド商品

収益を上げるための本命商品。
ここでは転職支援(人材紹介による成果報酬)が該当します。

英会話スクールで例えるなら、「無料体験レッスン(フロント)」→「有料カリキュラム(バック)」の流れと同じです。


このモデルが秀逸な理由

  1. フロントエンドの利益で集客コストをまかなえる
    通常、人材紹介サービスの新規登録には高額な広告費がかかりますが、このモデルでは退職代行利用者=転職希望者なので、追加の広告費がほぼ不要です。

  2. 集客ターゲットが明確で絞りやすい
    「退職代行を利用したい人」というピンポイントな層は数こそ少ないものの、特定しやすく広告効率も高い。

  3. 設備投資が不要なスケーラブルなモデル
    人材ビジネスは在庫や大規模設備が不要。集客モデルが確立すれば利益が積み上がります。


他業種でも応用できる2STEPの考え方

2STEPマーケティングのポイントは、見込み客の心理的ハードルを下げることです。

  • 高額化粧品をいきなり売るより、低価格トライアルで試してもらう

  • 高額コンサル契約の前に、ワークショップや診断サービスを提供する

フロントエンドで信頼を得れば、バックエンドへの移行率が高まります。
さらに、フロント購入者のリストを得られるので、広告費をかけずに直接提案できるのも強みです。


まとめ

退職代行サービスと転職支援の組み合わせは、フロントエンドの利益で集客コストを賄い、バックエンドで大きく利益を上げるという、2STEPマーケティングの理想形です。

あなたのビジネスでも、

  • 見込み客にどんなフロントエンド商品を売れるか?

  • その後にどんなバックエンド商品を提案できるか?

この2つを考えることで、利益構造は大きく変わります。

p.s.

この退職代行サービスはYoutubeチャンネルでやっている売れるランディングページの解説シリーズで出会ったものです。

ランディングページと合わせてビジネスモデルの考察もしていますのでご覧ください。

平岡 大輔

株式会社テマヒマ 代表取締役/マーケティング歴20年/事業成長に悩む企業のweb集客ROI改善を支援/売れるLP改善を得意とし、大手から中小企業まで100本以上のLPを改善/著書『売れるランディングページ改善の法則(技術評論社)』

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