原石にすぎないデータが情報となるには、目的のために体系化され、具体的な仕事に向けられ、意思決定に使われなければならない(ピーター・ドラッカー)
デジタルマーケティングの重要性が叫ばれ、web上のデータだけでなく、店舗や顧客情報なども含めた企業の持つ全てのデータを活用していく流れが加速しています。
ただ、まだまだ実用段階に至っている企業は少ない印象です。データ活用が進まない理由は、導入支援できる企業が少ないこともあると思いますが、活用できる状態にするまでの調整に時間がかかりすぎてしまう企業の事業体制にあると思っています。
各データが事業部を横断して扱うことになるので、各部門との調整が必要になります。また、各部門のデータに対するリテラシーや得られる結果の大小などが足かせとなり、なかなか前に進められないみたいです。
大きな企業になればなるほど、保有しているデータ量は莫大になり、活用のしどころも多岐にわたります。でも、大きな企業になればなるほど、組織間の調整に時間がかかってしまうというジレンマがあります。
記録をただ眺めているだけでは情報は得られない
データ活用にあたっては、目的にそって必要なデータを集計する必要があります。でも、目的を持ったデータの取得をしておらず、取れるものを取り整理もされていないので、誰もそこから何か情報を得ることもしていない、実はこういう状態の企業がほとんどではないかと感じます。
中小規模の企業においてはデータの重要性をわからず、データの取得すらできていないこともあります。これではいろんな投資によって得られている「結果」を次に生かすことはできません。
PDCAサイクルを上手く回して安定的に事業成長させられていない原因はここにあります。つまり投資ではなく費用としてお金を使っている状態です。
高額な解析ツールを導入している企業でも、無料で使えるツールでも見れるような情報しか見ていないこともあります。ツールありきで導入してしまうので、こういう状況が生まれます。
こういう情報が欲しいから、こういうデータが必要になる。そのためにはそれを取得・集計できるこのツールが必要だ。という流れでツールの導入をしていません。
そうなっていないのは、次の一手に生かす情報ではなく、状態を知るための記録としてしか活用ができていないからだと思います。データは記録です。その記録を情報にして扱わなければ、何もそこからは得られないのです。
マーケティング力をつけるための3つのセット
マーケティングに限らず、物事をうまくできるようになるためには、マインドセット・スキルセット・ツールセットの3つが必要です。
マインドセットは「正しい知識」、スキルセットは「実践に基づいた実行能力」、ツールセットは「実行を効果的・効率的にするための道具」です。
正しい知識を持って、実践で技術を磨き、道具で高める、この順番で取り組まなければいけません。でも、すぐに求める結果を欲しいと思う企業のマーケティング担当者は、道具に頼ります。
昨今のマーケティングオートメーションブームがまさにそれです。導入している企業の何%が本当にその道具の本領を発揮できているのか、疑問です。
アマチュアゴルファーが新しいクラブを次々に買うのと同じことです。本来は正しいスイングの仕方を覚え、理想通りのスイングができるようになるまで練習することでスコアがよくなります。
道具はあくまで技術を補完する役割でしかありません。良い道具を持っているだけではスコアは上がりませんよね?当たり前のように思うことが、マーケティングの現場では多々起こっています。
テマヒマのやっているセミナーでは、マーケティング担当者としてのマインドセットを得られる内容にしています。セミナーで話している内容をテキスト形式にまとめた資料「マーケティング秘伝のタレ」も配布中なので、もし事業成長に踊り場感を感じているならご連絡いただければと思います。
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