コロナ騒動に便乗したうまいPR

  1. プロモーション

広告以外の集客手法を駆使しようとする企業は多いと思います。

ビジネスは投資回収なので、投資した分だけ大きく回収できます。なので基本的なスタンスとしては、広告投資モデルの構築を最優先に考えて事業支援に入っています。

でも多くの企業が「広告は費用」という捉え方が多く、できるだけ広告費を使わずに集客できる方法を探しています。最近だとSNSの拡散性を利用してビジネスを加速させようという流れがあったり、昔からあるのはPRなど話題作りをして集客に繋げようという動きです。

それらは確かに効果的だと思いますが、土台となる顧客化のためのプロセスを構築できていなければ、ゴールまで見込み客を運ぶことは難しくなります。

顧客化プロセス構築のためにはこちらから意図的に見込み客を集めるアクションが必要になり、それが広告以外では実現できないので、広告投資モデルを第一に考えています。

そんな僕が「これはうまい!」と感じさせられたプレスリリースがありました。

「新型コロナウイルス対策でマスク50万枚を用意! 通販サイトStardayで10枚1円で販売」

連日のコロナ騒動を好機に、いろんな企業がサービスの無償提供などを行い話題になっています。子供のための自宅学習機会や子供が楽しめるエンタメコンテンツの開放などは、とてもいい判断だと思いますし、タッチアンドトライをしてもらう機会としても理にかなっていると思います。

でも、BtoB向けのツールベンダーなどが「無償提供します!」みたいなキャンペーンをしているのは、やはりプロモーションに見えてしまい興ざめしてしまいます。

そんな中、このプレスリリースを発見しました。

転売屋への規制が敷かれ、マスクを手に入れやすくなった矢先ではあるものの、まだマスク不安が完全に無くなっていないこのタイミングで、10枚1円でマスクを買えるという情報を発信されたら、多くの人は行動してしまいます。

このプレスリリースがうまい理由

通常より価格を下げる理由がどこにあるのか?

それは自分のECショップで商品を買ってほしいという売り手の狙いがあるからです。仕入れたマスクを困っている人に届けたいという想いだけであれば、通常価格で販売すればいい話です。

でもなぜ明らかに安い、そしてインパクトのある価格にしているかというと、このプレスリリースを話題にするためだと思います。

話題にしたかった理由は、この企業が会員獲得の好機と捉えたからです。50万枚のマスクを10枚ずつ販売すれば、5万人の自社会員が増えます。5万人の会員獲得単価を考えたらマスクの仕入れ費用なんて鼻くそみたいなものです。

集客コストという考え方

プレスリリースという手法を選んでいるので、プロモーション費用も一切かかっていません。マスクが1枚10円で仕入れられるとしたら、かかった費用は500万円です。500万円と聞くと「結構お金かかってるやん」と感じますが、獲得単価として考えれば100円で1人の会員獲得ができたということになります。

会員獲得するのに通常、1件1,000円とかかかっているようなら集客パフォーマンスが10倍になっているので、こんな優れたプロモーションはありません。もちろん通常時はきちんとした売上も上がっていますが、それを差し引いても悪くないプロモーションだと思います。

集客コストと捉えれば、マスクの仕入れ代金は広告費と同じお金だと考えられます。そういう見方をすることで、やるべきかどうかの判断をしやすくなります。

広告費、PR費、商品原価と分けて考えるのではなく、集客コストを何に使用するのかという考えかたをすれば、プロモーションの幅は広がっていきます。企業の活動は商品を売っているのではなく、顧客を集めているという考え方をするのが大切です。

一気に5万人の会員を増やせる施策ってなかなかないですよね。いや〜、凄い。

p.s.

平岡はマスクつけない派です。

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平岡 大輔

プロモーション領域の端から端までを熟知しているバランス型マーケター。
総合広告会社でTVCM中心にマスメディアのプランニングに従事。
web系ベンチャー企業でクリエイティブ事業部の責任者として多数のwebサイト開発に取り組みながら、EC企業のマーケティングコンサルタントとしても活躍。D2C企業の経営に参画し、年間5億円の広告費を使いながら理論と実践のPDCAを回している。マーケティングのプランニングからディレクションまでを得意領域としており、チームビルディング・チームマネジメントにも精通。

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