次世代に向けたブランディング

  1. コラム

キッザニアに行ってきました。

子どもが職業体験できるというテーマパークです。大和ハウスさんのご好意で奥様と息子(3才)と3人で行ってきました。

ららぽーと豊洲のフロアの一角にあるので、最初は「ほんまにこんなところにあるのか、商業施設内にあるような感じやとしょぼそう。」と思っていました。

ところが、空港のチケットカウンターのような入場口から一歩中に入ると、見慣れたブランドロゴが立ち並ぶ街並みに一変、天井も空のデザインが施してあり、そのエリアだけ異空間。

最初は空の演出がされた天井も、セット感があるなと感じてましたが、子どもの目線に合わせてその空間を楽しんでいる内に違和感はなくなり、すっかり街中にいる気分になっていました。

キッザニアはいろんな仕事を体験することで、キッゾという通貨が給料として支払われます。そのお金を利用して、施設内でお買い物ができたり、アトラクションを利用できたりします。

なんと銀行もあり、稼いだお金を預金しておけるシステムになっています。キャッシュカードも発行され、入出金ができるATMももちろんあります。

はじめての仕事

まずは3歳児にもできるやさしい職業として紹介してもらったガソリンスタンドへ。スタッフのお姉さんの説明をわかっているのかわかってないのか聞き入る息子。

職業体験時はリアリティを出すために制服や作業着などを着用します。ガソリンスタンドの作業着を着せてもらおうとした瞬間、息子は泣きだし、「着ない!」と行ってその場に崩れました。

「おや、制服とか着れるのって普通テンション上がるところちゃうの?ヘタレ発揮したか。」と一気に不安になる。

数分粘った結果、状況変わらず一時退散。最初の職業体験は職務放棄により終了。

一旦気持ちを落ち着かせるために、施設内を周遊する観光バス(はとバス)へ乗車。入場時にもらったお金から乗車賃を支払い乗車。キッザニアは子どもしかアトラクションを利用することはできません。なので、バスも1人で乗ります。

顔がこわばり緊張する息子。バスガイドさんとマンツーマンで、歩く速度よりゆっくりのバスで施設内をぐるりと一蹴。母親がバスの外でピッタリと並走していたからか、なんとか駄々をこねずに観光終了。

はじめての給料

少し雰囲気に慣れさせたところで、ヤマト運輸の配達の仕事にチャレンジ。やはり作業着を着たくないと駄々をこねる。そこでお兄さんから、親に付き添ってもらって荷物を届ける「アルバイト」も可能との提案をもらう。

ミッションは2つの封筒を施設内のお店に届けるというお仕事。お届け時の発声の練習をしていると、うまく言えなかったことに気持ちが折れ、やりたくないとぐ愚図りだす息子。


とりあえず届けるだけ届けようということになり、お店の写真と地図を見ながらお店を探す。今回のお届け先はJCBショップとdocomoショップ。

よたよたと歩きながら、写真と同じお店を探す。すぐそばにお店発見。お店のお姉さんに挨拶をしてお届け完了。

少し自信を取り戻した様子。ヤマトのお兄さんに地図を返すと、アルバイト代として3キッゾをGET。通常業務よりも低く設定されている演出に感動。なにはともあれ、息子人生初のお給料GET。

銀行口座開設


とにかくやれることを探そうと思い、施設内を徘徊。すると、三井住友銀行が道すがらにありました。急に店舗内に入りだす息子。どうやら銀行は嫌じゃないみたいなので入店。


銀行ではキッゾの預金口座が作れます。窓口でお金を渡すと財布とキャッシュカードをもらえます。

稼いだお金を口座に入金して貯めるも良し、毎回アトラクションで散財して使い切るも良し、どこまでも大人と同じことができるようになってます。しかも預金しているとお金が増える仕組みにもなっているとのこと。利率が気になるところです。

