マーケターの腕の見せどころ

活用次第で最強の広告手法になると思ったソリューションがあります。

広告配信プラットフォーム「Cinarra DSP」です。これは携帯電話に蓄積されているリアルな行動データを元にオーディエンスを把握し、広告を配信できるというものです。

これを利用することで、web閲覧履歴というあいまいな情報ではなく、実際にその人がどういう人(携帯電話登録情報により)で、どういう行動をしているのか(位置情報により)が、精緻に把握できます。例えば、フィットネスに通っている人を特定できたり、居住エリアと勤務エリアを特定したりできます。

web閲覧行動との違い

web上の行動履歴も数年前と比べれば、いろんなオーディエンスデータと分析機能によって精度が高くなっていると言われています。

ただそれは、テクノロジーの進化によって高度な分析が可能になったことで、推測の精度が高まってきているにすぎません。

データ量から傾向を判断していることに変わりはありません。実際活用できるのはデモグラフィックなセグメントくらいだと僕は思っています。(細かくセグメントを設定することにパフォーマンス改善の糸口があるとは考えていません)

リアルな行動履歴は事実に基づくデータになります。毎日同じ駅に同じ時間に来る人は、その駅を利用している通勤客です。その人に対して、新しい缶コーヒーの広告を自宅を出る前に配信するようなこともできると思います。

定期的に同じエリアをぐるぐると移動している人はジョギングをしている人です。その人に対して、スポーツウェアやシューズ、マラソン大会の告知を配信することも可能になります。

毎週金曜日の夜に特定の繁華街に訪れている人は仕事終わりにお酒を飲みに来ている人です。その人に対して、飲み屋の特別クーポンを配布することだってできます。

従来の位置情報を元にした広告配信との違い

位置情報を利用した広告配信というのは従来からあります。でもそれは、特定エリアに入った人に対して(お店の周辺に来た人に対して)広告を配信するというものです。

その時に広告を見れる状態にあり、タイミングよく配信がされないと意味がありません。そのエリアに来た時点では既にお店を決めている可能性が高いです。

一方、リアルな行動履歴情報を元にすれば、過去の行動履歴からオーディエンスを特定できるので、お店の近くに来る前に、例えばお昼休みの時間などに限定クーポンを広告配信するなどの使い方ができます。

個人情報保護の問題については、個別の情報自体は携帯事業社の外には出ないということで対処しています。つまり、DSP側に提供されるのは、行動履歴としての母集団のみになるので、そこで個人を特定できない状態にしています。

セグメントの精度が上がることは広告自体の精度を高める

商品と顧客とのマッチングのためのプロセスにおいて、広告の役割はできるだけたくさんの、商品の顧客として相応しい人たちを、可能な限り安価に集めてくる(認知させ興味を持たせる)ことです。

そのためにははセグメントという対象母集団に対して露出をすることが重要になります。その精度が高ければ高いほど、無駄な広告が減ります。

セグメントの像が具体的であればあるほど、広告クリエイティブの精度を高められます。よりパーソナルな広告としてターゲットに提供することができます。

よりリサーチの重要性も増します。ターゲットの背景を鑑みたメッセージの開発が求められます。ここはマーケターの腕の見せどころだと思います。楽しそうなので早速試してみたいと思います。


参考:http://jp.techcrunch.com/2016/06/22/cinarra-launches-dsp-on-mno-data/
 

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