生きやすくなる考え方

  1. コラム

「馬を水辺に連れていくことはできるが、水を呑ませることはできない」
アドラー心理学について書かれたベストセラー「嫌われる勇気」の中で語られている一文です。

3日前から原因不明の激痛が左足の付け根に走っています。特に一昨日からは身動きも取れないくらいの状態で、ほぼほぼ寝たきり状態。少し動かすだけでズキッ!、思わず「う”ぅ”っ」と唸ってしまうくらいです。患部に触れた時が痛みの頂点なので、トイレはまさに苦行。できるだけ我慢して、意を決しての敢行という状態でした。


たまたま奥様の定休日と重なっていたので、いろいろと身の回りのお世話をしてもらえたので助かっています。ベッドの上で微動だにしなければ、痛み止めが効いている間はなんとか平静を保ている状況。

どこでも仕事ができる環境を改めて感謝しました。とはいえ頭を使うような作業は集中力がもたないので、できたのはメールのやりとりくらいでした。なので、先週から読み始めていたアドラー心理学のベストセラー「嫌われる勇気」の続編、「幸せになる勇気」を読み進めることにしました。

「嫌われる勇気」は読み終わってすぐに読み返した初めての本です。この本に出会って、世の中の捉え方が鮮明になりました。そこでは、これまで生きてきた中でなんとなく感じていたことが言語化されていました。行動の規範としていたこととの共通部分が散りばめられ、それらが体系的に語られているところにみるみる引き込まれていきました。


特徴的な主張

●人の悩みは全て対人関係にある
これは「こうありたい」「こうありたくない」という悩みの根源となるものは、相手がいなければ発生しないものである。なので、対人関係を思い通りに進められれば悩みからは開放される。また逆に幸福も全て対人関係の中にある、という考え方です。

●目的論
人の思考することや行動、その人に起こる現象は全て当人に何らかの目的があって、その目的を達成するためにそれらの理由を持ち出している、という考え方です。


たとえば赤面症で悩む少女がいます。その少女は、好きな人に嫌われたくないことを恐れています。具体的には、相手の目の前に出た時に見向きされない事態を恐れています。そのため、彼女には彼の目の前に出ないという目的が生まれます。その目的を果たすために、自ら赤面症という事象を持ち出していると考えます。

つまり、”彼とお近づきになれない理由”を作り出しているということです。特に興味をひかれたのは、その時「私が彼とお近づきになれないのはこの赤面症のせいだ」つまり、「赤面症さえなければ、彼とお近づきになれるんだ」という自分の可能性を残しておくために、赤面症という「人生の嘘」(言い訳)を作りだしているという考え方です。

今の自分の状況を持ちだして、「◯◯できない」と言っている大人たちがこれです。「◯◯さえあれば、◯◯できる」、「本当は自分はできるんだ、でも◯◯だから今はできない」、という可能性の中に生きています。とても興味深い考え方です。


●「課題の分離」
この考え方は特に刺さりました。これは自分の課題と相手との課題とを切り離すという考え方です。自分の言動によって、相手がどう反応しようとそれは相手の課題であって、自分の課題ではない。なので、相手がどう思おうが気にしても意味がないということです。これにより人は多くの悩みから開放されるのだと思います。


相手の課題に介入しようとするから、そこで揉め事や悩みが発生する。自分の考えを相手が受け入れられまいが、自分に対して相手がどう思おうが、それは相手の課題であって、自分がどうこうできることではない。自分ができるのは、自分がどうするか、だけである。というような考え方です。


そうすることで、相手に満たされることを目的とした生き方、つまりは「他人の人生」を歩むことはなくなります。世の中の多くの人が「他人の人生」を生きていると思います。人と関わり生きていく中で、承認欲求を満たしたいと思っている人が大半だと思います。僕もそうです。

でも、それがアドラー心理学では、根底から覆す考え方で語られています。まさに「嫌われる勇気」です。(なかなか実行するのは難しいんですけどね)

教育とは自立を支援すること


「幸せになる勇気」はアドラー心理学の基本的な考え方について知れる内容です。続編「幸せになる勇気」は、それを現実世界で実践できないと感じている人へ向けて、より具体的な題材を元に深層へと降りていくような内容だと思います。

特に「教育」という事例を通して語られていくので、子育て真っ最中かつ企業や学生の育成支援を行っている身としては、とても身にしみやすい内容で書かれていました。

「馬を水辺に連れていくことはできるが、水を呑ませることはできない」これは、正しい(と思っている)方向へ導くことはできるが、それをやるかやらないかは本人が決めるということの例えです。つまり課題の分離を表した一例と言えます。


人は自分が正しいと思いたい欲求があります。それを人にも押し付けがちです。もちろん善意で。でもそれを良しと思って実行するかどうかは相手の課題なのです。ただ、多くの人は自分で決めるよりも、他人に決められたことに従っておく方が楽だし、上手くいかなかった時に、それを指示した相手の責任にすることで、自分の痛みを避けようとします。

コンサルタントに頼りきってしまう企業がまさにその状態ではないかと思います。パートナー企業を次々に替えてしまう企業などもそうだと思います。

アドラー心理学では「与えられたものをどう使うか」が行動の起点となります。小さな会社であれば自分たちの持っている資源をどう活かすのかをまず考えるということになります。まず現状の自分を受け入れ、理想の状態に近づくためにどんな努力をしなければいけないかを考え、あとは勇気を持ってその道を歩み続ける、ということです。

教育とは自立を支援すること。「あなたのお陰でうまくいきました」と言われているうちは教育できていないということです。世の中の先生業はほとんどこの状態ではないかと思います。水を無理やリ飲ませて、相手を支配しています。


それに気づいていない、気づかないほうが楽だと知っている人達は、常に相手の主導の配下に居て、無いことを憂い、他社との比較の中で自分を評価し、結局自分の人生を生きれていないということになります。

アドラー心理学で得た「課題の分離」「横の関係」「自立の支援」、これらの考え方はこれから先の自分のビジネスにおいてもこれらは重要なキーワードになると思っています。

p.s.

ここに記した内容は断片的で、自分自身完全に浸透させられているわけではないので書ききれていません。もしまだ読んでいないなら是非おすすめします。そして今、続編もまた読み返しています。

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平岡 大輔

プロモーション領域の端から端までを熟知しているバランス型マーケター。
総合広告会社でTVCM中心にマスメディアのプランニングに従事。
web系ベンチャー企業でクリエイティブ事業部の責任者として多数のwebサイト開発に取り組みながら、EC企業のマーケティングコンサルタントとしても活躍。D2C企業の経営に参画し、年間5億円の広告費を使いながら理論と実践のPDCAを回している。マーケティングのプランニングからディレクションまでを得意領域としており、チームビルディング・チームマネジメントにも精通。

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