人は自己のイメージ作りのために商品を買う

人は自分を形作る要素として商品を買います。

見込み客が求める製品やサービスは、自己イメージを高めたい、それによって自尊心を高めたいという満たしたい感情への動機付けによって決まります。

自分を意識するとき、他人が必ず存在します。他人との比較において、自分の位置を知ることができるからです。

そしてその対象とする他人(もしくは集団)と比べて、「自分がどうありたいのか?」と考え、ありたい自分の姿を目指して行動します。その商品を買うことで、ありたい自分へと近づくことが目的です。

僕がiPhone、iPad、MacBook、iMacを使っているのはまさにそれです。apple製品を持つことで自己イメージの高まりを感じているからです。”apple=イケてる、イケてる人が使ってる”と感じるので、イケてる自分という理想像を形作るために愛用しています。

マーケティングの道筋は見込み客の理想像を知ることから始まる

自己イメージを高めるためのアイテムが目の前にあれば、それを欲しいと思うのが人です。

見込み客がどうありたいのか?を知ることができれば、その理想像に寄り添い、そうなるための手段として商品を紹介することができます。それができれば売れます。

なので、見込み客が自尊心を高めるためにどんな自己イメージを手に入れたいのかを知ろうとして、大企業はリサーチにお金をかけています。大規模アンケートをとったりターゲットグループへのヒアリング調査をしたり、最近だとニューロマーケティングと呼ばれる脳の反応から人の感情を紐解くようなリサーチ方法もあります。

でも、わざわざ調査しなくても、多くの人が描く理想像は誰もがわかっていると思います。それは自分自身が見込み客と同じ大多数の人間だからです。なので、自分自身を振り返ることで明らかになります。

自分自身と対話することを難しく感じる人はこれを参考にしてください。ニーズとウォンツの話でも挙げた9つの根源的欲求です。人の欲求はこの9つを満たすために生まれています。

  1. 生き残り、長生きしたい
  2. 食べ物、飲み物を味わいたい
  3. 恐怖、痛み、危険から逃れたい
  4. 性的に交わりたい
  5. 快適に暮らしたい
  6. 他人に勝り、後れを取りたくない
  7. 愛する人を気遣い、守りたい
  8. 社会的に認められたい
  9. 人生を楽しみたい

https://temahima.co.jp/column/marketing-needs-wants/

これらは自分を含めた多くの人が求めることです。つまり、みんなが求めるものを手に入れられている状態に、自己のイメージが高まり、自尊心へと繋がります。

感情へアプローチする方法

あとは、これらが満たせた状態になったとき、どう感じるか?を見込み客が想像しやすい状況を作るだけです。そしてそれが1番難しいことです。表現の仕方は無限にあり、反応してしまうポイントは千差万別だからです。

なのでほとんどの企業は多くの顧客を集めようとして、最大公約数を取りに行こうとしがちです。そうなると代わり映えのしない、つまらないコミュニケーションになり、スルーされたり刺さらなかったりします。

顧客を集めたいなら、必ず見込み客の状況と状態を定義して、その人が絶対に振り向き、気になり、行動したくなるコミュニケーションを作るようにしてください。

その人の日常を描き、その人が日々想像していることを映し、その人が話す言葉を使います。

事実を伝えるのではなく、感情へ語りかけることができれば、人は反応します。

 

p.s.
わざわざリサーチをしなくても、これらを元に見込み客が求める理想的な自分の傾向がわかります。過去の実験者たちが残した遺産によって、人がどういうものを求めて、どう反応するのかはすでに明らかなことが多いです。人は本質的変わってません。100年前の人と身体的能力に大きな差はありません。人が買いやすい陳列、購入を検討するタイミングなどは同じです。
もちろん、ネット普及による行動の幅は広がっています。今後はAIとロボットのお陰でどんどん広がっていくと思います。でも、本質は変わりません。(おそらく僕らが生きている間は)

コメント

この記事へのコメントはありません。

人気の記事

  1. 1

    広告は何のためにやるのか?

  2. 2

    AIDMAの法則より大事なこと|実践で使える顧客の購買行動モデル

  3. 3

    バーガーキングの素晴らしいアンサー広告

  4. 4

    高い買い物をした時の行動心理

  5. 5

    売れる値付けの考え方とは?

カテゴリー

関連記事