コンセプト作りができてなんぼ

店舗型のビジネスは立地がすべてだと言われてきました。

でも、個人が情報発信できるようになり、その前提が崩れているケースが出てきています。

札幌市郊外の山の奥、そんな辺鄙なところにある動物園に人が殺到しているようです。

なぜそんなにも多くの人がわざわざこの交通の便の悪い動物園にやってくるのか?

それはそこが「日本一危険な動物園」だからです。

動物たちと触れ合えることが売りの体験型動物園なのですが、普通の動物園では絶対に触れ合えない猛獣たちとの触れ合いができるというのが、この動物園のUSPとなっています。

”しかも、別料金の有料プログラムも充実。ライオンやワニ、オオトカゲをはじめ、いろんな動物のエサやり体験が可能で、なかには檻の中で凶暴な性格で知られるベンガルトラにエサやりができる危険なスペシャルプログラム(1000円)もある。”

さらには、デンジャラスゾーンというエリアがあり、一切の責任を問わないという誓約書を書かなければ足を踏み入れられないという、TV番組さながらのガチのやつです。

”ここでは大量のピラニアがいる水槽の上に架かった平均台ほどの細い橋を渡ったり、大きなワニがいるオリの中にある橋を超えるなど、一歩足を踏み外せば無事ではいられないものばかり。”

追加料金を払って体験プログラムを購入してもらうことで、通常の動物園よりも客単価が高いことが推察されます。

USPとは独自のウリとなる特徴です。動物たちとの触れ合い体験であればどこでもありますが、危険動物との触れ合いはここにしかない体験です。(たぶん。国内では。)

そこにしかないものがあれば、人はわざわざ足を運びます。

必要が満たされている時代に、そこにしかないもの、この商品でしか満たせないもの、そういうものを提供できる企業が生き残っていくのだと思います。

マーケターはコンセプトを作れてなんぼ、がよくわかる事例でした。

コメント

この記事へのコメントはありません。

人気の記事

  1. 1

    記念写真の新しいビジネスモデル

  2. 2

    自画自賛ネーミング

  3. 3

    サブスクモデルが売上を爆上げする理由

  4. 4

    需要を生むマーケティングの3STEP

  5. 5

    社内で提案を通す方法

カテゴリー

関連記事