買いたい気持ちの無い相手に売る方法

昨日2月3日は節分です。

節分といえば”豆まき”ですよね。最近では西日本の風習”恵方巻き”も全国区になってきた感があります。餅まきなんてのもやられてますよね。うちの地元では、お餅を包んでいる袋にたまに5円が入っているものがあり、それをGETするといいことがあると言われてました。

昨日は家族と節分をするために、19時にアポイントが終わりそのまま直帰しました。 

奥様からLINEが届く。「やまと(2才の息子)が『まめまきすーどぅー!』ていってるから豆買ってきて」。「はぁ?なんで豆買ってないねん。節分するて言うてんのに。鬼のお面は買ってないやろなーと思ってたけど、豆すらも無いんかい!」とは言えるはずもなく、帰りがけに豆とお面を求めてコンビニを探す。

意外と売ってない。あっても、僕の求める鬼のお面とセットになったやつがない。「やっぱりスーパー行かないとアカンかな。原宿にスーパーあるんかな?地元の駅に着く頃にはもう閉まってる可能性あるしなー。」と、いろんな選択肢を検討している僕の目の前に飛び込んできたのが竹下通りのダイソー(100円ショップ)。「お、なんでも揃う100均やったらあるんちゃうか?」と期待して店に入る。

ぐるりと店内を回ると端の方の棚に豆を発見。おそらく鬼のお面があったであろう空のフック。「あぁ、ここもあかんかったか。。」引き続き落ち込んでいた僕の目に飛び込んできたのが、脇に掛けられていた”ひょっとこ”と”おかめ”のお面。

「いや、これは違うやろ。鬼じゃないし。でも地元のスーパーに無かったら豆まきできへんしなー」とちょっと悩みました。そして、「”ひょっとこ”と”おかめ”やったら、”おかめ”の方が節分っぽいよなー」と、本来の目的である鬼のお面ではなんく、今できる最良の選択として、僕は”おかめ”のお面を買いました。

人は選択を迫られるとどちらかを選ぼうとする

例えばこんな感じです。

「この商品、あなたの課題を解決するのにぴったりです。いかがですか?」

「あなたの課題を解決するのに、この商品とこの商品があります。こっちは●●が特徴で、こっちは○○が特徴です。どちらかと言えばこっちの方がよりオススメだと思いますが、どちらの方が良いと思いますか?」

この時点で”買うor買わないの選択”ではなく、”どちらかの方がより良いかの選択”をする思考になっています。

人は一貫性を保ちたいという欲求があるので、自分の選択を正しいと思いたいと感じます。たとえそれが無理やり選ばされた選択であっても。

なぜ100円ショップで目的ではない”おかめ”のお面を買ってしまったのか。

僕は”鬼”のお面という目的の商品を手に入れられない恐怖を感じていました。

なので、100%欲求を満たすものではないけど、目的を”変装する”ととらえた時に、”ひょっとこ”でも”おかめ”でも目的は果たせると思いました。

実は同じ棚に侍のズラもありました。「いや、ズラよりはお面やろ。」と、ここでも選択をさせられていたため、”ひょっとこ”と”おかめ”がより魅力的に見える結果を招きました。

お面とズラの選択肢があったからこそ、”ひょっとこ”と”おかめ”から選択することになり、最終的に”鬼”とは似ても似つかない”おかめ”のお面を買ってしまいました。

『買いたい気持ち』ができているターゲットユーザーには、シンプルなオファー(取引条件)を提示しないといけません。複数の商品を案内するのは言語道断です。

『買いたい気持ち』ができていないユーザーに対しては、選択肢を与えて検討という思考プロセスを生み出すと効果的です。

p.s.

全身ヒートテックのおかめを今までそこに居た父親だと全然気づいていないのが驚きでした。純粋な子どもの心を弄んでしまい少し反省。でも、「おかめの鬼が来るよ!」って言ったら、シャキッとしてちゃんと歯を磨いていたので効果は絶大でした。これからも「おかめの鬼が来るよ!」を使っていこうと思います。

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