小学一年生のターゲット

子供向けの商品は2人のターゲットがいます。それを利用する子供本人とそれを購入する親です。

小学一年生の子供というセグメントに対して商品を提供し続けているビジネスがあります。小学館の『小学一年生』です。

30代以上の方は「ピッカピカの〜一年生」というCMを覚えている人も多いのではないかと思います。子供が見るTV番組でさんざん放映されてましたよね。

小学一年生は1人で書店に行きません。お金がないので本を買えません。なので、親に「子供にとって必要なものだ」と感じてもらって、書店に足を運んでもらい、購入してもらう必要があります。

少し前の事例ですが、その買う動機を親世代に作れている良い広告がありました。新聞に掲載されていたものです。

勉強している子供のシルエットが特徴的なロゴ。この中の2人が立ち上がり、いろんな世界へと飛び出していくというクリエイティブです。本を読むことによって広がる無限の可能性を表現した作品となっています。

小学一年生に向けて発信されたものだそうですが、反応しているのは親世代ではないかと思います。小学生の時、「あんなこと考えてたなー」「こうなりたいって思ってたなー。」と感じる人は少なくないのではないでしょうか?

新聞に掲載していた時点で親向けの広告なので、うまく広告としての機能は果たせていたのだと思います。たぶんこの広告を見て『小学一年生』を子供に買って帰った人も多かったはずです。

アニメーション版も制作されていて、webで二次展開されていた点もプロモーションとしては良いなと思います。

広告賞を獲ったようですが、広告業界の人が好きな感じの広告だなと思います。ちなみに、僕は好きです。ただ表現のアイデアとしておもしろいというだけでなく、広告を見た人の行動を変える力があると思うからです。

読者へのメッセージ、過去の読者だったであろう親世代へのメッセージ、行動を促す装置としての役割、それぞれを果たせている広告だなと感じます。

p.s.
「ピッカピカの〜一年生」のCMですが、25年前で終了していたそうです。そして令和になった昨年から再開し、Youtubeで配信されています。いつ見ても良いコンテンツだなと思います。

https://youtu.be/TSDMyOS73nY

 

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