中小企業が展示会を最大活用する方法

  1. プランニング

Web&デジタルマーケティングEXPOに行ってきました。

マーケティング関連サービスの展示会です。ツールや支援サービスなどを提供する事業者が出展しています。出展者は普段出会えないようなクライアント候補を見つけるために、費用をかけて出展し、装飾をし、資料やノベルティを制作します。

ネタ集めのためにできるだけ足を運ぶようにしています。最近の出展者傾向としては、マーケティングオートションのためのツールが増えてきています。あと今回に関しては、チャットを利用した接客&顧客サポート系のサービスが増えていました。

目当てはできるだけ小さなブース出展者です。なぜなら、新しいサービスを提供しだしたこれからの会社さんが多いからです。そういうところに掘り出し物が見つかるものです。

毎回思うことですが、マーケティングができていない出展者が多いです。
ターゲットのインサイトができていない、コンセプトを明確にできていない、アプローチが適切ではない。

つまり、相手が何を求めているか、今どんな状態の人かを理解できていない。自分たちがどんな価値提供をできるのか、周辺の出展者と何が違うのかを明確に打ち出せていない。営業行為を全開でしてしまっている、ということです。

みんな一握り存在するかしないかの理想的なターゲットを探そうとしています。例えば普段営業をかけることができない大企業とか、今すぐにでも自分たちのサービスを欲しいと考えている企業とか。

来場者の多くは情報収集にきている代理店や、個人経営に近い小規模事業者です。そしてほとんどの来場者が主催が行うセミナーを目的として来場している人たちです。

セミナーの合間でついでに展示会場の様子を見ているような人が多いので、そもそも営業行為を受けたいと思っていません。

執拗な呼び込み、ノベルティ、キレイなお姉さんに吸い寄せられ、仕方なしで話を聞いているふりをする人が大半だと思います。

次に、同じようなサービスのブースが集まる中、自分たちが何を提供できるのか?似たようなサービスを提供している周辺のブースの出展者とどう違うのか?優位性はあるのか?独自性はあるのか?を明確に撃ちだされていません。

本人たちは打ち出していると思っていても、受けてからすると明確には伝わってきません。話を聞いた側も競合商品と同様のサービスだとしか認識をしていないので、興味を持ったとしても価格で比較するしかしなくなります。

出展者のアプローチは呼び込み、足止め、説明、デモ、名刺交換の流れになっています。呼び込みが最もハードルの高いステップなので、各社趣向を凝らしています。おみやげで釣る会社、美女で吸い寄せる会社、キャバクラのキャッチ並みに執拗についてくる会社など。

おみやげ目当てで話を聞きにくる人がどれだけ見込客として有効なのか疑問です。そしてそのおみやげ自体も不用なものが多いです。ロゴ入りのペン、USB、シール、ふせん。お菓子や飲み物はありがたいですが。


2時間ばかりの滞在時間で20社程度の話を聞き、持ち帰ったパンフレットを見返していました。
情報収集のためにもらった僕ですら、じっくり見る気になれません。手間をかけて制作したと思いますが、99%はごみくずと化しているのではないかと思ってしまいます。残念ですが。

説明を読むという行為のハードルの高さを改めて実感しました。しかも何十社もの資料を持ち帰って、それを全て見返す人なんて皆無だと思います。まずはその中からピックアップされるための工夫が必要です。

形状が特殊だ、自分にとって有益な情報が含まれているなど。企業の「これできる」「あれできる」のアピールを見たい人なんていません。

展示会のゴールをどこに置くべきか?

展示会ではマーケティングプロセスの見込客獲得の機会として、次のステップにつなげるための目的を設定し、それを果たすために最大限注力すべきだと思います。

やることは認知獲得(競合ひしめく環境で自社に気づいてもらう)、興味喚起(目新しさ、有用性を感じさせる)、課題の抽出(個別の課題を引き出す)です。

目的は限られた時間でよりたくさんの見込客を作ることです。自分たちのサービスを探している見込客を見つけることではありません。来場者は何らかの課題があるから足を運んでいます。でもその解決策を明確にできていない人がほとんどです。


だから、まず興味付けをし、課題を聞き出し、自社の見込客を作ることを目標にするべきです。

営業行為全開の雰囲気の会場で、「今まさに営業をかけられている」と感じている警戒心のある状態の相手に売るのって難しくないですか?


課題を理解し、その最適解を改めて時間を取って提案してくれる会社の話の方がきちんと話を聞けると思いませんか?僕はそんな会社の方が信用できます。

お金のある出展者は広いスペースを陣取り、商談スペースを多数確保できるので、その場でじっくり腰を据えて、課題に対しての提案まで行えます。これが展示会での理想的な形ではありますが、強者の戦い方なので、中小規模の事業者さんは自社の見込客を作る機会だと思って取り組むと良いと思います。

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平岡 大輔

プロモーション領域の端から端までを熟知しているバランス型マーケター。
総合広告会社でTVCM中心にマスメディアのプランニングに従事。
web系ベンチャー企業でクリエイティブ事業部の責任者として多数のwebサイト開発に取り組みながら、EC企業のマーケティングコンサルタントとしても活躍。D2C企業の経営に参画し、年間5億円の広告費を使いながら理論と実践のPDCAを回している。マーケティングのプランニングからディレクションまでを得意領域としており、チームビルディング・チームマネジメントにも精通。

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