目次
はじめに
「忙しい」「時間が足りない」と感じることはありませんか?
私たちはつい、スケジュールを100%埋めて効率化しようと考えますが、実はそれが生産性を下げる原因になることがあります。
今回は、ある病院が実践した驚きの方法と、そこから学べる生産性向上のヒントをご紹介します。
1. あえて“使わない”余白を作った病院
32室ある手術室が常に満室で、年間3万件の手術をこなす病院。
急患が入れば深夜まで対応するのが当たり前。普通なら「手術室を増やす」「医師を増やす」という解決策を考えますが、それができない状況でした。
そこで病院が取ったのは——
**「常にひとつ手術室を空けておく」**という一見非効率な選択。
2. 意外な結果
結果は驚くべきものでした。
-
手術の受け入れ件数:5.1%増加
-
午後3時以降の手術:45%減少
-
収入も増加
あなたはこの結果、想像できましたか?
3. 欠乏の罠を外す3つのポイント
(1) スラック(余裕)
余裕があることで、急患対応のために他の予定を動かす必要がなくなりました。
結果として、医師の待機やキャンセルが減り、全体効率がアップ。
あなたの業務スケジュールにも、緊急対応用の“空き”はありますか?
(2) トンネリング(視野の狭窄)
忙しすぎると、目の前の作業だけに意識が向き、本質的な解決策を見失います。
この病院では、長時間労働や深夜残業という“応急処置”で対応していましたが、それが集中力を下げ、手術時間を延ばす悪循環を招いていました。
(3) 処理能力の向上
余白を作ることで、視野が広がり、1件あたりの手術時間が短縮。
実は「手術室不足」ではなく「処理の遅さ」が真の問題だったのです。
4. 欠乏感が頭を占拠する
「足りない」という感覚は人の認知能力を奪います。研究では、欠乏感があるとIQが一時的に知的障害レベル寸前まで下がることも報告されています。
この病院の医師たちは「手術室が足りない」という思い込みで常にスケジュール変更を心配し、集中できていませんでした。
5. 自分の経験と応用例
私自身もベンチャー企業で極限の忙しさを経験したとき、この発想にたどり着きました。
たとえば、クライアント対応のカレンダーにも「緊急案件用の1枠」を必ず確保。
結果として、突発案件が入っても他の案件を動かさずに済み、全体の生産性は落ちませんでした。
あなたの仕事では、どんな“空き枠”を確保できますか?
会議を1時間減らす、1日30分のデスク整理時間を入れる——こうした余白が大きな成果につながるかもしれません。
まとめ:余白は贅沢ではなく戦略
生産性を上げる鍵は、時間やリソースの**“余白”を戦略的に作ること**です。
常にギリギリで動くよりも、あえて余裕を残す方が、結果的に処理能力と成果は向上します。
時間に余白を持てていますか?
参考:http://susumu-akashi.com/2016/01/slack/