ソフトクリームづくりで得た達成感

財布もゲットして徐々にやる気を出してきたかに見えたので、ソフトクリーム屋さん体験をしにいくことにしました。難所は作業着のエプロンと帽子。

愚図ることなく順番待ちの列に並んでいたので、今回はうまくやれそう。「やっとアクセルかかってきたか、腰の重さは親譲りか」、など思いながら見ていました。

帽子を被る前に被るネットをスタッフさんがつけようとした瞬間、愚図りだす息子。粘り強い交渉も虚しく、結局作業着は着ない、1人では行かないと愚図り出しました。仕方ないので、母親同伴(基本NG)で店舗の中へ。

スタッフさんがやり方の説明のために、ソフトクリームを乗せるコーンを手に取り息子に見せた瞬間!息子のやる気が一気にみなぎり、母親の腕の中から離れ、消毒液を手に吹き付け、スタッフさんと一緒にソフトクリームの機械へと進んでいきました。

コーンを見て急にスイッチが入った模様。ソフトクリームの機械の下にコーンを持って行き、落ちてくるソフトクリームを受け止めると、表情が徐々に柔らかくなっていきました。

そこですかさずスタッフさんがニットをかぶせ、帽子をかぶせた。「お、いけるか!?」と願う両親。

すると、本人に嫌がる様子はない。目の前のソフトクリームにしか意識がいっていない様子。完成したソフトクリームに自分でトッピングをし、楽しそうな息子。

ほとんど何もやってないし、エプロンつけてないし、ダメダメな状況でしたが、なんとも言えない達成感に溢れました。

結局その後も何度かチャレンジしたものの、途中で怖気づいて職務放棄し、お給料をもらうことはできませんでした。今度は彼のできる仕事をリクルートキャリアのお仕事紹介所で探してもらい、アルバイトから少しずつ仕事の楽しさと、達成感を味わってもらって、自信につなげていってもらおうと思います。

子どもへのブランディングを可能にするマーケティング施策


キッザニアのビジネスモデルに興味を持っていたので、半分以上は自分の興味で来場していました。参加企業は名だたる企業ばかり、このテーマパークへの協賛の素晴らしいところは、事業に関連する職業体験を通して、子どもたちへのブランディングと、将来の有望株の発掘ができるところだと思います。


PIZZA-LAはピザ調理体験、ヤマト運輸は配達体験、コカコーラはコーラ製造体験、ANAは客室乗務員体験、資生堂は販売員体験、LIONは歯科衛生体験、他にも書ききれないくらいたくさんの仕事があります。


楽しかった経験がそれを提供している企業への親近感に繋がります。ブランドに対する愛着だけでなく、その仕事につきたいと思うきっかけづくりになっていることが素晴らしいと感じました。

他のテーマパークでも企業が協賛しているアトラクションはありますが、看板にロゴが掲載されていたり、「●●presents」とアナウンスがあったりする程度で、あってもなくてもユーザー側としてはなんら問題のないものしか協賛メリットがありません。


でもキッザニアは、その企業が提供しているモノやコトに関連したアトラクションを体験することで、特に直接リーチしずらい子どもたちにブランディングができる機会をつくれています。本当に優秀なマーケティング施策だと言えます。

1回では全ての職業を体験できないし、仕事の成果によって評価が上がったり、稼いで貯めるというおもしろみもあり、リピート性のある演出がいろいろと用意されているので、楽しいと感じた子どもたちは何度も通いたくなる場所だと思います。


その刷り込み効果は計り知れません。

新しいことも大切ですが、自分たちがやっていることをもっと生かせないか、別のアプローチができないかを考えて、マーケティング機会を創出していくこともマーケティング担当者の仕事と言えます。

p.s.
最後はきっちり全額銀行に預金をしに行った息子。驚いたことに窓口で対応していたのは銀行員の職業体験中の子どもでした。

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平岡 大輔

プロモーション領域の端から端までを熟知しているバランス型マーケター。
総合広告会社でTVCM中心にマスメディアのプランニングに従事。
web系ベンチャー企業でクリエイティブ事業部の責任者として多数のwebサイト開発に取り組みながら、EC企業のマーケティングコンサルタントとしても活躍。D2C企業の経営に参画し、年間5億円の広告費を使いながら理論と実践のPDCAを回している。マーケティングのプランニングからディレクションまでを得意領域としており、チームビルディング・チームマネジメントにも精通。

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