「フェルミ推定」というものがあります。
実際に調査するのが難しいようなとらえどころのない量を、いくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、短時間で概算することです。
コンサルティング会社が地頭の良さを判断する試験などで使ったりもしています。
Twitterのリツイートで発見した「おや?」と思うnoteの記事があったので紹介します。
Netflixのお正月の新聞広告の広告効果試算なのですが、手掛かりとして扱っている数字に違和感がありました。内容はこのような感じです。
結論、
これを導き出した係数として、
投資額は、
これに、嵐のドキュメンタリーの告知広告を1.5億円と読んで、総額4億円としています。
新規会員数は、
としています。そこから獲得単価として、2,758円を導き出した形になっています。
推定を大きく狂わせている係数
web広告主体で事業展開されている会社さんの方なのでオフライン媒体についての情報が乏しかったのだと思いますが、明らかに実際とは大きく乖離している数字があります。
それは、広告費の額と獲得数算出です。
まず、新聞の公表されている媒体費は嘘だということです。定価として設定されているものの、その金額で実施している企業はほぼいません。特に出稿量が多ければその分安く買い付けられるので、実際にはもっと少ない金額だと推定されます。
次の獲得数算出がさらによろしくないなと思いました。
それは新聞の発行部数を母数にしている点、CVRという係数を持ち出している点です。
まず新聞の発行部数は実売とは異なります。新聞社が刷っている部数になります。実際には7掛けとか8掛けとかなんじゃないですかね?もっと少ないかも。。業界の闇に手を付けることになるのであまり詳しくは知りませんがw
あと、オフラインの認知広告で獲得数を算出している前提に無理があります。通販広告ならまだしも、ブランド認知および商品認知のための広告なので、ここから獲得数を出すという考え方自体に疑問を感じます。
もちろん、netflixに興味づけされて検索行動を取り、もしくはその後何か別の広告を見て、サイトへアクセスして申し込むという人はたくさんいると思います。
獲得自体は総合的な結果として生まれるので、新聞広告だけで獲得数換算をするという行為自体に違和感を感じた次第です。
さらに、仮に推定するにしてもCVR1%というは、webのLPをベースとした値なので、相当無理があります。認知型のオフライン広告で直接CVする割合は余裕で0.01%を下回ります。
この手の議論は正解はわからないので推定の域を出ないのですが、明らかに「ちゃうやろ。」と思う部分があったのでシェアさせていただきました。
p.s.
オフライン広告を主戦場にしている人たちがオンライン広告を理解したら、より活躍の場が広がるのになーと、オフライン広告出身者としては思ってしまいますw