広告無視フィルターの突破法

みすず学苑の広告から人間が減ってました。

東京で電車に乗っている人であれば1度は目にしたことがあるはずの広告です。

登場人物が地味に変わっていっているシリーズものです。

なんでこんなヘンテコなクリエイティブにしてるんだろう?と思う人も多いと思います。

広告の役割

オフライン広告の多くは認知目的で行われます。

なので、目立たなければダメです。

どんなにお金をかけて綺麗なクリエイティブを作っても、注目を集められなければ存在しないのと同じです。

特に街中や電車などでは広告は背景と化します。人の基本機能として広告を無視するというフィルター機能が備わっているからです。

そのフィルターを突破できるクリエイティブを作れるかどうかが、広告では重要になります。

みすず学苑の広告は見たくないと思っても注意を持っていかれるクリエイティブです。

認知広告の目的を見事に果たしている広告と言えます。

ふざけた広告の真意

でも、ここまでの話だと、「ただ注意を引けばいいという話ではない」という議論が起こります。

こんなふざけた広告で注意を引いたとしても、この商品に興味を持つ人なんていないでしょ?と大半の方が感じると思います。

実はそこがみすず学苑の狙いです。

みすず学苑はハイレベルを目指す子供ではなく、そもそも勉強が嫌いできないと感じている子供がメインのターゲットです。

なので、他社と同じような真面目な子供がしっかりと将来を見据えているようなクリエイティブや、難関校突破!的なハイレベルを売りにするような広告で集客をしても、自社が求めている顧客が集められません。

そういう塾とか勉強に対して毛嫌いするような子供に来てほしいと思っているので、ふざけた広告を出しています。

どうせ行くなら面白そうなここがいいな、という判断基準が子供の中に作られるということです。

勉強嫌いな子供を持つ親としては、どこでもいいから塾に行って勉強してほしいと思っているので、子供が自分で選んだところならそれでいいという判断になります。

その設計がうまく行っているから、この訳のわからないシリーズでずっと広告し続けているのだと思います。

どんな顧客に来てほしいのか、その顧客がどんなクリエイティブを好むのか、それを理解した上で広告を作らなければ、他と大差ない広告ばかりになってしまいます。

他と大差ない広告は、私たちの広告無視フィルターにすぐかかってしまいます。

 

自社の広告クリエイティブを見てみてください。

他社の広告と大差なければ、その広告は完全に無視されています。

 

平岡 大輔

株式会社テマヒマ 代表取締役/マーケティング歴20年/事業成長に悩む企業のweb集客ROI改善を支援/売れるLP改善を得意とし、大手から中小企業まで100本以上のLPを改善/著書『売れるランディングページ改善の法則(技術評論社)』

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