「代理店おじさん」の話を聞いて

エン・ジャパンさんが主催するWEB・IT業界で働く人々の人生を少し豊かにするメディア「CAREER HACK」に82世代で同期の鍛冶屋敷君が紹介されました。

広告会社を辞めて31歳からプログラマに転身した異色の存在です。彼のキャリアについて詳しくは知らなかったので記事はとても新鮮な内容でした。

広告会社の人は、転職するとしても上位の広告会社か、クライアントの宣伝部か、保険会社か、だいたいそんな感じです。今までの経験を活かせる会社に転職する人がほとんどです。

社内の繋がりが強いので社外の情報に触れることが少ない人が多いと思います。社外との繋がりもメディアやプロダクションなど同業で仲良くしているため、広告以外の世界のことがわからず、どんどん業界内で留まってしまいます。

広告会社にいた人がなんでプログラマになったんだろう?と思っていたのですが、彼の場合は身近にその業界で働く友人が居たことがおおきなきっかけだったのだと理解しました。

特に共感できたのは「代理店おじさんになりたくない」という言葉です。彼曰く代理店おじさんとは「口が上手くてエラそうなことは言うんだけど、実際は何もつくれないし、何もわかってないぞ」と現場に思われるような人たちのことです。全てがそうとは思いませんが、ほとんどがこうだと思います。

僕の場合は、webメディアが拡大するに連れて広告を代理するというビジネスモデルへの限界を感じたことと、このまま広告会社にいてもここでしか生かせないスキルと経験しか積めないと感じたので、30歳になる前に当時10名程度のwebベンチャーへ転職しました。

特に知り合いが居るわけでもありませんでした。webに詳しいわけではありませんでした。ただ、weの仕事ができて、できるだけ裁量の大きい会社、できるだけ小さく経営にも近いことが候補企業の条件でした。

僕の考えでは、実務をせずに代理店手数料を収益減としている会社はこの情報社会では役に立ちません。代理店を通してしか媒体を買えなかった時代には、広告代理店は機能として必要でした。

代理店一択ではない時代

でも今は、メディアと直接取引ができる環境が整っています。webメディアの主流のリスティング広告やソーシャル広告は事業主が直接出稿できます。媒体社側も使いやすい管理画面や、手間のかからない使用にどんどん改善もしていっています。

とはいえ、効果を出すためには専門性が必要ですし、手作業の手間もかかります。そのリソースを外注するという意味で、運用代行会社へ委託することはありだと思っています。

いろんな会社の広告を運用している専門家に任せた方が、最新の情報も入って来ますし、対応もきちんとできる(はず)からです。

注意しなければ行けないのは、彼らのような実務者を起用して、あなたと対峙する代理者が居る場合です。比較的大きな企業では、複数のパートナーとのやりとりをなくすために、代理店に一元管理を任せているケースがあります。

代理店に依頼することで生まれている無駄

でも代理店の働きとしては多くの場合、時間と成果とお金に無駄が生じています。

パートナーである実務者の提案の横流しであったり、営業担当、社内の専門部署担当、パートナーと複数のプレイヤーを挟むことでやりとりの時間が無駄に発生していたり、その間に余計なフィルターがかかってしまっていたり、それらの価値につながっていない活動に対して報酬を支払ってしまっていたりと、事業主にとって何もメリットがない状況がしばしば起こっています。

何も考えず、タマを投げて出てきた提案から選ぶというやり方をしていると、こういう状況からは抜け出せません。

事業主側でマーケティングの目的を明確にして、そのために今何をやるべきか、そのために最適なパートナーは誰なのかをきちんと選別した上で、独自のパートナー体制を構築していく必要があります。

そのためには、事業主側が各施策がどういう役割を持っているのかを理解して、PDCAサイクルを回すための判断基準を元に、部分最適化したパートナーへの的確な指示出しができる状況でなければいけません。

多くの中小企業に求められていること

つまりは、マーケティング業務に従事する専任者が必須になるということです。

とはいえ、中小規模の企業では兼任していたり、担当不在ということもあります。そういう企業には、マーケティング業務(主にプロモーション業務)を担ってくれるパートナーが必要です。


「世の中のマーケティングを健全にする」これを実現するためには、こういう専任者のおけない企業、専任者が居てもまだまだ経験の足りていない企業のマーケティング活動を支援することから始めることだと思っています。

もちろんまだまだ小規模な会社なので、数多くを支援することは1社では大変です。でも、そこに自分たちがやる意義も感じています。

テマヒマはこれまでマーケティング担当者向けの育成事業を主にしていましたが、今後は専任者のおけない企業向けの町のお医者さん的な存在になるためのサービスを開発していくことにしました。

自社に無いリソースは仕組みとテクノロジーで担保すれば問題ありません。サービスの概要はもう固まりました。ここから半年以内のリリースを目指して年明けから開発を始める予定です。


また少しずつブログでもご紹介していければと思っています。

楽しみにしていてください!


参考:http://careerhack.en-japan.com/report/detail/743

 

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